施工管理の年収はいくら?土木施工管理や建築施工管理の平均年収
施工管理の仕事の平均年収をチェック!土木施工管理技士、建築施工管理技士など資格や年代ごとの給料を比較調査しました。
- 目次
- 施工管理の平均年収は?
- 施工管理の年収は比較的高め!
- 20代の施工管理の年収
- 大幅に年収が伸びやすい30代の施工管理
- 施工管理の平均年収は40代がピーク
- 50代も高めの施工管理の年収
- 施工管理の年収は60代から徐々に減少
- 施工管理の年収は男女や地域によって違う?
- 人数が非常に少ない女性の施工管理とその給料
- 施工管理の仕事、地域と年収
- 資格や勤務先で施工管理の年収は違うのか?
- 土木施工管理技士と建築施工管理技士、年収が高いのは?
- ゼネコンやハウスメーカーなど勤務先と施工管理の年収
- 正社員と派遣社員、施工管理の給料は違うの?
- 施工管理の仕事で年収を上げるには?
- 施工管理の仕事、年収アップのポイント
- 年収アップを意識した施工管理の転職方法
- シニアの施工管理技士におすすめの仕事
施工管理の仕事は建設業の中でも専門知識を必要とする重要な仕事です。
建設業では施工管理の仕事と、現場作業員の仕事は明確に分けられていますが、施工管理の平均年収は高いのでしょうか?
また、最近では以前より公共事業が減ったと言われる一方で、建設業界は深刻な人材不足となっているとも聞きますが、施工管理の年収への影響はあるのでしょうか?
今回は施工管理の仕事の年収・給料について、年代、資格などの切り口で迫ってみたいと思います。
施工管理の平均年収は?
まずは施工管理の仕事の平均年収を見てみましょう。
施工管理の仕事では、特に若者が不足していると言われますが、20代から60代以上まで、年代ごとの平均年収も見ていきます。
施工管理の年収は比較的高め!
施工管理の仕事の年収には、大きな幅があると言われています。
年収300万円程度の方から1000万円を超える方まで、非常に幅が広いのですが、年収400万円から600万円程度がボリュームゾーンとなっています。
さまざまなサイトなどが発表している施工管理の平均年収も、400万円台から600万円台となっています。
多くの職種では、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」に平均年収のデータが掲載されていますが、施工管理の仕事、施工管理技士、現場監督などの項目は、「賃金構造基本統計調査」にありません。
そこで、施工管理技士に近い資格で、施工管理技士と同様に工事現場の監理技術者や主任技術者になれる「技術士」「一級建築士」について、「賃金構造基本統計調査」(令和元年調査・平成30年データ)から平均年収を見てみます。
すると、技術士の平均年収は667万円、一級建築士の平均年収は703万円(※いずれも千円以下四捨五入)となっています。
1級の施工管理技士の場合は、同程度から若干低い金額、2級の施工管理技士も含めた場合は、さらに低めの金額の平均年収となると思われます。
20代の施工管理の年収
では次に、施工管理の仕事では年齢によって平均年収にどのような違いがあるかを見ていきましょう。
施工管理の仕事に従事する20代の平均年収は、300万円台から400万円台と言われています。
参考として、厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」の、技術士と一級建築士の平均年収を確認すると、技術士は502万円、一級建築士は527万円が20代の平均年収となっています。
1級の施工管理技士資格を持ち、大手建設会社に勤める場合などは施工管理の仕事でも同水準の年収を得られると思いますが、2級の施工管理技士資格であったり、無資格であったりする場合には、技術士や一級建築士の平均年収には届かないと思われます。
大幅に年収が伸びやすい30代の施工管理
30代で施工管理の仕事に従事する方の平均年収は、400万円台から500万円台だそうです。
参考として、厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」の、技術士と一級建築士について見てみると、技術士は637万円、一級建築士は775万円が30代の平均年収となっています。
一級建築士における20代から30代の平均年収の伸びは、約250万円にもおよび、大幅に年収が上がっていることがわかります。
施工管理の仕事においても、より上位の資格・複数の資格を取得する、経験を積むことなどによって、30代では大幅な年収アップの可能性がありますし、技術士・一級建築士と同等の年収となる方もいます。
施工管理の平均年収は40代がピーク
40代で施工管理の仕事に従事する方の平均年収は、さまざまなサイトなどで500万円から600万円の間とされています。
40代が施工管理の仕事の年収のピークとなり、参考とする厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」の、技術士と一級建築士の平均年収でも、技術士は736万円、一級建築士は803万円と、全年代でもっとも高い年収となっています。
