美容師の平均年収はいくら?スタイリスト・店長・独立まで徹底比較!


美容師の平均年収! スタイリストや独立でどう変わる?
美容師の年収はアシスタントからスタイリスト、さらに店長や独立といったキャリアによって大きく変わります。 最新の調査では美容師全体の平均年収は約371万円とされていますが、スタイリストとして指名客を増やすことで収入は上がり、独立すれば年収1,000万円を目指すことも夢ではありません。 この記事では、美容師の男女別・年代別の平均年収から、ランクごとの収入の違い、さらに美容師が年収を上げるための具体的な方法まで徹底解説します。
- 目次
- 美容師の平均年収はいくら?
- 美容師全体の平均年収は約371.7万円
- 男性美容師の平均年収は約428.3万円・女性美容師の平均年収は約339.2万円
- 短時間勤務の美容師の平均時給は1,662円
- 【アシスタント・スタイリスト・店長】ランク別で美容師の年収はどう変わる?
- アシスタントは200万円前後
- ジュニアアスタイリストは250万円前後
- スタイリストは300〜400万円程度
- トップスタイリスト・チーフは400〜700万円程度
- 店長は400〜700万円程度
- 【勤続年数・所属規模・都道府県】ケース別で美容師の平均年収はどう変わる?
- 【初任給・5年目・10年目・15年以上】勤続年数別の平均年収は?
- 【20代・30代・40代・50代・60代】年代別の平均年収・賞与額は?
- 規模別の美容師の平均年収は?
- 独立した美容師の平均年収は?
- 美容師の平均年収は他の職種と比較して高い?低い?
- 【年収1,000万円は目指せる?】美容師が年収を上げるための方法
- 指名数の増加を目指す
- 物販数を増やす
- 給与水準の高いサロンや地域で働く
- フリーランス美容師として働く
- 独立開業する
- まとめ・ 美容師は努力と戦略次第で大きな年収アップを狙える職業
美容師の平均年収はいくら?

「手に職」と聞いて思い浮かべる職業の1つが美容師。技術や顧客が固定すれば独立もできる職業のため、収入面が気になる人も多いでしょう。
ここでは、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査を基に、美容師の平均年収について解説します。
美容師全体の平均年収は約371.7万円
厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査によると、美容師全体の平均年収は、約371.7万円(3,717,000円)となっており、全職種の平均年収である約526万円と比べるとやや低い水準となっています。
基本給の平均額
- 男性:344,600円
- 女性:275,400円
- 全体:300,600円
賞与の平均額
- 男性:147,800円
- 女性:87,900円
- 全体:109,800円
給与構造を詳しく調べると基本給と賞与のどちらにも男女差があり、特に女性美容師の平均額が低めの傾向にあることがわかります。
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男性美容師の平均年収は約428.3万円・女性美容師の平均年収は約339.2万円
美容師の平均年収を男女別にみると、男性美容師の平均年収は約428.3万円、女性美容師は約339.2万円と、約90万円の差が生じていることがわかります。
■男女別の美容師の平均年収・賞与額
基本給 | 賞与 | 年収 | |
---|---|---|---|
男性 | 344,600 | 147,800 | 4,283,000 |
女性 | 275,400 | 87,900 | 3,392,700 |
男性美容師の場合は店長やマネージャーといった管理職に昇進する機会が多いことが高年収につながる要因となっています。また、40代以降はマネジメント業務へ移行するケースも多いようです。
一方、女性美容師は結婚や出産でキャリアが中断される人が多く、復職後は技術の再習得や顧客基盤の再構築が必要になり、再び安定した収入を得るまでに時間がかかることがあります。
特に復職後に再び固定客を獲得するまでにはある程度の時間がかかるケースが多く、その時間が収入差に影響していると考えられます。
短時間勤務の美容師の平均時給は1,662円
パートやアルバイトなど短時間勤務の美容師の平均時給は1,622円です。これは、労働者全体の平均時給である1,476円を上回っています。
美容師の仕事は専門技術を必要とするため、時給換算では比較的高めの水準に位置していると言えるでしょう。短時間勤務であっても安定した収入が期待できる点は、美容師の働き方の多様性を支えるポイントになります。
【アシスタント・スタイリスト・店長】ランク別で美容師の年収はどう変わる?

