看護師の平均年収完全ガイド|年代・役職・勤務先別の最新データを徹底解説


【2025年】 看護師の平均年収はいくら?
看護師の年収は、勤務先や経験年数、勤務形態によって大きく異なります。 例えば、大学病院で働く看護師とクリニック勤務の看護師では給与体系が異なり、夜勤の有無や手当の金額にも差があります。 初任給の段階から勤続年数を重ねるごとにどの程度年収が上がるのかも気になるところでしょう。さらに、助産師や保健師といった資格を持つ場合は、一般の看護師とは異なる給与水準になるケースもあります。 この記事では、看護師の平均年収を「初任給・勤続年数別・勤務先別・資格別」など多角的に分析し、クリニックや大学病院、助産師などのケースごとの違いをわかりやすく解説します。 年収を上げるための具体的な方法も紹介しますので、転職やキャリアアップの参考にしてください。
- 目次
- 看護師の平均年収はいくら?
- 看護師全体の平均年収は519.7万円
- 看護師の年収は年々上がっている
- 男性看護師の平均年収は約534万円・女性看護師の平均年収は約517万円
- 夜勤のない看護師の平均年収は453〜477万円程度
- パート看護師の平均時給は1,817円
- ケース別の看護師の平均年収をチェック!
- 【初任給・10年目】勤続年数別の平均年収は?
- 【20代・30代・40代・50代】年代別の平均年収は?
- 【看護部長・看護師長】役職別の平均年収は?
- 【クリニック・大学病院】所属施設別の平均年収は?
- 准看護師・助産師・保健師の平均年収
- 看護師の平均年収は他の職種と比較して高い?低い?
- 看護師が年収を上げるためにはどうすればいい?
- 夜勤を増やす
- 認定看護師や専門看護師などの資格を取得する
- 昇格して役職に就く
- 美容外科や大規模病院などの給与の高い職場に転職する
- 看護師のスポットワークを行う
- まとめ・看護師の年収は約520万円|勤務先や取得資格などにより異なる!
看護師の平均年収はいくら?

早速、看護師の平均年収を確認していきましょう。
看護師全体の平均年収は519.7万円

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師全体の平均年収は519.7万円です。この金額は賞与や各種手当が含まれた金額になります。
一般的に「年収」は社会保険料や税金が差し引かれる前の金額を意味するため、手取り額の目安は390〜415万円程度になります。
看護師の年収は基本給や夜勤手当により大幅に異なるため、内訳も確認してみましょう。
※1:
新卒の基本給は21万円程度
日本看護協会の「病院看護実態調査報告書」によると、新卒の看護師の基本給は21万円程度、10年目で25万円程度が多いようです。
夜勤手当が大きなポイントになる
夜勤手当は、看護師の年収において大きなポイントになります。
■夜勤手当の平均金額
2交代 | 3交代 | ||
---|---|---|---|
準夜勤 | 深夜勤 | ||
1回の金額 | 11,368円 | 4,234円 | 5,199円 |
平均回数 | 4.9 | 7.5回 | |
月平均 | 55,703円 | 35,374円 |
2交代制とは、日勤と夜勤を交互に行う体制。2交代制の夜勤の勤務時間は、一般的に16:30〜翌日9:00頃になります。
3交代制とは、「日勤・準夜勤・深夜勤」のシフトをローテーションする体制です。16:30〜翌日9:00頃の勤務を準夜勤と深夜勤の2つに分けて勤務するため、2交代制の夜勤より1回の勤務時間が短くなります。
夜勤手当の平均金額を見ると、年収の約1割程度を夜勤手当が占めていることがわかります。
賞与の平均額は83.5万円
賞与の金額も確認してみましょう。「令和6年賃金構造基本統計調査」による年代別の看護師の平均賞与金額は以下の通りです。
■看護師の年代別平均賞与

※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
年齢 | 女性 | 男性 |
---|---|---|
20〜24歳 | 49.9万円 | 43.8万円 |
25〜29歳 | 69.4万円 | 66.2万円 |
30〜34歳 | 74.8万円 | 84.6万円 |
35〜39歳 | 82.4万円 | 99.3万円 |
40〜24歳 | 93.7万円 | 108.9万円 |
45〜49歳 | 102.7万円 | 92.3万円 |
50〜25歳 | 104.7万円 | 106.8万円 |
55〜59歳 | 103.8万円 | 99.9万円 |
60〜64歳 | 68.5万円 | 73.6万円 |
65〜69歳 | 54.3万円 | 54.6万円 |
賞与額の全体平均額は83.5万円。男性と女性の平均賞与額にそれほど大きな差はありません。
残業手当は年間12万円程度
看護師の1ヶ月当たりの平均残業時間は5〜6時間程度と多くありません。そのため、残業手当も年間12万円程度になり、年収に占める割合は大きくないのが一般的です。
看護師の年収は年々上がっている
看護師の年収は年々上がり続けています。
■年代別の看護師の年収