施工管理の仕事の場合も、平均年収は技術士・一級建築士におよばないものの、やはり40代の給料が高くなりやすく、技術士・一級建築士と同等またはそれ以上の年収となる施工管理技士もいます。
50代も高めの施工管理の年収
50代で施工管理の仕事に従事する方の平均年収は、40代とあまり変化しません。
他のサイトなどの情報では、40代よりも高くなっているものがありますが、やはり、500万円から600万円の間となっています。
厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」の、技術士と一級建築士の平均年収を参考とした場合も変化は少なく、技術士は691万円、一級建築士は771万円となっています。
施工管理技士の場合に役職定年の影響などは大きいものでないと思われますが、勤める会社のルールや業績によって年収が減少するケースもあります。
施工管理の年収は60代から徐々に減少
60代以降は、年齢とともに平均年収が減少していきます。
施工管理の仕事の平均年収の記事でも、60代以上については幅もばらつきも大きく、200万円台から600万円台となっています。
60代前半では500〜600万円台となっているものが、70代では200〜300万円台まで減少します。
厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」を参照した場合でも、60代以上をまとめた平均年収では、技術士は329万円、一級建築士は546万円と、50代から急激・大幅に下がります。
「賃金構造基本統計調査」による技術士・一級建築士の年収の変化を細かく見てみると、技術士の平均年収は、60代後半までは緩やかに下るものが、70代から急激に下がるのに対し、一級建築士では、50代から60代前半、60代前半から後半へと変わるタイミングそれぞれ大きく平均年収が下がり、70代になるタイミングではあまり下がっていません。
施工管理に類似する仕事でもこうしたそれぞれの特徴があるように、施工管理の仕事でも資格や仕事内容によって、平均年収の年代ごとの変化には違いが大きいものと思われます。
ちなみに、50代以上のシニアに特化した転職支援サービスを提供する株式会社シニアジョブでは、施工管理の仕事の平均年収は、450万円から550万円となっており、50代の平均年収は500万円、60代では450万円となっています。
施工管理の年収は男女や地域によって違う?
建設業界での女性の活躍が増えており、「ドボジョ」つまり「土木系女子」などという言葉を聞くほどとなっています。
施工管理の仕事では、男女によって平均年収の差はあるのでしょうか?
また、都道府県によっても施工管理の年収に違いはあるのでしょうか?
人数が非常に少ない女性の施工管理とその給料
では、施工管理の仕事に性別による給料の差はあるのかを見ていきます。
施工管理技士など建設業の職種では、女性の従事者が極端に少なく、男性が多いことが知られています。
さまざまな記事を見ても、施工管理の仕事で男女の給与の違いに触れているものはほとんどありません。
しかし、施工管理の仕事では、女性は男性よりも100万円程度、年収が低い可能性があります。
厚労省の令和元年「賃金構造基本統計調査」で、施工管理技士に近い技術士と一級建築士の平均年収を男女それぞれ調べると、技術士の男性では673万円、技術士の女性では573万円、一級建築士の男性では718万円、一級建築士の女性では608万円となっています。
施工管理技士の場合は、技術士・一級建築士より低めの平均年収となるものの、男女の給与差は同じ傾向になると思われます。
ちなみに、施工管理の仕事で女性が活躍し始めたのは最近であるため、シニアでは女性の施工管理技士はほとんどいません。
シニア転職支援サービスの株式会社シニアジョブでも、女性で施工管理の仕事に転職した方がいない状況です。
施工管理の仕事、地域と年収
都道府県など就業場所によっても施工管理の仕事の年収に違いはあるのでしょうか?
施工管理の仕事は地域ごとの年収差が大きい職種と言われています。
東京・大阪・愛知などの都市部では、500万円から600万円の平均年収と言われている一方で、政令指定都市など地方の中核都市を抱える県などでは400万円台、それ以外の県では300万円台の平均年収と言われています。
しかし、上記は本社のある都道府県ごとのデータである可能性があり、実際の工事現場=勤務地の違いでは、上記までの差はないようです。
特に、株式会社シニアジョブが支援しているシニアの施工管理の転職では、都市部の年収が高い傾向があるものの、上記のような激しい差はありません。
また、建設業界では単身赴任が比較的多く、工事現場近くに寮を構える会社も多いことから、住まいから遠い地域で働く施工管理の方も珍しくありません。
資格や勤務先で施工管理の年収は違うのか?