美容師はアシスタントからスタイリスト、そして店長や独立へとキャリアを重ねるごとに、年収が大きく変化します。
特に一人前のスタイリストとして髪をカットできるようになるまでには、4〜5年ほどの下積み期間が必要になることが一般的です。
美容師のランク別の年収の目安
- アシスタント:200万円前後
- ジュニアスタイリスト:250万円前後
- スタイリスト:300〜400万円
- トップスタイリスト・チーフ:400~700万円
- 店長:400~700万円
ここでは、ランクごとの平均年収と主な仕事内容を解説します。
アシスタントは200万円前後
美容師として最初に経験するポジションがアシスタントです。
アシスタントの年収と主な仕事内容
- 平均年収:200万円前後
- 仕事内容:シャンプーやカラーの準備、片付け、受付業務など
一般的なアシスタント期間は2~3年。サロンによっては、4~5年間アシスタントを経験する場合もあります。この段階では自分の売上を立てる機会が少なく、歩合給がほとんど入らないため収入は低めになります。
ジュニアアスタイリストは250万円前後
アシスタントを経て、ある程度カットを任されるようになるとジュニアスタイリストになります。
ジュニアスタイリストの年収と主な仕事内容
- 平均年収:250万円前後
- 仕事内容:基本的なカット、子供のカットなど
ジュニアスタイリストはスタイリストとアシスタントの中間的な立場で、指名料がまだ発生しないケースが多いです。
一般的には入社4年目頃にこのポジションに就くケースが多いですが、サロンによって存在しない場合もあります。
スタイリストは300〜400万円程度
スタイリストになると一人前の美容師として独り立ちし、全業務を担当できるようになります。
スタイリストの年収と主な仕事内容
- 平均年収:300〜400万円
- 仕事内容:カット・カラー・スタイリングなどの美容師業務全般
一般的には、スタイリストになると指名料やインセンティブが発生します。指名客の数によって大きく年収が変わるため、顧客を安定的に獲得できるかどうかが、収入アップの分かれ目となります。
トップスタイリスト・チーフは400〜700万円程度
スタイリストの中でも、技術と人気を兼ね備えた「サロンの花形」とも言えるランクがトップスタイリストです。
トップスタイリストの年収と主な仕事内容
- 平均年収:400〜700万円
- 仕事内容:カット・カラー・スタイリングなどの美容師業務全般
トップスタイリストになると、通常のサロン勤務の他、完全歩合制や業務委託で働く人も多くなります。
勤続6〜7年目以降でトップスタイリストになる人も多く、首都圏の人気サロンでは月収50万円以上を稼ぐ人も存在します。
店長は400〜700万円程度
美容室のキャリアの最上位に位置する店長は、サロン全体を管理する責任者です。
店長の年収と主な仕事内容
- 平均年収:400〜700万円
- 仕事内容:店舗運営、従業員の教育や指導、売上管理など
店長は美容師としての施術に加えて、人材育成や経営に関わる役割を担います。役職手当やサロン売上に応じた歩合が加算されるため、経営状況に比例して収入も大きく変動します。
【勤続年数・所属規模・都道府県】ケース別で美容師の平均年収はどう変わる?

