更新日:

年金生活者支援給付金の対象者の条件とは?申請方法・金額をわかりやすく解説!

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

年金生活者支援給付金の対象者の条件とは?
申請方法・金額をわかりやすく解説!

年金を受け取っている人の中には、「年金生活者支援給付金って自分も対象?」「厚生年金をもらっている場合でも関係ある?」と疑問に感じる人も多いでしょう。 年金生活者支援給付金とは、一定の所得や世帯条件を満たす年金受給者に対して、年金に上乗せして支給される金額のことです。 対象者の判定は「老齢年金・遺族年金・障害年金」で要件が異なり、夫婦や同居家族がいる場合は、世帯全員の課税状況によって支給されないケースもあります。 この記事では、年金生活者支援給付金の対象者の条件や金額、通知が届いたときの手続き方法や注意点などをわかりやすく解説します。

目次

年金生活者支援給付金とは?

高齢者とお札

まずは、年金生活者支援給付金がどのような制度なのか確認しておきましょう。

年金生活者支援給付金とは年金に上乗せして支給される【福祉的な給付】

年金生活者支援給付金とは、所得や世帯の条件を満たした年金受給者が年金に上乗せして受け取れる給付金です。

老後の生活を支える年金制度の中でも、「年金だけでは生活が厳しくなりやすい人」を支援する目的で設けられており、所得や世帯の課税状況などの条件を満たした人が対象者になります。

【老齢・障害・遺族】の3種類の給付金がある

年金生活者支援給付金の種類は以下の3種類です。

年金生活者支援給付金の種類
  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は、種類ごとに対象者の条件が異なります。

老齢年金生活者支援給付金は、本人の所得だけでなく、同一世帯の家族全員が市町村民税非課税であることが条件に入っているため、夫婦や同居家族がいる人ほど注意が必要です。

一方で、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、基本的に「障害基礎年金」「遺族基礎年金」を受給している人を対象にしており、所得基準によって判定されます。

それぞれの給付金の対象者の条件を詳しく確認していきましょう。

※1:厚生労働省|年金生活者支援給付金制度 特設サイト

65歳以上の高齢者が受け取れる給付金や支援金をまとめて紹介!
年金の種類とは?会社員・公務員が入れる年金や老齢・遺族・障害年金の詳細も!

老齢年金生活者支援給付金の対象者とは?

高齢者とお札

年金生活者支援給付金の中でも、もっとも対象者の条件が複雑で誤解が生まれやすいのが「老齢年金生活者支援給付金」です。

理由は、本人の所得だけでなく、同一世帯に住民税の課税者がいるかどうかまで条件に含まれるため。ここでは、それぞれの条件をわかりやすく解説します。

条件① 65歳以上で老齢基礎年金を受けている

老齢年金生活者支援給付金の条件1つ目は、65歳以上で老齢基礎年金を受けていることです。

老齢年金生活者支援給付金の対象者になるには、まず65歳以上であることが前提です。さらに、受け取っている年金が老齢基礎年金(国民年金)である必要があります。

ここで注意したいのが、「厚生年金をもらっている=必ずしも対象外」とは限らない点です。厚生年金の受給者は基本的に老齢基礎年金も受け取っているため、所得や世帯条件を満たせば対象になることがあります。

条件② 同一世帯全員が住民税非課税である

老齢年金生活者支援給付金の条件2つ目は、同一世帯全員が住民税非課税であることです。

つまり、本人の年金収入が少なく所得基準を満たしていたとしても、以下のようなケースでは対象外になる可能性があるので注意が必要です。

夫婦で暮らしており、配偶者に住民税が課税されている
同居している会社員の子どもが住民税を支払っている
世帯を分けずに親子で同居している


年金生活者支援給付金制度では、「一緒に住んでいるかどうか」よりも、登録上の扱いが同一世帯かどうかが重要になります。そのため、夫婦や親子で同居している場合は、世帯全員の住民税の課税状況が受給可否を左右します

住民税非課税世帯とは?年金受給者は該当?年収は?わかりやすく解説!

条件③ 前年の所得が基準以下である

老齢年金生活者支援給付金の条件3つ目は、前年の所得が基準以下であることです。

ここでいう所得には、前年の年金収入金額・給与所得・事業所得・不動産所得などのその他の所得が含まれ、生年月日により基準が2パターンに分かれます。

所得基準
  • 1956年4月2日以後生まれ:809,000円以下
  • 1956年4月1日以前生まれ:806,700円以下

ただし、上記の基準を超える場合でも、完全に対象外になるとは限りません。次に解説する補足的老齢年金生活者支援給付金に該当すれば、金額は少なくなるものの受け取れる可能性があります。

なお、遺族年金や障害年金は非課税のため、所得判定には含まれません。

補足的老齢年金生活者支援給付金とは?