※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
この5年間で約36.8万円上昇していることがわかります。看護師の需要の高さや物価高騰の影響などを考えると、今後も看護師の年収は上がることが予想できるでしょう。
男性看護師の平均年収は約534万円・女性看護師の平均年収は約517万円
では、看護師の平均年収は男性と女性で差はあるのでしょうか?
性別ごとの看護師の平均年収
- 男性:5,348,300円
- 女性:5,178,900円
男性と女性で169,400円の差があることがわかります。大きな差ではありませんが、男性は大きな病院で勤務する人が多いことや家族手当がつくことが要因かもしれません。
夜勤のない看護師の平均年収は453〜477万円程度
先ほど、看護師の年収は夜勤手当が大きく影響するとお伝えしました。そのため、夜勤のない看護師の平均年収は453〜477万円程度になることが考えられます。
パート看護師の平均時給は1,817円
看護師で働く人の中には、短時間のパートという勤務体制を選ぶ人もいるでしょう。
パート看護師の平均値
- 平均時給:1,817円
- 月の平均出勤日数:14.8日
- 1日の平均労働時間:5.9時間
これらを基に、パート看護師の平均年収を計算すると約158万円であることがわかります。
ケース別の看護師の平均年収をチェック!

さらに深堀りして、さまざまなケース別の看護師の平均年収を確認していきましょう。
【初任給・10年目】勤続年数別の平均年収は?
まずは、勤続年数別の平均年収です。
■勤続年数別の平均年収

※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
勤続15年前後になると、看護師の平均年収と同額程度になることがわかります。
また、以下は「2024年病院看護実態調査報告書」による平均月収です。
看護師の平均月収
- 新卒(高卒+3年課程新卒):276,127 円
- 新卒(大卒):284,063 円
- 勤続10年:334,325 円
「高卒+3年課程新卒」より「大卒」の方が月額7,936円多いですが、それほど大きな差ではありません。看護師は、学歴よりも知識や技術が重要な職業であることがわかります。
【20代・30代・40代・50代】年代別の平均年収は?
では、年代別で年収はどのように変わるでしょうか?
以下は、「令和6年賃金構造基本統計調査」による年代別の看護師の平均年収です。
■年代別の平均年収

※1:厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査を基に作成
年代 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 4,277,200円 |
25歳~29歳 | 4,866,500円 |
30歳~34歳 | 5,014,000円 |
35歳~39歳 | 5,112,300円 |
40歳~44歳 | 5,390,500円 |
45歳~49歳 | 5,723,000円 |
50歳~54歳 | 5,824,400円 |
55歳~59歳 | 5,717,300円 |
60歳~64歳 | 4,812,900円 |
65歳~69歳 | 4,487,400円 |
70歳以上歳 | 5,155,400円 |
看護師の年収は、50代で約582万円とピークを迎えることがわかります。20代でも年収は400万円を超えており、20代の年収は他の職種と比べて高い方でしょう。
【看護部長・看護師長】役職別の平均年収は?
役職によっても、看護師の年収は異なります。
役職別の看護師の年収
- 看護部長:約930万円
- 看護副部長:約810万円
- 看護師長:約750万円
- 看護副師長:約660万円
看護部長になると約930万円の高収入となり、看護師で年収1,000万円を得るのも夢ではありません。
※6:独立行政法人 国立病院機構|けっこういいぞ!NHO|看護職版(2025年度)
【クリニック・大学病院】所属施設別の平均年収は?
では、規模によってどの程度の違いがあるのでしょうか?
以下は、「令和6年賃金構造基本統計調査」による所属規模別の看護師の平均年収です。
所属規模別の看護師の平均年収
- 職員人数1,000人以上:5,648,400円
- 職員人数100~999人:4,950,200円
- 職員人数10~99人:4,596,400円
職員人数が100人未満の施設と1,000人以上の施設では100万円以上の差があることがわかります。大規模な病院では高度医療や救急対応、夜勤の回数が多いことが収入が高い要因かもしれません。
ちなみに、医療施設別の看護師の年収は以下の通りです。
医療施設別の看護師の年収
- 救急救命病棟:約540万円
- 大学病院:約490万円
- 大型総合病院:約470万円
- クリニック:約390万円
- 介護施設:約375万円
准看護師・助産師・保健師の平均年収
看護師に類似する「准看護師・助産師・保健師」の年収も確認してみましょう。
准看護師・助産師・保健師の平均年収
- 看護師:5,197,000円
- 准看護師:4,171,700円
- 保健師:5,212,400円
- 助産師:5,805,600円
正看護師と准看護師では、年収に100万円以上の差が生じることがわかります。このことからも、長期間看護師として働くことを想定している人は、正看護師の資格を取得したほうがいいでしょう。
看護師と保健師・助産師の年収はそれほど大きくありません。
看護師の平均年収は他の職種と比較して高い?低い?