施工管理の仕事に関する資格は非常にたくさんあります。
1級と2級では年収にも差がありそうですが、資格の種類によっても年収は変わるのでしょうか?
また、施工管理の仕事に就く勤務先も、超大手のゼネコンから小規模の建設会社までさまざまですが、年収はどれくらい違うのでしょうか?
土木施工管理技士と建築施工管理技士、年収が高いのは?
施工管理の仕事に携わる方の資格には、さまざまなものがあります。
「施工管理技士」という国家資格がありますが、一口に施工管理技士と言っても、7つの資格があり、さらにそれぞれ1級・2級の区分があります。
- 建設機械施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 建築施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
- 電気通信施工管理技士
この他、一級建築士も建築工事などの施工管理業務を行うことができ、上記の施工管理技士の資格とセットで語られることが多く、また、一定規模以上の工事で配置しなければならず、資格取得に1級施工管理技士などの資格が必要な「監理技術者」も、国家資格とは違うものの、資格者証や講習修了証があり、資格の一つとして勤務や選考では重視されています。
施工管理技士の中で資格者人口が多く、主な資格と考えられているものとしては、土木施工管理技士、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士が挙げられます。
2019年に試験が始まった電気通信施工管理技士や、それ以外の建設機械施工管理技士、造園施工管理技士は資格者人口も少なく、他の施工管理技士資格と併せて所持している方が多いことなどから、転職市場にも現れることが少ない状況です。
土木施工管理技士、建築施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士それぞれの平均年収については、資格ごとにそれほど大きな差はつきませんが、一般的には管工事施工管理技士の平均年収がもっとも高めで、そこから電気工事施工管理技士、建築施工管理技士、土木施工管理技士となると言われています。
50歳以上のシニアの施工管理技士に限って株式会社シニアジョブが調べた結果では、建築施工管理技士を除く、土木施工管理技士、電気工事施工管理技士、管工事施工管理技士がそれぞれ約500万円の平均年収となり、建築施工管理技士のみが約450万円の平均年収となって、一般的な年齢層とは異なることがわかっています。
また、1級と2級では資格手当などを含め、年収にも違いがあり、上記同様に50歳以上のシニアに限って株式会社シニアジョブが調べた結果では、1級施工管理技士の平均年収は約500万円、2級施工管理技士の平均年収は約450万円となっています。
しかし、資格の種類によっても異なる上、シニアの施工管理技士の場合は、資格よりも経験による金額変動も大きいため、1級・2級での年収の差はあくまでも参考値です。
ゼネコンやハウスメーカーなど勤務先と施工管理の年収
施工管理の仕事の年収は、同じ資格であっても勤務先企業や、さらに細かい仕事内容やその経験によっても大きく異なります。
施工管理のお仕事がある勤務先企業には、ゼネコン、サブコン、プラント関連、ハウスメーカー、マンションデベロッパー、土木や建築の専門工事会社、建設コンサルタント、工務店、不動産会社などがあります。
一般的には、大手ゼネコンなどと小規模の建設会社では、200万円以上の年収差があると言われています。
しかし、やはり50歳以上のシニアになると、勤め先企業による年収差も少なくなることが、株式会社シニアジョブの調査でわかっています。
以下に、株式会社シニアジョブが50歳以上のシニア施工管理技士のお仕事紹介サービスで調べた、勤め先企業ごとの施工管理の仕事の年収と特徴をまとめます。
ハウスメーカーでの施工管理の仕事の年収は、シニアの場合若干低めになり、相場は450万円程度です。
ハウスメーカーでは資格がなくても経験を重視する企業がある一方で、やはり建築施工管理技士の資格があると内定を得やすく、さらに宅地建物取引士の資格があると、さらに内定や高収入につながりやすくなります。
リフォーム会社は、条件や年収の傾向がハウスメーカーと同じで、やはりシニアの相場年収は450万円程度と若干低めになります。
持っていると有利な資格もハウスメーカーと同じですが、新築の経験だけでも歓迎されるのか、リフォームの経験が重視されるのかは会社によって異なります。
土木工事会社は、公共案件が多いために今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響も少なく安定しており、年収も比較的高めとなっています。