年金手帳と電卓とお札

まずは、補足的老齢年金生活者支援給付金の詳細を確認してみましょう。

補足的老齢年金生活者支援給付金とは

補足的老齢年金生活者支援給付金とは、老齢年金生活者支援給付金の対象外だった人でも、条件によっては支給される可能性がある「もう一段階の給付金」です。

老齢年金生活者支援給付金は、所得や世帯の条件を満たした人に支給される制度ですが、実際には「所得基準を少しだけ超えてしまったために対象外になる人」も少なくありません。

そこで用意されているのが、補足的老齢年金生活者支援給付金です。補足的老齢年金生活者支援給付金は、老齢年金生活者支援給付金ほど厳しい所得条件ではないものの、一定の範囲に該当する人に対して、減額されるかたちで支給されます。

「老齢は対象外だったけれど、補足的なら対象になるかもしれない」というケースがあるため、補足的老齢年金生活者支援給付金の条件もしっかり確認しておきましょう。

対象者の条件

補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者の条件は、以下の3点を満たすことです。

補足的老齢年金生活者支援給付金の対象者の条件
  1. 65歳以上で老齢基礎年金を受けている
  2. 同一世帯全員が住民税非課税である
  3. 前年の所得が補足的老齢の基準範囲内である

補足的老齢年金生活者支援給付金の所得基準は、生年月日により以下のように異なります。

補足的老齢年金生活者支援給付金の所得基準
  • 1956年4月2日以後生まれ:809,000円超〜909,000円以下
  • 1956年4月1日以前生まれ:806,700円超〜906,700円以下

ただし、補足的老齢は満額がそのまま支給されるのではなく、所得に応じて段階的に減額されます。

本人が非課税でも対象外になるケースもある

補足的老齢年金生活者支援給付金は所得基準が広がる分、対象になりやすい制度と思われがちですが、実際には本人の所得が基準内でも、世帯条件が理由で対象外になるケースがよくあります。

特に多いのが、夫婦や親子の同居世帯で起きるケース。補足的老齢年金生活者支援給付金は同一世帯全員が住民税非課税であることが条件にあるため、以下のような状況では、本人が非課税であっても対象外になる可能性があるため、注意が必要です。

夫婦で暮らしており、配偶者が住民税課税
子どもと同一世帯で暮らしており、子どもが課税
同居している家族の収入が一定以上ある

【対象になる?ならない?】夫婦・同居パターン別の具体例

わかりやすいように、夫婦・同居パターン別の具体例を確認しておきましょう。


■夫婦2人暮らし(夫も妻も住民税非課税)

夫:年金収入+所得が基準内
妻:年金収入+所得が基準内
世帯:2人とも住民税非課税
→ 老齢もしくは補足的どちらかの対象になる可能性が高い

■夫婦2人暮らし(夫は非課税・妻がパートで住民税課税)

夫:年金収入+所得が基準内(非課税)
妻:年金収入+パート収入(住民税課税)
世帯:課税者がいる
→ 対象外になる可能性が高い

■親+子ども(会社員)で同居

親:年金収入+所得が基準内(非課税)
子:給与所得がある(住民税課税)
世帯:課税者がいる
→ 対象外になる可能性が高い

■親子同居だが「世帯分離」している

親:年金収入+所得が基準内(非課税)
子:給与所得がある(住民税課税)
住民票上:世帯が分かれている
→対象になる可能性がある

障害年金生活者支援給付金の対象者とは?

車椅子のシニアと電卓と虫めがね

障害年金生活者支援給付金とは、障害基礎年金を受給している人のうち、前年の所得が一定基準以下である場合に、年金に上乗せして支給される給付金です。

老齢年金生活者支援給付金と大きく違うのは、「同一世帯全員が住民税非課税であること」という条件が基本的に入っていない点です。そのため、夫婦や同居家族がいる人でも、対象者になる可能性があります。

障害年金とは?2025年の受け取れる金額や受給要件を解説!

