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障害年金とは?2025年の受け取れる金額や受給要件を解説!

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

障害年金とは?
金額や受給要件を解説!

障害年金とは、病気や怪我により日常生活が制限されることになった場合に受け取れる公的年金のことです。金額は、物価の変動などにより毎年変動します。 この記事では、2025年の障害基礎年金や障害厚生年金の金額、受給要件を解説します。

目次

障害年金とは?

障害年金とは?

まずは、障害年金がどのようなものなのか詳細を確認しておきましょう。

障害年金とは病気や怪我により日常生活が制限されることになった場合に受け取れる公的年金

障害年金とは、病気や怪我により日常生活が制限されることになった場合に受け取れる公的年金のことです。

病気や怪我の初診日に国民年金(厚生年金)に加入しており、年金保険料納付要件を満たしている人の障害の状態が、障害等級表により定められた1級・2級(3級)の状態に該当している場合に受け取れます。

障害年金は高齢になってから受け取る老齢年金とは異なり、20歳以上であれば働きながらでも受給可能です。

身体の障害だけでなく精神疾患による日常生活の制限状態も原因となる

障害状態の原因となる疾病は、身体の障害だけではありません。精神疾患により日常生活が制限された場合も障害年金の受給対象になります。

障害状態の原因となる主な疾病
  • 外部障害:眼・聴覚・音声機能・言語機能・手足などの肢体の障害 など
  • 精神障害:統合失調症・双極性障害・認知障害・てんかん・知的障害・発達障害 など
  • 内部障害:呼吸器疾患・心疾患・腎疾患・肝疾患・血液疾患・造血器疾患・糖尿病・がん など

障害年金の認定基準は「病気や怪我により日常生活にどの程度支障を及ぼすか」です。そのため、障害の原因となった疾病の種類はそれほど重要視されず、上記以外の疾病も障害年金の対象になることも多いです。

障害年金には【障害基礎年金】と【障害厚生年金】がある

障害年金には「障害基礎年金」「障害厚生年金」があります。

障害の原因となった病気や怪我の治療のために初めて医療機関を受診した日に、国民年金・厚生年金のうちどちらの被保険者だったかにより、受け取れる障害年金の種類が決まります。

なお、障害等級が1級もしくは2級の判定を受けた厚生年金の被保険者は、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受給可能です。

障害基礎年金

障害基礎年金の対象者は、以下のいずれかの期間に「障害の原因となった病気や怪我の治療のために初めて医療機関を受診した日」が含まれる人です。

期間
  1. 国民年金に加入中
  2. 20歳前
  3. 60歳以上65歳未満の人は日本国内に住んでいる期間

障害基礎年金は、障害等級が1級もしくは2級に該当する場合に受け取れます。障害厚生年金は3級の人も受給可能ですが、障害基礎年金は3級の人には支給されません

ただし、障害基礎年金には「子の加算」があります。子の加算の対象になるのは、「加算の対象となる子」と生計を同一にしている障害基礎年金の受給者です。

加算の対象となる子
  1. 18歳到達年の3月末までの子
  2. 障害等級1級・2級である20歳未満の子

※1:日本年金機構|障害基礎年金を受けられるとき

障害厚生年金

障害厚生年金の対象者は、厚生年金加入中に「障害の原因となった病気や怪我の治療のために初めて医療機関を受診した日」が含まれる人です。

障害厚生年金は、障害等級が1級・2級・3級のいずれかに該当する場合に受け取れます。1度だけ受け取れる「障害手当金」を受け取れる人もいます。

さらに、障害等級1級・2級に該当する人に生計を同一にしている65歳未満の配偶者がいる場合は、「配偶者加給加算」が上乗せされます。

※2:日本年金機構|障害厚生年金を受けられるとき

受給期間は65歳の誕生日の2日前まで

障害年金の受給期間は、原則として65歳の誕生日の2日前までになります。条件を満たしている20歳以上の人が受給可能なため、老齢年金のように65歳まで待つ必要はありません。

年金保険料免除申請制度とは?いつまで免除される?免除される人の条件は?

【2025年】障害基礎年金(1級・2級)で受け取れる金額はいくら?

障害年金のイメージ

では、障害年金で受け取れる金額はいくらになるのでしょうか?

障害年金の金額は国の規定に基づき毎年変更されますが、ここでは2025年の障害基礎年金の金額を解説します。

■2025年障害基礎年金の金額

1級

2級

月額
(円)

年額
(円)

月額
(円)

年額
(円)

障害年金

86,635

1,039,625

69,308

831,700

子の加算
(1・2人目)

19,942

239,300

19,942

239,300

子の加算
(3人目)

6,650

79,800

6,650

79,800

障害基礎年金は物価の上昇に連動して増加傾向にあり、2025年は2024年に比べ、1.9%受給額が上がりました。

なお、2025年度の金額は、2025年6月13日の支給(2025年4月・5月分)から適用されます。

※3:NPO法人|障害年金支援ネットワーク
※4:厚生労働省|令和7年度の年金額改定についてお知らせします

【2025年】障害厚生年金(1級・2級・3級)で受け取れる金額はいくら?

