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リタイア後の新しい働き方!シルバー人材の気になるポイントを一挙紹介!

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

定年、あるいは年齢的な理由からリタイアされる方も少なくありません。 そんな方々をシルバー人材といいます。 シルバー人材とはどのようなものか紹介します。

目次

シルバー人材とはどんなものか?

漠然とシルバー人材と言われても、とりあえず定年やある程度高齢の人材のことだろうと思われる方は少なくありません。
そんなシルバー人材とはどんなものなのか、ここではその定義的なものや、そういった人材を管理するシルバー人材センターについて解説していきます。
漠然とシルバー人材やシルバー人材がどのようなものなのか分からない方でも、そのイメージがつけやすくなるのではないでしょうか。

シルバー人材はどのような人材を指すのか

シルバー人材とは、端的にいえば65歳以上の高齢者や定年退職者です。
公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会によると、「定年退職者などの高齢者」としています。
高齢者とは国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上になっていることから、冒頭の人材を指します。
肉体的にもまだまだ十分活躍できる年齢であり、長年の業務に携わってきた経緯から経験も豊富で機知に富んでいる人材が多いのが特徴です。

シルバー人材センターとは?

シルバー人材センターは、シルバー人材に職業を案内する業務を中心に活動している組織です。
定年後のさまざまなライフスタイルに合わせて臨時的な業務や短期の業務、軽易な業務を中心に提供する活動をしています。
原則として全国の各市区町村に設置されており、都道府県知事の指定を受けて運用されているのが特徴です。
基本的に職業安定を目的とするハローワークとは異なり、「生きがいを得るための就業」を目的としています。

気になるシルバー人材の職種とは?

シルバー人材はシルバー人材センターが案内する業務に従事することです。
そのため、シルバー人材センターに集まる業務が職種といえるでしょう。
ここではそんなシルバー人材の職種についてまとめていきます。
実は想像以上に多彩なものがあり、技術、技能、事務、管理、折衝外交、一般作業やサービスといったものに分かれます。
ここでは一通り紹介を致します。

過去の経験を生かす技術・技能分野の職種

過去の経験を生かせるのがこの分野の職種です。基本的に過去に従事していた職業で培った技術が生かせます。
例えば家庭教師や学習教室の講師、パソコン指導などの教育分野や通訳、自動車の運転などです。
クラスを完全に受け持ったり、深夜の運転をすることはありませんが、経験が生かせます。
技能分野は大工やペンキ塗装、障子や網戸の張替え、剪定、刃物の研磨などが多くあります。
極端に危険な業務は従事しません。

シルバー人材でも現役並み・事務や管理分野の職種

事務や管理分野は、ある程度体力が落ちているシルバー人材であっても現役並みに活躍できます。
一般事務から経理、あて名書き、調査、パソコン入力といった業務は現役時代の経験が生かせます。
管理分野は、マンションの管理や小規模なスポーツ施設、公園の管理の他、駐車場の管理や整備など公共施設の簡単な保守整備などが中心の職種になります。

折衝外交分野とは?

折衝外交という言葉になじみのない方も多いですが、いわゆる外回りの仕事やお店の番などの業務です。
基本的に簡単な営業や配達、集金、電気やガスなどの検針、販売員といったものが代表的な職種となります。
これは、多少歩いたり、人と接することも多い職種ですが、過去の経験や人柄が生かせる仕事としてシルバー人材に期待されている分野でもあります。
シルバー人材は人と接する業務では円滑に業務ができる点が強みです。

勤務経験が少なくとも活躍できるサービス分野

定年になるまで勤務したことがない、専業主婦の時間が長かった、こういった方でもサービス分野で活躍が期待できます。
例えば、家事サービスではそうじや洗濯、留守番といった業務がそのまま日常生活の経験から生かせます。
また、家族の介護経験のあるシルバー人材の方であれば身の回りの世話や話し相手、介助といった福祉サービスも活躍できる分野です。
もちろん子守や子どもの送迎などの要請もあるので、これも活躍可能です。