さまざまなケースの看護師の年収を確認してきましたが、看護師の平均年収は他の職種と比較して高いのでしょうか?
全体 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
看護師 | 519.7万円 | 534.8万円 | 517.9万円 |
全職種 | 526.9万円 | 590.8万円 | 419.4万円 |
全職種と比較した場合、看護師の年収は約7万円低いですが、男女別の年収を見てみると、看護師に多い女性の年収は他の職種と比較して約100万円高いことがわかります。
このことから、看護師の年収は他の職種と同等もしくは高いといえるでしょう。
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看護師が年収を上げるためにはどうすればいい?

看護師として働く中で「もっと年収を上げたい」と考える方は多いのではないでしょうか?ここでは、効果的な年収アップの方法をご紹介します。
夜勤を増やす
1つ目は、夜勤を増やすことです。
夜勤は看護師の年収アップに直結する最も現実的な方法です。2交代制の場合、1回あたりの夜勤手当は1万円以上が相場。月に1〜2回夜勤を増やすだけで、年間で12〜50万円ほど収入が増える可能性があります。
さらに、夜勤手当が高めに設定されている職場を選べば、より効率的な収入アップが可能です。
ただし、夜勤は体力的・精神的な負担が大きいため、無理のない範囲で計画的に行いましょう。
認定看護師や専門看護師などの資格を取得する
2つ目は、資格を取得することです。
専門性を高める資格を取得することで、資格手当の支給や昇給のチャンスが広がります。
資格手当は月額5,000〜15,000円が一般的なため、年間では6万〜18万円の収入増加が期待できます。
特に、「認定看護師」「専門看護師」「特定行為研修修了者」は専門部署への配属や役職登用の可能性も高まり、長期的なキャリアアップにつながります。
昇格して役職に就く
3つ目は、昇格して役職に就くことです。
主任や看護師長、看護部長などの役職に就くことで、基本給の増加に加えて役職手当が支給されます。
昇格には経験やリーダーシップ、マネジメント能力が求められますが、一度就任すれば安定した年収アップを期待できるでしょう。
美容外科や大規模病院などの給与の高い職場に転職する
4つ目は、給与の高い職場に転職することです。
今の職場で大幅な年収アップが難しい場合は、以下のような比較的給与の高い職場への転職を検討するのも1つの方法です。
比較的給与の高い職場
- 都市部の大規模病院
- 美容外科
- 訪問看護
- 有料老人ホーム など
都市部の大規模病院は、基本給や夜勤手当が他の病院より高い傾向にあります。高度医療を行う病院や救急指定病院も同様です。
また、美容外科は自由診療のため利益率が高く、給与も高い傾向にあります。インセンティブや指名料、報奨金が支給されるクリニックも多いです。
さらに、人手が不足している訪問看護や有料老人ホームは近年基本給や夜勤手当が高い傾向にあります。
看護師のスポットワークを行う
5つ目は、看護師のスポットワークを行うことです。
夜勤専門のアルバイトやパートなどのスポット勤務は、短期間で高収入を得られる可能性があります。特に夜勤スタッフの確保が難しい施設では、1回あたり3万円以上の高額求人も珍しくありません。
本業と両立しながら、副収入としてスポットワークを行えば、年間収入を効率的に増やすことが可能です。
まとめ・看護師の年収は約520万円|勤務先や取得資格などにより異なる!
看護師の年収は、勤務先や勤務形態、経験年数や取得資格などによって大きく左右されます。平均年収は約520万円と安定していますが、夜勤手当や役職手当、勤務する施設の規模によって数十万〜100万円以上の差が生じることもあります。
また、助産師や保健師といった資格を持つ場合は、さらに高い給与水準を期待できるでしょう。
年収を上げたい場合は、夜勤回数を増やす、専門資格を取得する、役職に昇格する、高収入の職場に転職するなど、複数の選択肢があります。体力面やライフスタイルに合った方法を選びつつ、キャリアの方向性を見据えて行動することが大切です。
看護師の仕事は需要が高く、今後も安定した収入が見込めます。自分に合った働き方や年収アップの道を見つけてみてください。
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参考資料
厚生労働省|令和6年賃金構造基本統計調査
日本看護協会|2024年病院看護実態調査報告書
日本看護協会|2023年病院看護実態調査報告書
厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査
日本看護協会|2024年病院看護実態調査報告書
この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】
2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。