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こどもNISAを徹底解説!いつから始まる?何歳から利用できる?上限はいくら?

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

こどもNISAはいつから始まる?
非課税保有額の上限は?

こどもの教育費は1,000万円以上かかると言われてます。小さなお子様がいる家庭やこれからこどもを迎える予定の親御さんの中には、こどもの教育費用をどのように準備するか心配している人も多いのではないでしょうか? 2027年から開始予定の「こどもNISA」は、子どもの将来に向けた資産形成を非課税で行える注目の制度です。 しかし、「こどもNISAはいつから始まる?」「何歳から口座を開設できる?」「年間の上限額はいくら?」「祖父母からの資金援助に贈与税はかからないの?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。 この記事では、こどもNISAの開始時期や対象年齢、年間投資上限額や非課税保有上限額、贈与税の非課税枠を活用した教育資金づくりのポイントなどを解説します。 子どもの将来の資金準備を検討している人はぜひ参考にしてください。

目次

こどもNISAとは?いつから始まる?

こどもNISAのイメージ

こどもNISAとは、2027年から開始される予定の新しい少額投資非課税制度のこと。未成年のうちから将来に向けた資産形成を行える仕組みになっています。

2025年12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」では、こども向けの投資環境整備が盛り込まれ、2026年度の税制改正を軸に制度設計が進められることになりました。

こどもNISAは、現行のNISAの「つみたて投資枠」の中に位置づけられる制度として、2027年の開始が見込まれています。

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※1:金融庁|NISA特設ウェブサイト
※2:財務省|令和8年度税制改正の大綱の概要

こどもNISAとは2027年から始まる予定のつみたて投資枠の中の制度

こどもNISAは、現行NISAの「つみたて投資枠」の一部として設けられる予定の制度です。対象者は未成年で、子ども名義のNISA口座を開設し、長期・積立・分散投資による資産形成を行います。

つみたて投資枠

成長投資枠

こどもNISA

対象年齢

0〜17歳

18歳以上

非課税
保有期間

17歳まで

無期限

年間投資
上限額

60万円

120万円

240万円

非課税保有
上限額

600万円

1,800万円

内枠
1,200万円

対象商品

一定の投資信託

上場株式
  投資信託 など

資金の
引き出し

一定条件を満たせば
12歳から可能

いつでも引き出し可能

口座は子ども本人の名義で開設されますが、出生届が受理されてマイナンバーが付与されれば、0歳からでも口座開設が可能になる見込みです。実際の運用や管理は親権者が行い、18歳到達後に本人が管理することになります。

資金は親や祖父母が拠出し、将来の教育費や自立資金に備えて運用することが想定されています。未成年のうちから非課税で運用できる点は、長期投資において大きなメリットといえるでしょう。

なお、こどもNISAは「ジュニアNISAの復活版」と表現されることもありますが、新制度では教育費が必要になるタイミングに合わせて、より柔軟に引き出しができる仕組みになる見込みです。

何歳から利用できる?対象年齢は0〜17歳

こどもNISAの対象年齢は0歳から17歳18歳になると、こどもNISAの資産は自動的に通常のNISA口座へ移行し、NISAのつみたて投資枠の中で継続運用が可能になります。

未成年期は「こどもNISA」として管理し、成人後はそのまま通常のNISAのつみたて投資枠に引き継がれるため、ライフステージの変化に合わせて長期的な資産形成を続けやすい仕組みになっています。

年間投資額の上限は60万円・非課税保有額の上限は600万円

現時点で想定されているこどもNISAの投資上限額は、以下の通りです。

こどもNISAの投資上限額
  • 年間投資上限額:60万円
  • 非課税保有上限額:600万円

単純計算で毎月5万円まで積み立てられるようになっており、複利効果を活かした資産形成が期待できます。

対象商品はつみたて投資枠と同じ

こどもNISAで購入できる金融商品はNISAのつみたて投資枠と同じのため、主に以下のような商品が対象となる予定です。

こどもNISAの対象商品
  • 低コストのインデックス型投資信託
  • 長期・分散投資に適した投資信託 など

株式や高リスク商品は対象外となり、長期の資産形成向け商品に限定されます。

引き出し可能な年齢は12歳から

こどもNISAでは、12歳以上になると一定の条件下で資金の引き出しが可能になる見込みです。

旧制度のジュニアNISAでは、18歳になるまで原則引き出しが制限されていました。しかし新制度では、子ども本人の同意があり、入学金や授業料などの教育目的に該当する場合に限り、12歳以降の引き出しが認められる方向で検討されています。

旧制度のジュニアNISAとの違いとは?

こどもNISAとジュニアNISA

こどもNISAは、2023年末で終了した「ジュニアNISA」の課題を踏まえて設計される新制度です。

ジュニアNISAは「18歳になるまで原則引き出し不可」「非課税期間が最長5年」「途中解約時の取り扱いが分かりにくい」など、使い勝手の面で不満の声もありました。

こどもNISAは、これらの課題が解決するような仕組みになる予定です。

ジュニアNISA

こどもNISA

対象年齢

20歳未満
(2023年に
18歳未満に変更)