条件① 障害基礎年金を受けている

障害年金生活者支援給付金の条件1つ目は、障害基礎年金を受けていることです。

障害年金生活者支援給付金の対象者になるには、まず障害基礎年金を受給していることが前提です。

注意したいのは、障害年金を受け取っている人すべてが対象になる訳ではないこと。障害年金には障害厚生年金もありますが、障害年金生活者支援給付金は原則として、障害基礎年金を受けている人を対象にしています。

条件② 前年の所得が基準以下である

障害年金生活者支援給付金の条件2つ目は、前年の所得が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であることです。

障害年金生活者支援給付金の所得基準は扶養親族の人数に応じて異なりますが、扶養親族による加算の基本ルールは以下の通りです。

扶養親族による加算の基本ルール
  • 扶養親族1人につき、38万円を加算する
  • 同一生計配偶者のうち、「70歳以上」もしくは「老人扶養親族」がいる場合は48万円を加算する
  • 「特定扶養親族」もしくは「16〜19歳未満の扶養親族」がいる場合は63万円を加算する

扶養親族がいる場合は所得基準の上限が上がるため、対象外だと思っていた人でも該当するケースがあります。障害年金生活者支援給付金の対象者を確認する際は、所得金額だけでなく、扶養の人数や区分も合わせて確認しましょう。

遺族年金生活者支援給付金の対象者とは?

年金手帳と虫めがね

遺族年金生活者支援給付金とは、遺族基礎年金を受給している人のうち、前年の所得が一定基準以下である場合に、年金に上乗せして支給される給付金です。

障害年金生活者支援給付金と同様、遺族年金生活者支援給付金には「同一世帯全員が住民税非課税であること」という条件が基本的に入っていません。そのため、夫婦や同居家族がいる人でも、対象者になる可能性があります。

遺族年金は誰がもらえる?受給資格や対象者や金額を徹底解説!

条件① 遺族基礎年金を受けている

遺族年金生活者支援給付金の条件1つ目は、遺族基礎年金を受けていることです。

遺族年金生活者支援給付金の対象者になるには、まず遺族基礎年金を受給していることが前提です。

注意したいのは、遺族年金を受け取っている人すべてが対象になる訳ではないこと。遺族年金には遺族厚生年金もありますが、遺族年金生活者支援給付金は原則として、遺族基礎年金を受けている人を対象にしています。

条件② 前年の所得が基準以下である

遺族年金生活者支援給付金の条件2つ目は、前年の所得が「4,794,000円+扶養親族数×38万円」であることです。

遺族年金生活者支援給付金の所得基準は扶養親族の人数に応じて異なりますが、扶養親族による加算の基本ルールは以下の通りです。

扶養親族による加算の基本ルール
  • 扶養親族1人につき、38万円を加算する
  • 同一生計配偶者のうち「70歳以上」もしくは「老人扶養親族」がいる場合は48万円を加算する
  • 「特定扶養親族」もしくは「16〜19歳未満の扶養親族」がいる場合は63万円を加算する

扶養の状況によって所得基準が変わるため、「自分は所得が高いから対象外」と決めつけず、扶養人数や扶養区分も含めて確認することが大切です。

年金生活者支援給付金はいくらもらえる?

電卓とお札

では、年金生活者支援給付金の対象になった場合、いくら支給されるのでしょうか?ここでは、年金生活者支援給付金の支給額を確認していきましょう。

老齢年金生活者支援給付金は国民年金保険料の納付済期間で異なる

老齢年金生活者支援給付金は、該当者に同じ金額が支給される訳ではなく、国民年金保険料を納めた期間や免除期間に応じて計算されます。

それぞれの計算方法を確認してみましょう。なお、計算式の結果で端数がでた場合は、50銭未満は切り捨て、50銭以上1円に切り上げて計算します。

老齢年金生活者支援給付金の計算方法

まずは、厚生労働省のホームページなどで給付基準額を確認します。2025年度の老齢生活者支援給付金の給付基準月額は5,450円です。

なお、給付基準月額は毎年度の老齢基礎年金の改定に応じて変動するため注意しましょう。

給付基準額を確認したら、以下の方法で計算します。

老齢年金生活者支援給付金の計算方法
  • 給付基準月額×納付済期間÷480月

免除期間がある場合の老齢年金生活者支援給付金の計算方法

免除期間がある場合は、以下の方法で計算します。

免除期間がある場合の老齢年金生活者支援給付金の計算方法
  • 給付基準月額×免除期間÷480月

給付基準月額(1956年4月2日以後生まれの人)
  • 保険料全額免除・4分の3免除・半額免除の期間:11,551円
  • 保険料4分の1免除の期間:5,775円

給付基準月額(1956年4月2日以前生まれの人)
  • 保険料全額免除・4分の3免除・半額免除の期間:11,518円
  • 保険料4分の1免除の期間:5,759円