主に従事することが多い一般作業分野サービス分野

シルバー人材センターに多く要請があり、最も活躍の場が期待されているのが一般作業分野です。
とても多岐にわたる分野で、家や公園の草取りから始まり、清掃、梱包、農作業補助が多くあります。
さらにエアコンの清掃やチラシ配り、農作物の荷造りなどもこれらの業務の分野です。
また、状況によってはイベント時の駐車場整理や、簡単な警備をすることもあります。
シルバー人材の仕事として一番従事する分野です。

シルバー人材センターにはどのように登録すればいいのか

ハローワークと異なり、シルバー人材センターは会員登録をする必要があります。
その上で企業・家庭・公共団体などから引き受け、それぞれにあった仕事を会員に提供するというシステムです。
ここではそんなシルバー人材センターの登録方法について、条件のクリア、センターの趣旨に賛同、入会説明会を受けて登録をする、会費を納める、そして仕事を紹介してもらうという流れをまとめました。
それらについて解説していきましょう。

条件をクリアする

まず、登録するシルバー人材センターの管轄エリアに在住していることが条件になります。
隣の市の方がたくさん仕事があるから、隣の市に登録するということはできません。
また、年齢も条件で基本的にセンターによって多少異なるものの60歳以上となっています。
そのため、早期リタイアした方は登録ができない仕組みです。
また、おおよそ健康であることや働く意思のあることも条件として挙げているセンターがほとんどです。

センターの趣旨に賛同する

センターの趣旨に賛同する必要もあります。
非常に長い趣旨を掲げているセンターが多いのですが、要約すると共通している部分が少なくありません。
基本的に先ほど紹介した条件をクリアしている方で生き生きとした生活を楽しむためにこの活動に参加する、ということに同意するということで、趣旨に同意するとしている場合がほとんどです。
このほか、組織の存在や報酬である配分金の取り決めなどが細かく記載されています。

入会説明会に参加して登録手続きをする

入会説明会は、各市区町村にあるシルバー人材センターの建物内で行われます。
月一回開催され、おおよそ2~3時間程度かかるので、病院などの予約はしないようにして、予定を開けておきましょう。
当日は仕事内容の案内や登録書類の作成、報酬を受け取る口座や身分証明の提示、そして捺印(なついん)などが行われます。
そのため、必要な書類の用意が必要です。
また、登録時に顔写真を撮影しますので、多少身なりを整えて参加しましょう。

会費を納めて仕事を紹介してもらう

入会説明時には会費を納めます。市区町村によりますが、2,000円程度の納入で済むことがほとんどです。
この金額は入会説明会の案内を見て、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
また、当日中に登録は完了しないので、後日登録が完了したという連絡をもらって、仕事の紹介を受けるというのが一連の流れです。

シルバー人材の収入や注意点

シルバー人材で働く場合、気になるのが収入や注意点です。
ここではそんな情報についてまとめていきましょう。

シルバー人材の収入は高くない

シルバー人材の収入は月8~10日就業した場合、月3~5万円程度の収入で、これが標準モデルです。
そのため、民間企業に勤めていたころに比べると、かなりお給料が安いのが現実です。
あくまで、生きがいを感じるための活動であり、企業の相談役のように月数十万円得られるというわけではありません。
もし収入がもっと欲しいのであれば、ハローワークなどに相談するか、よほどの技能や実績があれば、つてを頼る必要があります。

労働関係法規が適応されない

シルバー人材には注意点があります。
それは、労働関係法規が適応されないことです。
あくまで個人がその仕事を請け負ったことという見なされ方になるので、ケガをしても依頼主は責任を負いません。
また、労働基準法にも適応されないため、やや労働者としては弱い立場です。
ただ、業務中のケガについてはシルバー人材センターが保険をかけているので、その点はそこまで気にすることはないかもしれません。

まとめ:シルバー人材は生きがいを見つけるための労働

シルバー人材センターは、定年退職後の方やその年齢に相当する方が利用する労働形態です。
様々な職種があるものの基本的には簡易の作業や短期間の労働がほとんどであり、そこまで本格的な勤務をすることはありません。
そんなシルバー人材センターは、登録制で会費を支払う必要があったり、個人の業務請負という形態をとること、そこまで高収入が期待できないことなどに注意しましょう。

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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