土木の中でも専門分野が分かれているため、資格と経験の両方が重視される勤務先となり、2級土木施工管理技士の場合は需要が少なく、十分な実績が必要なります。
1級土木施工管理技士の資格は非常に有利ですが、その他に近年では「JWCAD」や「AutoCAD」といったCADの操作に慣れた方の需要が高く、内定獲得や年収に有利です。
1級土木施工管理技士の資格とCADの経験豊富な方に、もう一つの選択肢となるのが、建設コンサルタントです。
ただし、建設コンサルタントでは、技術士の資格や、RCCM(シビルコンサルティングマネージャー、民間資格)の資格保有者であれば、さらに優遇されます。
他の施工管理の仕事と異なり、現場管理業務もありますが、発注者支援業務や設計業務が多くなるなどの特徴があります。
建設コンサルタントの年収相場は550万円となり、シニアの施工管理の仕事ではかなり高めの部類になります。
一方で、シニアの施工管理ではあまり高い給料が望まない勤務先がゼネコンで、年収は500万円以下となる場合もあります。
ゼネコンの場合は若手社員も多く、シニアの働き口が限定されている他、有力なシニア人材は業界内の人脈で転職してしまうために、あまり転職市場が活発ではありません。
また、社内の給与規定などが一律で、なかなかシニアの転職で高給が望めない傾向にあります。
ゼネコンに所属しており、60歳以降の転職を考える方は、思い切って企業規模を大きく下げることで、内定や給与交渉が行いやすくなる場合もあるでしょう。
電気工事施工管理や管工事施工管理、そして設備施工管理の仕事も、シニアの場合は高めの年収となり、年収相場は550万円となります。
その他、施工管理の仕事ではありませんが、建築士事務所での設計の仕事などでもシニア人材が活躍しています。
しかし、設計の仕事は建築士の資格が必要である他、意外と年収が低く、年収相場は300万円から450万円となっています。
もっと高い給料の場合もあり、設計業務と施工管理業務、両方の経験がある人材が優遇されます。
正社員と派遣社員、施工管理の給料は違うの?
施工管理の仕事では、正社員と派遣社員、パート、アルバイトなど、雇用形態による年収の違いはあるのでしょうか?
最近は、同一労働同一賃金が徹底され始めたことで、正社員と派遣社員の賃金格差がなくなる傾向にありますが、建設業界、特に施工管理の仕事についてはもともと、正社員と派遣社員の賃金格差は比較的少なめでした。
専門技術が評価される技術職であるため、高い技術力を持っていれば、雇用形態にかかわらず、高い給料を得られる可能性のある仕事です。
しかし、監理技術者など正社員でなければ配置できない仕事があり、また、決まった工事期間の中で工事を仕上げる必要があることなどから、そもそも正社員以外を求めていない場合があったり、パートやアルバイトでの時短勤務が望みにくい場合があったりもしやすい仕事です。
施工管理の仕事で年収を上げるには?
さて、ここまで施工管理の仕事の年収や給料について見てきましたが、施工管理の仕事で年収をアップするためにはどうすればよいのでしょうか?
最後に、年収アップの方法と、年収を重視した施工管理の転職についてご紹介します。
施工管理の仕事、年収アップのポイント
施工管理の仕事と勤務先企業の中には、資格を重視せず、経験を重視するものもありますが、資格と、その等級は、内定獲得や高い給与実現のためにはとても有効です。
また、施工管理技士の資格は、7種類と非常に多いため、対応できる業務の幅を広げるためには、経験だけでなく複数の施工管理技士の資格を取得することも一般的です。
チャンスがあるならば、複数の施工管理技士資格とその中でも1級の資格を取得しておくことで、老後も転職成功や高い給料の実現が近づくでしょう。
ただし、シニアの場合には資格のみがあっても経験が乏しいと採用されない可能性があるため、経験の積み重ねも必須となり、複数資格の取得よりは1級へのグレードアップが重要となります。
また、最近ではITスキルも必須です。
業務管理ツールなどは年々使いやすくなっているため、抵抗なくスマートフォンやタブレット端末とそのアプリに馴染めればあまり問題になりませんが、併せてCADに慣れておくことが非常に重要となっています。
既に現在はシニアの施工管理技士と言っても、紙でしか製図できない方は少ないと思いますが、デジタルで図面を扱えないのでは、かなり不利になってしまいますし、CADに熟練した方はそれだけで仕事の幅が広がります。
年収アップを意識した施工管理の転職方法
施工管理の仕事で転職する場合は、年収アップのためにどんなことに気をつけるべきでしょうか?