補足的老齢年金生活者支援給付金の計算方法

補足的老齢年金生活者支援給付金は、「老齢年金生活者支援給付金の金額×調整支給率」で計算します。


調整支給率の計算方法
  • 1956年4月2日以後生まれの人 :(909,000円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷100,000円
  • 1956年4月1日以前生まれの方 :(906,700円-前年の年金収入金額とその他の所得の合計)÷100,000円

老齢年金生活者支援給付金の計算例

わかりやすいように、いくつかの例で支給額を確認してみましょう。なお、以下はすべて「1956年4月2日以後生まれ」の人を想定しています。


■①納付済期間480月

5,450円×480月÷480月=5,450円

上記のケースの場合、国民年金保険料を40年間納付しているため、支給額は満額の5,450円になります。

■②納付済期間420月

5,450円×420月÷480月=4,742.5円
0.5円は切り上げるため、4,743円

上記のケースの場合、支給額は4,743円になります。

■③納付済期間240月・全額免除期間100月

5,450円×240月÷480月=2,725円
11,551円×100月÷480月=2,406円(0.4円切り捨て)
2,725円+2,406円=5,131円

上記のケースの場合、支給額は5,131円になります。

■④前年の所得が85万円の場合

老齢年金生活者支援給付金は対象外のため、補足的老齢年金生活者支援給付金を計算する
老齢年金生活者支援給付金は、5,450円
調整額は「(909,000円-850,000)÷100,000円」=0.59
「5,450円×0.59」=3,216円(0.5円切り上げ)

上記のケースの場合、支給額は3,216円になります。

障害・遺族年金生活者支援給付金の金額

障害生活者支援給付金・遺族生活者支援給付金の支給額は、以下の通りです。

年金生活者支援給付金の給付基準月額(2025年度)
  • 障害1級:6,813円
  • 障害2級:5,450円
  • 遺族:5,450円

ただし、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、「5,450円÷子の数」が支給額になります。

年金生活者支援給付金は自分で申請しないともらえないため注意が必要!

「Caution」の文字を見てる人

年金生活者支援給付金は、対象者の条件を満たしていたとしても、自分から申請しなければ支給されません

また、申請が遅れると、その分支給開始も遅れてしまいます。「後からまとめてもらえる」と勘違いしてしまうと、受け取れるはずだった給付金を逃してしまう可能性があるため注意が必要です。

ただし、すでに老齢基礎年金などを受給している人のうち、新たに要件を満たす可能性がある人には、日本年金機構から「はがき型の請求書」が送付されることがあります。その場合は、必要事項を記入して返送すれば手続きが完了します。

なお、これから年金を請求する人は、年金の受給開始手続きとあわせて、年金生活者支援給付金の請求も同時に行える導線が用意されています。

年金生活者支援給付金の申請方法

キャンバスと「申請」の文字

年金生活者支援給付金の申請方法は、大きく分けて次の3つです。

年金生活者支援給付金の申請方法
  1. 郵送で申請する
  2. 窓口で申請する
  3. 電子申請する

詳細を確認してみましょう。

郵送・窓口で申請

年金生活者支援給付金の申請で、もっとも一般的なのが郵送で提出する方法です。

すでに年金を受給している人で対象者に該当する可能性がある場合は、日本年金機構から「はがき型の請求書」が届くことがあります。その場合は、必要事項を記入して返送すれば申請が完了します。

また、郵送が不安な場合や記入方法を相談したい場合は、年金事務所や市区町村の保険年金課などの窓口で申請することも可能です。

必要書類

申請に必要な書類は以下の通りです。

■必要書類一覧

すでに年金を
受給している場合
(はがき型請求書が
届いた人)

はがきを紛失した
場合

これから
年金請求をする人
(年金請求と同時に
申請する人)

年金生活者
支援給付金請求書

本人確認書類
(窓口で申請する場合)

年金生活者
支援給付金請求書
(A4型)

本人確認書類
(窓口の場合)

年金の請求書一式

年金生活者
支援給付金請求書

マイナンバーが
確認できる書類

本人確認書類

受取口座がわかるもの

スムーズに手続きできるよう、事前に準備しておきましょう。

電子申請

2025年1月以降に日本年金機構から「はがき型請求書」が届いた人は、電子申請も可能です。

ただし、利用するためにはマイナポータルを通じて「ねんきんネット」と連携して手続きを進めるため、以下の準備が必要です。

電子申請に必要なもの
  • マイナンバーカード
  • 署名用電子証明書のパスワード
  • マイナポータルの利用設定
  • ねんきんネットとの連携設定

時間を気にすることなく、自宅から手続き可能なことが電子申請のメリットです。

※2:日本年金機構|年金生活者支援給付金の電子申請手順

年金生活者支援給付金の対象者に関するよくある質問

お札と「?」の付箋

年金生活者支援給付金は、対象者の条件が年金の種類ごとに分かれているうえ、世帯や所得の考え方も少し複雑です。ここでは、年金生活者支援給付金の対象者について特に質問が多いポイントをご紹介します。

支給開始はいつ?遡ってもらえる?