18歳未満

年間投資
上限額

80万円

60万円

非課税保有
上限額

400万円

600万円

非課税保有
期間

最長5年

無期限

対象商品

株式・投資信託

つみたてNISA対象商品

資金の
引き出し

18歳まで
原則引き出し不可

一定条件を満たせば
12歳から可能

こどもNISAとジュニアNISAの違いを確認してみましょう。

非課税保有期間が定められていない

1つ目は、非課税保有期間が定められていないことです。

ジュニアNISAの非課税保有期間は最長5年という制限があり、非課税期間終了後は課税口座へ移す必要がありました。

一方、こどもNISAでは18歳になると資産が自動的に通常のNISA口座へ移行します。これにより、非課税での運用期間は実質的に無制限となり、長期運用による複利効果を最大限に活かしやすくなります。

非課税保有上限額が拡大される

2つ目は、非課税保有上限額が拡大されることです。

ジュニアNISAの非課税保有限度額は最大400万円でしたが、こどもNISAでは600万円に引き上げられる予定になっています。

また、こどもNISAは子ども名義の口座を開設するため、親のNISAと併用することで、家族全体で利用できる非課税枠がさらに広がります

教育資金と老後資金を分けて管理しながら、世帯全体で効率的な資産形成を進められる点はこどもNISAのメリットといえるでしょう。

一定の条件を満たせば12歳から資金を引き出せる

3つ目は、一定の条件を満たせば12歳から資金を引き出せるようになることです。

ジュニアNISAは「18歳まで原則引き出し不可」という制限があり、教育費に使いたくても途中で資金を動かせないという課題がありました。

一方こどもNISAでは、12歳以上であれば「入学金・授業料・学校関連費用」などの教育目的に該当する場合に限り、本人の同意を前提として引き出しが可能になる方向で検討されています。

中学・高校・大学と、成長段階に応じて必要となる資金に対応しやすくなる点は、家計設計上の大きなメリットになるはずです。

株式投資ができなくなる

4つ目は、株式投資ができなくなることです。

こどもNISAとジュニアNISAでは対象商品の範囲も異なります。

ジュニアNISAでは個別株式やETFなどへの投資が可能でしたが、こどもNISAでは現行NISAのつみたて投資枠と同様に低コストの投資信託が中心となり、個別株式は対象外となることで検討されています。

こどもNISAはどのように活用すればいい?

教育資金のイメージ

投資は一般に「始める時期が早いほど有利」といわれます。なぜなら、運用で得た利益がさらに利益を生む「複利効果」を長期間にわたって活かせるためです。

こどもNISAはこの複利効果を最大限に活用できる制度です。親が仕組みを正しく理解し、計画的に積立を行うことで、将来に向けた資金準備を効率よく進めることができます。

こどもNISAの具体的な活用方法を確認しておきましょう。

教育資金の形成に活用する

こどもNISAの代表的な使い道は、1,000万円以上かかると言われている教育資金の形成です。

例えば、高校・大学の進学資金や中学受験を視野に入れた学習塾代や教材費、さらには留学や資格取得にかかる費用など、中学校以降は学費の負担が一気に大きくなる傾向にあります。

最短で12歳から引き出し可能なこどもNISAは、費用負担の大きい教育資金の形成に最適です。

例として、毎月2万円をこどもNISAで積み立て、年利3%で0歳か15歳まで運用した場合を考えてみましょう。

年間投資額:24万円
15年間の元本合計:360万円
運用後の評価額:約450万円

上記のケースの運用益は約90万円。通常の課税口座の場合は90万円に対して20.315%の税金がかかり、約18万円が差し引かれますが、こどもNISAで運用していれば非課税となるため、450万円をそのまま将来の教育資金として受け取ることが可能です。

こどもNISAだけで教育にかかる費用をすべて準備することは難しいかもしれませんが、預貯金や学資保険などと併用すれば効率的に教育資金がつくれるでしょう。

贈与税がかかならい範囲内での贈与を行う

こどもNISAは、祖父母から孫への贈与の受け皿としても有効的です。

こどもNISAの積立は実際は親が行うケースが多くなると考えられますが、教育資金や将来資金として祖父母が援助するケースも考えられます。

贈与税には、年間110万円までの贈与には贈与税がかからない「基礎控除」が設けられています。こどもNISAの年間投資上限は60万円。贈与税の基礎控除の範囲内に収まるため、贈与税を心配せずに資金を移すことが可能です。

「祖父母から孫へ、こどもNISAの口座を利用して毎年60万円を贈与」という形をとれば、相続対策と資産形成を同時に進められるでしょう。

正しい暦年贈与の方法!廃止は見送り?改正点や相続時精算課税との違いも

※3:国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

まとめ・こどもNISAを活用して効率的な教育資金の形成を!

こどもNISAは2027年から始まる予定の新しい非課税制度。NISAのつみたて投資枠の中に組み込まれる予定で、0歳から17歳までの子ども名義の口座で長期・積立・分散投資が可能です。

年間投資額の上限は60万円・非課税保有額の上限は600万円。一定条件を満たせば12歳から教育目的で引き出しも可能になる見込みで、ジュニアNISAの課題を改善した制度といえます。

教育費が1,000万円以上かかるとされる中、こどもNISAは複利効果を活かして効率よく資金を準備できる有力な選択肢です。さらに、110万円の贈与税の基礎控除を活用すれば、祖父母からの資金援助も非課税で行いやすくなります。

預貯金や学資保険と併用しながらこどもNISAを活用すれば、将来の教育資金や自立資金づくりを無理なく進められるでしょう。

参考資料

金融庁|NISA特設ウェブサイト
財務省|令和8年度税制改正の大綱の概要
国税庁|No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)

この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

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