先にも述べたように、施工管理の仕事に関わらず建設業界は決まった工事期間の中で仕事を終えなければならないため、残業などが比較的多い仕事です。
そのため、時短勤務の求人は少なく、あったとしても給与が低い傾向にあります。
残業や休日出勤、隔週の週休二日、夜勤などの働き方も、場合によっては覚悟することが、有利な転職につながることもあります。
単身赴任の求人も多いため、地元のみで仕事を探すのではなく、希望勤務地を広げて考えることも有効です。
専門特化した仕事であるが故に、他の仕事内容での可能性をあまり考えることが少ない職種かもしれませんが、仕事の内容や企業規模などを柔軟に考えることでも、内定や高給の可能性が広がります。
いずれにしても、求められる仕事内容と、これまでの経験・スキルが一致することが重要なため、まずは自身の経験・スキルを明確に棚卸しし、条件よりも仕事内容をしっかりと確認して求人に応募することが必要と言えます。
シニアの施工管理技士におすすめの仕事
シニアの施工管理技士の方が転職・再就職する場合におすすめのお仕事をご紹介します。
まずは、建設コンサルタントのお仕事です。
特に発注者支援業務のお仕事は、内勤業務中心で資料作成業務のみの業務もあり、その上、比較的給料が高めのため、これまでの経験を活かしつつも体力的に無理のない仕事を探すシニア施工管理技士の方におすすめです。
ただし、1級土木施工管理技士の資格とCADスキルが必須となり、技術士やRCCM保有者が優遇されるなど、より専門的であることと、単身赴任の可能性があること、50代などシニアでも若めの人材が採用されやすいといった側面もあります。
次に、土木施工管理の仕事を見てみましょう。
土木施工管理のお仕事の場合、やはり給料が高めの上、公共案件中心で仕事が安定しており、また、60歳以上でも採用されやすく、シニアが活躍しやすい仕事です。
1級土木施工管理技士とCADスキルが優遇されることや、転勤・単身赴任可能な人材が優遇されることは、建設コンサルタントと同様です。
電気工事施工管理や設備施工管理のお仕事も、需要が高いにもかかわらず人材が少なく、歓迎される仕事です。
施工管理技士資格としては併せて建築施工管理技士を持っている方もいますが、電気工事士など電気系の他の資格を持っている方も多くいます。
店舗やオフィスなどの現場の場合、土日が出勤日であったり、夜勤があったりすることも多くなります。
ハウスメーカーや工務店での建築施工管理のお仕事は、従事する方も求人も多めの仕事です。
資格がない場合も経験が評価される可能性がありますが、施工管理の仕事の中では若干低めの給与相場となります。
個人客が多い業界のため、土日が勤務、平日が休みの職場が多くなります。
新築の施工管理の仕事とかなり似ていますが、リフォーム会社や内装会社での施工管理の仕事もニーズの高い仕事です。
経験が重視される点もハウスメーカーなどと同じで、低めの給与相場もハウスメーカーなどと同じ、土日勤務で平日が休みであるのもハウスメーカーなどと同じです。
ハウスメーカーなどと異なる点は、新築戸建の場合は1棟すべてを手掛けることが多いのに対し、リフォーム会社の場合は部分ごとの施工が多く、工期も短いことで、多少負担の少ない傾向があってシニアに人気がある点です。
繰り返しとなりますが、施工管理の仕事は、一口に施工管理と言ってもかなり細かく専門特化しており、資格も重要視される一方、経験・スキルが非常に重要となります。
企業の規模によっても施工管理の仕事の年収は変わりますが、内定を得たり、高い年収を実現するための評価を得たりするための根本は、資格と経験・スキルです。
資格は計画的に取得しておくことしかできませんが、経験とスキルは、転職・再就職の前にしっかりと整理・棚卸ししておきましょう。
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この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。