年金生活者支援給付金の支給開始は、原則として申請した翌月からです。そのため、申請が遅れると、支給が始まる月も遅れてしまいます。


ただし例外として、以下のような場合は該当時期に遡って支給されます。

新たに年金の受給権を得た人が一定期間内に請求した場合
災害などやむを得ない事情で請求できなかった場合

対象者への通知はいつ届く?

すでに年金を受給している人のうち、年金生活者支援給付金の対象者に該当する可能性がある人には、 毎年9月頃に日本年金機構からはがき型の請求書が届くことがあります。

同居している子どもが働いていると対象外になる?

老齢年金生活者支援給付金では、対象外になる可能性が高いです。

老齢年金生活者支援給付金の場合は、本人の所得だけでなく、同一世帯全員が住民税非課税であることが条件に含まれます。

そのため、同居している子どもが会社員などで住民税が課税されている場合、本人の年金収入が少なくても対象外になることがあります

一方で、障害年金生活者支援給付金や遺族年金生活者支援給付金は、本人の所得だけで判定されます。

生活保護を受けているとどうなる?

生活保護を受けている場合は、給付金を受け取った分だけ、生活保護費が調整される可能性があります

理由は、年金生活者支援給付金は年金に上乗せして支給される給付金のため、生活保護の金額は収入として扱われる可能性があるためです。

ただし、生活保護との関係は世帯状況や自治体の判断も関わるため、実際の扱いはケースごとに異なります。生活保護を受給している人は、年金事務所だけでなく福祉事務所にも確認しておくと安心でしょう。

預貯金や資産が多いと対象外になる?

年金生活者支援給付金は、所得や世帯の課税状況を基準に対象者を判定します。そのため、公式に示される支給要件としては、預貯金などの資産額による上限が明確に書かれていません

ただし、制度の運用や確認状況によっては、追加で確認が求められる可能性もゼロではありません。不安がある場合は、年金事務所に相談しながら手続きを進めましょう。

夫婦のどちらかだけが対象になることはある?

夫婦のどちらかだけが対象になる可能性はあります。

年金生活者支援給付金は、世帯単位ではなく、基本的には個人ごとに対象者かどうかが判定される制度です。

そのため、夫婦の場合でも「夫は所得基準を満たしているが、妻は満たしていない」「妻は遺族年金生活者支援給付金の対象だが、夫は老齢で対象外」「夫婦それぞれの年金種類が違う」という理由で、どちらか一方だけが対象になるケースがあります

対象者なのに通知が来ないのはなぜ?

対象者であっても必ず通知が届くとは限りません

通知が来ない主な理由としては、以下のようなケースが考えられます。

通知が来ない主な理由
  • 所得や世帯状況の確認ができず、別の書類(A4型請求書など)で案内される
  • 世帯状況の変化が直近にあり、判定のタイミングとずれている
  • 9月30日時点の世帯状況では対象外だった
  • 住所変更などにより案内が届いていない

特に老齢年金生活者支援給付金は、9月30日時点の世帯状況が判定に影響するため、タイミングによって「対象になりそうなのに通知が来ない」ことが起こり得ます。

通知が来ない場合でも、条件を満たしている可能性がある場合は、年金事務所に問い合わせをしてみましょう。

年金生活者支援給付金の条件に当てはまる場合は早めに申請を!

年金生活者支援給付金は、一定の所得や世帯要件を満たす年金受給者に対して、年金に上乗せして支給されるお金です。

ただし、対象者の条件は「老齢・障害・遺族」でそれぞれ異なり、特に老齢年金生活者支援給付金は、本人の所得だけでなく同一世帯全員が住民税非課税であることが求められるため、夫婦や同居家族がいる人ほど注意が必要です。

また、年金生活者支援給付金は対象者であっても自動支給ではなく、原則として申請しないと受け取れません。すでに年金を受給している人には9月頃に通知のはがきが届くことがありますが、通知が来ない場合でも条件に当てはまりそうなら確認する価値があります。

「自分が対象かもしれない」と感じたら、所得・世帯状況を一度整理したうえで、年金事務所などで相談しながら早めに申請手続きを行いましょう。

参考資料

厚生労働省|年金生活者支援給付金制度 特設サイト
日本年金機構|年金生活者支援給付金の電子申請手順

この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

おすすめの記事

併せて読みたい