障害基礎年金1級:1039625円+子の加算 障害基礎年金2級:831700円+子の加算 障害厚生年金1級:報酬比例の年金×1.25+配偶者加給加算 障害厚生年金2級:報酬比例の年金+配偶者加給加算 障害厚生年金3級:報酬比例の年金(最低保証あり) 障害手当金:報酬比例の年金×2年分

障害厚生年金の金額は、厚生年金の加入期間や標準報酬額、障害等級により異なります

■2025年障害厚生年金の金額

1級

2級

3級

障害年金

報酬比例の年金
×1.25

報酬比例の年金

報酬比例の年金
(最低保証あり)
月額:51,983円
年額:623,800円

障害手当金
(一時金)

報酬比例の年金×2年分

報酬比例の年金
×2年分
(最低保証あり)
1,247,600円

配偶者
加給加算

月額:19,942円
年額:239,300円

なし

障害等級3級の人が受給できるのは、報酬比例の年金のみです。そのため、支給額が少なくなり過ぎないように最低保証額が設定されています。

なお、1級・2級に該当する人は、障害基礎年金も併せて受給できるため、最低保証額は設定されていません。

※3:NPO法人|障害年金支援ネットワーク
※4:厚生労働省|令和7年度の年金額改定についてお知らせします

障害年金生活者支援給付金とは?

障害年金生活者支援給付金とは?

障害年金生活者支援給付金とは、障害基礎年金に上乗せして支給される給付金のこと。以下の要件をすべて満たしている人が対象です。

障害年金生活者支援給付金の対象者
  1. 障害基礎年金を受給している
  2. 前年の所得が「4,721,000円+扶養親族の数×38万円」以下である

70歳以上の扶養親族がいる人の前年の所得条件は「4,721,000円+扶養親族の数×48万円以下」、特定扶養親族もしくは16歳以上19歳未満の扶養親族がいる人の前年の所得条件は「4,721,000円+扶養親族の数×63万円」になります。

なお、障害年金受給額を含む非課税収入は所得には含まれません

2025年の障害年金生活者支援給付金の金額は以下の通りです。

障害年金生活者支援給付金の金額
  • 1級:月額6,813円(年額81,756円)
  • 2級:月額5,450円(年額65,400円)

障害年金生活者支援給付金を受け取るためには、障害年金とは別に申請が必要なため、注意しましょう。

※7:日本年金機構|障害年金生活者支援給付金の概要

障害年金を受け取れる人の条件とは?

障害年金を受け取れる人の条件とは?

最後に、障害年金を受け取れる人の条件を確認しておきましょう。障害年金を受け取るためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

障害年金を受け取るための要件
  1. 初診日の要件を満たしている
  2. 年金保険料納付要件を満たしている
  3. 所定の障害状態の要件を満たしている

詳細を解説します。

初診日の要件を満たしている

1つ目は、障害の原因となった病気や怪我の治療のために初めて医療機関を受診した日が

以下のいずれかに含まれることです。

初診日の要件
  1. 国民年金に加入中
  2. 60歳以上65歳未満の人は、日本国内に住んでいる期間

年金保険料納付要件を満たしている

2つ目は、以下2点の年金保険料納付要件を満たしていることです。

年金保険料納付要件
  1. 初診日が含まれる月の前々月までの国民年金の被保険者期間の2/3以上の期間に関して、保険料を納付している、もしくは、保険料免除期間である
  2. 初診日の段階で65歳未満であり、初診日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料未納期間がない

所定の障害状態の要件を満たしている

3つ目は、所定の障害状態の要件を満たしていることです。障害年金を受け取るためには、障害等級表により定められた1級・2級(3級)のいずれかに認定される必要があります。

■障害等級の目安

1級

  • 身体機能の障害や安静を
    必要とする状態が、
    長期にわたり必要な状態
  • 身の回りのことはかろうじて
    できるが、介護や介助を受けなければ
    日常生活が送れない、
    もしくは、制限されている状態
  • 日常生活の主な活動範囲は、
    自宅もしくは病院のベッド周辺

2級

  • 身体機能の障害や安静を
    必要とする状態が多々生じる
  • 家の中での食事や洗濯は可能だが
    それ以上の活動は難しいなど、
    必ずしも介助が必要な訳ではないが、
    日常生活は困難なことが多い
  • 労働で収入を得ることは困難
  • 日常生活の主な活動範囲は、
    家の中や病院内

3級

  • 日常生活はほぼ支障がないが、
    労働内容に制限が生じる状態

ただし、上記はあくまでも目安です。障害年金は、障害認定日に一定以上の障害状態であると判断された場合に受け取れます。

まとめ・障害年金は障害をもつ人の経済的負担を軽減してくれる年金

障害年金とは、病気や怪我により日常生活が制限されることになった場合に受け取れる公的年金のことです。

2025年の障害基礎年金1級の月額は86,635円、2級の月額は69,308円。18歳到達年の3月末までの子、もしくは、障害等級1級・2級である20歳未満の子がいる場合は、子の加算も上乗せされます。

また、障害の原因となった病気や怪我の治療のために初めて医療機関を受診した日に厚生年金の被保険者だった場合は、障害厚生年金も受給可能です。

人生、いつ何が起こるかはわかりません。障害をもつ人の経済的負担を軽減してくれる障害年金について、この機会に把握しておきましょう。

参考資料

日本年金機構|障害基礎年金を受けられるとき
日本年金機構|障害厚生年金を受けられるとき
NPO法人|障害年金支援ネットワーク
厚生労働省|令和7年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構|障害年金生活者支援給付金の概要

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この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

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