美容師の年収は勤続年数や所属するサロンの規模、さらに独立してオーナーになるかどうかによって大きく異なります。ここではケース別の平均年収を解説します。
【初任給・5年目・10年目・15年以上】勤続年数別の平均年収は?
美容師の年収は勤続年数が増えると技術力の向上や役職への昇進が行われるため、年収は着実に上がっていきます。
■勤続年数別の平均年収

※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
美容師の勤続年数別の平均年収
- 初任給:2,514,400円
- 1〜4年:2,929,900円
- 5〜9年:3,732,200円
- 10〜14年:4,403,100円
- 15年以上:4,454,500円
特に5年目以降はスタイリストとして顧客を持ち始める人が多いため、年収が大きく伸びる傾向があります。ただし、15年以上勤めても年収は横ばい傾向になりやすく、独立や管理職への昇格が年収アップの分岐点となります。
【20代・30代・40代・50代・60代】年代別の平均年収・賞与額は?
次に、年代別の平均年収・賞与額を確認してみましょう。
■年代別の美容師の平均年収

■年代別の美容師の賞与額

年齢 | 基本給 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
〜19 | 203,700 | 16,500 | 2,460,900 |
20〜24 | 230,000 | 33,900 | 2,793,900 |
25〜29 | 305,200 | 97,000 | 3,759,400 |
30〜34 | 341,800 | 92,700 | 4,194,300 |
35〜39 | 345,600 | 177,200 | 4,324,400 |
40〜44 | 385,800 | 159,500 | 4,789,100 |
45〜49 | 365,400 | 205,200 | 4,590,000 |
50〜54 | 308,700 | 224,200 | 3,928,600 |
55〜59 | 377,000 | 256,000 | 4,780,000 |
60〜64 | 299,500 | 330,400 | 3,924,400 |
65〜69 | 326,700 | 86,100 | 4,006,500 |
※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
年齢ごとに見ると、美容師の年収は20代から40代にかけて増加し、50代以降は横ばい、もしくはやや減少する傾向にあります。
規模別の美容師の平均年収は?
美容師の年収は、サロンの規模によっても差が生じます。
■サロン規模別の美容師の平均年収
規模 | 基本給 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|---|
1000人以上 | 314,700 | 450,700 | 4,227,100 |
100〜999人 | 352,000 | 87,900 | 4,311,900 |
10〜99人 | 290,300 | 64,300 | 3,547,900 |
大規模サロンは賞与が手厚い一方、中規模サロンは基本給がやや高めという特徴があります。小規模サロンは収入が抑えられる傾向ですが、スキルや顧客数によって個人差がでるでしょう。
独立した美容師の平均年収は?
美容師が独立してオーナーになると、年収は大きく変動します。独立後の年収は400万~500万円程度が一般的ですが、1,000万円以上の年収を得ている人も存在します。
オーナーの収入は、サロンの売上の1〜2割程度が一般的。サロン勤務の店長は売上が伸びても固定給が中心ですが、独立すれば売上増が直接収入に反映されるため、大きな年収アップを実現できる可能性があるのです。
ただし集客力や経営力が欠かせないため、失敗するとサロン勤務より年収が減少する可能性もあります。
美容師の平均年収は他の職種と比較して高い?低い?

美容師の平均年収を他の職種と比較すると、その差がはっきりと見えてきます。労働者全体の平均年収は約526.9万円ですが、美容師の平均年収は約371.7万円と、150万円以上低い水準にあることがわかります。
労働者全体 | 美容師 | |
---|---|---|
全体 | 5,269,900 | 3,717,000 |
男性 | 5,908,100 | 4,283,000 |
女性 | 4,194,400 | 3,392,700 |
美容師の年収が低めに見える理由には、下積み期間が長いことや女性比率が高いことが考えられます。
下積み期間であるアシスタント時代は歩合給がほぼ無いため、平均年収が下がる原因になります。また、美容師は比較的女性の多い職種であるため、結婚や出産によるキャリア中断が、平均年収を下げる要因となっているようです。
しかし、美容師には指名客数や技術力次第で年収が大きく伸びるという、他の職種にはない魅力があります。人気スタイリストや独立してサロンを経営するオーナーになれば、年収1,000万円以上も目指せます。
つまり、美容師は平均年収は比較的低いものの、スキルアップ次第で高収入を狙える職種といえるでしょう。
【年収1,000万円は目指せる?】美容師が年収を上げるための方法

