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在職中の人も利用できる教育訓練給付金とは?給付条件や申請方法を解説!

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

在職中の人も利用できる教育訓練給付金とは?
給付条件や金額を解説!

「目指してた職業にチャレンジしたい」「今の職場でキャリアアップしたい」働きながら、こんな思いを持つ人もいるでしょう。 そんな人を支援するのが、教育訓練給付金制度です。教育訓練給付金とは、資格などを取得するために受講した講座費用の一部が支給される制度のこと。在職中や離職して1年以内で雇用保険に加入している、などの一定条件を満たした人が利用できます。 この記事では、3種類ある「一般教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金」それぞれの給付条件や金額、申請方法などを解説します。

目次

在職中でも利用できる教育訓練給付金とは?

教育訓練給付金のイメージ

まずは、教育訓練給付金の概要を確認していきましょう。

なお、教育訓練給付金と似た制度に「職業訓練給付金」がありますが、教育訓練給付金は主に在職者や離職者を対象としており、職業訓練給付金は失業者を対象にしています。両者を混同しないように注意してください。

教育訓練給付金とは資格などを取得するために受講した講座費用の一部が支給される制度

教育訓練給付金とは、資格などを取得するために受講した講座費用の一部が支給される制度のこと。働く人のスキルアップを支援するために設けられた制度で、在職中の人や離職して1年以内の人が利用できます。

一定条件を満たしている人が厚生労働大臣の指定した教育訓練講座を修了すると、講座費用の一部が返還される仕組みです。

種類は【一般・特定一般・専門実践】の3種類

教育訓練給付金には以下の3種類の制度があり、対象講座や給付額が異なります

教育訓練給付金の種類
  • 一般教育訓練給付金
  • 特定一般教育訓練給付金
  • 専門実践教育訓練給付金

それぞれの詳細は後ほど解説します。

雇用保険の加入歴があり一定の条件を満たす人が対象

教育訓練給付金を利用できるのは一定の条件を満たしている人です。以下に簡単なフローチャートを用意しているので、自分が対象かどうか確認してみましょう。

以下に該当する場合は受給可能  ①在職中で雇用保険に加入している→今までに教育訓練給付金を受給したことがない→雇用保険の加入期間が1年以上(専門実践は2年以上)ある→受給可能  ②在職中で雇用保険に加入している→今までに教育訓練給付金を受給したことがある→以下の両方に該当する(前回の受講開始日以降に雇用保険の加入期間が3年以上ある・前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過している)→受給可能  ③離職してから1年以内である→今までに教育訓練給付金を受給したことがない→雇用保険の加入期間が1年以上(専門実践は2年以上)ある→受給可能  ④離職してから1年以内である→今までに教育訓練給付金を受給したことがある→以下の両方に該当する(前回の受講開始日以降に雇用保険の加入期間が3年以上ある・前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過している)→受給可能

雇用形態は関係ないため、条件を満たしていればアルバイトやパートの人も対象です。

社会保険とは?種類や対象者は?アルバイト・パートの加入要件も!

支給されるタイミングは講座修了後

教育訓練給付金が支給されるタイミングは、受講していた講座が修了した後です。

受講の流れのイメージ ①受給資格の確認②受講開始〜修了(費用は自己負担)③給付金支給申請④給付金の支給

つまり、講座を申し込む段階では給付金を受け取れないため、一旦は建て替えが必要となります。毎月給付金が振り込まれる訳ではないため、注意しましょう。

専門実践教育訓練給付金の場合は6ヶ月ごとに支給されるため、講座を修了する見込みがあることが条件になります。

なお、教育訓練給付金を受け取るためには講座を修了する必要があります。資格や試験の合否は関係ありませんが、受講先から「教育訓練修了証明書」を受け取り、講座を修了しないと給付金は支給されないため、注意しましょう。

教育訓練給付金の対象となるのは教育訓練経費

教育訓練給付金の対象となるのは教育訓練経費です。

■教育訓練経費の対象になるもの・ならないもの

対象となるもの

対象にならないもの

入学料

受講料

キャリア
コンサルティング費用

資格や試験の受験料

教材費

交通費

受講に必要な機材

講座や資格取得にかかった費用すべてではないため、注意が必要です。

※1:厚生労働省|教育訓練給付制度
※2:厚生労働省|教育訓練給付制度
※3:厚生労働省|教育訓練給付金のご案内
※4:厚生労働省|教育訓練給付⾦の講座指定の対象となる主な資格・試験など
※5:政府広報オンライン|教育訓練給付金があなたのキャリアアップを支援します

一般教育訓練給付金とは?