美容師の平均年収は約371万円とされていますが、努力次第では年収1,000万円を実現することも可能です。ここでは、美容師が収入を伸ばすための具体的な方法を紹介します。
指名数の増加を目指す
1つ目は、指名数の増加を目指すことです。
美容師の給料形態は大きく分けて「固定給」と「固定給+歩合給」の2種類があります。
美容師の給与形態
- 固定給:指名や施術数に関わらず毎月決まった金額が支給される
- 固定給+歩合制:固定給に加え、指名数や売上に応じて歩合給が加算される
現在は「固定給+歩合給」を導入しているサロンがほとんどのため、指名数を増やすことが年収アップの最大のカギとなるのです。
また、指名数が増えればランクが上がるのも早くなるため、さらに年収を押し上げる要因になるでしょう。
得意な技術を身につけ他の美容師との差別化をはかる
指名数を増やす具体的な方法1つ目は、得意な技術を身につけ、他の美容師との差別化をはかることです。
美容師が身につける技術はたくさんあります。カットはもちろん、カラーリング・パーマ・メンズパーマ・縮毛矯正・女性ショートカットなど、特定分野で専門性を磨くと他の美容師との差別化につながり、指名数が増加するでしょう。
SNSを活用する
指名数を増やす具体的な方法2つ目は、SNSを利用することです。SNSに強い美容師は集客力が高く、年収アップにつながりやすい特徴があります。
例えば、InstagramやTikTokなどのSNSを使って、施術事例やスタイルを発信することが効果的。フォロワーが増えることで認知度が広がり、来店や指名につながるでしょう。
物販数を増やす
2つ目は、物販数を増やすことです。
シャンプーやヘアオイルなど、サロンで扱うヘアケア商品の販売も収入アップの重要な要素です。物販によって客単価を上げられるため、年収アップにつながります。
給与水準の高いサロンや地域で働く
3つ目は、給与水準の高いサロンや地域で働くことです。
美容師の給与体系はサロンや地域によって大きく異なります。例えば、有名サロンは給与水準が高いため基本的な年収も高めです。また、指名数獲得に自信のある人は、歩合給の高いサロンで売上を伸ばすことで高収入が狙えるでしょう。
また、地方にあるサロンより競合の多い都市部のサロンの方が客単価が高くなるため、売上も伸びやすくなります。
これらを考慮して、転職で環境を変えることも年収アップの近道となります。
フリーランス美容師として働く
4つ目は、フリーランス美容師として働くことです。
フリーランス美容師とは、サロンと業務委託契約を結び、面貸しなどのスタイルで働く個人事業主のこと。設備投資が少なく、売上の30〜50%を報酬として得られるため、すでにたくさんの固定客をもっている美容師におすすめの働き方です。
ただし、集客を自分で行わなければならないため、固定客がつくまでは収入が不安定になるリスクもあります。
独立前のステップとして、一定期間フリーランスで働く選択肢を選ぶ人も多いです。
独立開業する
5つ目は、独立開業することです。
美容師の中で最も大きな年収アップの可能性を秘めているのが、独立して自分のサロンを経営する道です。
独立して自分がオーナーになればサロンの売上が直接収入に反映されるため、年収1,000万円以上も夢ではありません。
ただし独立して成功するためには、経営力や集客力・人材育成能力など美容技術以外の能力も必要。成功すれば大幅な収入アップが可能ですが、失敗すれば収入が不安定になるリスクもあるため、戦略的な準備が必須になります。
まとめ・ 美容師は努力と戦略次第で大きな年収アップを狙える職業
美容師の平均年収は約371万円と労働者全体の平均よりやや低めですが、努力と戦略次第で大きな年収アップを狙えます。
アシスタント→スタイリスト→店長、さらに独立開業へとステップアップすることで、年収は200万円台から1,000万円以上まで幅広く推移します。
他にも、指名数の増加や得意分野の確立、SNS発信や物販などの工夫によっても年収アップは可能です。
これからキャリアを積む人は、自分の強みや働き方の工夫で年収アップを目指してみてはいかがでしょうか?
参考資料
この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。