講座を受講する人のイメージ

まずは、3種類あるうちの1つ「一般教育訓練給付金」の詳細を確認していきましょう。

一般教育訓練給付金は自身のスキルアップや早期の転職を目的としている

一般教育訓練給付金は、自身のスキルアップや早期の転職につなげるために設けられており、対象の講座は、基礎的な知識や技術を取得するための講座が多くなっています。

一般教育訓練給付金対象の主な講座
  • Microsoft Office Specialist
  • CAD利用技術者試験
  • TOEIC
  • ITパスポート
  • 簿記検定試験
  • インテリアコーディネーター
  • 医療事務技能審査試験
  • 大型自動車免許やフォークリフトなどの輸送・機械運転免許関係
  • 介護福祉士実務者養成研修
  • 介護職員初任者研修
  • Webクリエイター
  • 宅地建物取引士
  • 産業カウンセラー試験
  • 中小企業診断士試験
  • メンタルヘルス・マネジメント検定試験

修士・博士などの取得を目標とする大学・専門学校等の講座 など

上記の他にもたくさんの講座が対象になっており、以下のサイトから検索可能です。

「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」

支給額は教育訓練経費の20%

一般教育訓練給付金の支給額は教育訓練経費の20%です。ただし、上限は10万円までになります。


教育訓練経費が30万円の場合
30万円×20%=6万円

上記のケースの場合、6万円の一般教育訓練給付金が支給されます。

なお、給付額が4,000円以内の場合、一般教育訓練給付金は支給されません。

※6:厚生労働省|一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内

特定一般教育訓練給付金とは?

講座を受講する人のイメージ

次に、特定一般教育訓練給付金の詳細を確認していきましょう。

特定一般教育訓練給付金は早期の再就職やキャリア形成を目的としている

特定一般教育訓練給付金は、早期の再就職やキャリア形成を目的として設けられています。対象講座には、国家資格や資格が必須の業務のための講座が多いです。

特定一般教育訓練給付金の主な対象講座
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 司法書士
  • 弁理士
  • 宅地建物取引士
  • ファイナンシャルプランニング技能検定
  • 介護支援専門員実務研修
  • 介護職員初任者研修
  • 大型自動車免許やフォークリフトなどの輸送・機械運転免許関係
  • 建築士
  • 技術士
  • ITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座
  • 大学などの短時間の職業実践力育成プログラムやキャリア形成促進プログラムなど

上記の他にもたくさんの講座が対象になっており、以下のサイトから検索可能です。

「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」

支給額は教育訓練経費の40%|追加支給で最大50%

特定一般教育訓練給付金の支給額は教育訓練経費の40%です。一定の要件を満たした場合はさらに10%支給されるため、最大で教育訓練経費の50%が支給されます。

特定一般教育訓練を修了した人

特定一般教育訓練を修了した人には、上限を20万円までとした教育訓練経費の40%が支給されます。

給付額が4,000円以内の場合、一般教育訓練給付金は支給されません。


教育訓練経費が30万円の場合
30万円×40%=12万円

上記のケースの場合、12万円の特定一般教育訓練給付金が支給されます。

特定一般教育訓練を修了後に資格を取得して就職した人

以下の条件を満たした人が特定一般教育訓練を修了後に資格を取得して就職した場合は、教育訓練経費の10%が追加で支給されるため、合計で教育訓練経費の50%が支給されます。追加支給の上限は5万円です。

追加支給の条件
  • 受講開始日が2024年10月1日以降である
  • 受講講座の目標である資格を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に社会保険に加入できる雇用形態で雇用された
  • 会社に在職したまま、受講講座の目標である資格を取得した


教育訓練経費が30万円の場合
特定一般教育訓練給付金:30万円×40%=12万円
追加支給:30万円×10%=3万円
合計:12万円+3万円=15万円

上記のケースの場合、15万円の特定一般教育訓練給付金が支給されます。

受講前にキャリアコンサルティングを受ける必要がある

特定一般給付金を利用する場合は、講座を受講する前にキャリアコンサルティングを受ける必要があります。

キャリアコンサルティングの流れ
  1. 訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける
  2. 就業の目標・職業能力の開発向上に関する事項が記載されている「ジョブ・カード」を受け取る
  3. 受講開始の2週間前までに、ハローワークで申請をする

ハローワークのキャリアコンサルティングは無料で受けることが可能です。

※7:厚生労働省|特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内

専門実践教育訓練給付金とは?

講座を受講する人のイメージ

次に、専門実践教育訓練給付金の詳細を確認していきましょう。

専門実践教育訓練給付金は長期的なキャリアを築くことを目的としている

専門実践教育訓練給付金は、長期的なキャリアを築くことを目的として設けられています。対象講座には、独学では知識やスキルの取得が難しい専門的な内容が多いことが特徴です。

専門実践教育訓練給付金の主な講座
  • キャリアコンサルタント
  • 看護師
  • 助産師
  • 介護福祉士
  • 美容師
  • 保育士
  • 栄養士
  • 歯科衛生士
  • 社会福祉士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 調理師
  • 精神保健福祉士
  • はり師
  • 測量⼠補
  • 電気工事士
  • 航空運航整備士
  • ⾃動⾞整備⼠
  • 海技士
  • IoTやAIなどの第四次産業革命スキルを習得するための講座
  • 基本情報技術者試験などのITSSレベル2の情報通信技術関係資格の取得を目標とする講座
  • 専門職学位の取得、職業実践専門課程の取得、キャリア形成促進を行う大学・専門学校等の講座関係 など

上記の他にもたくさんの講座が対象になっており、以下のサイトから検索可能です。

「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」

支給額は教育訓練経費の50%|追加支給で最大80%

専門実践教育訓練給付金の支給額は教育訓練経費の50%です。一定の要件を満たした場合はさらに20%〜30%支給されるため、最大で教育訓練経費の80%が支給されます。

専門実践教育訓練を受講中もしくは修了した人

専門実践教育訓練を受講中、もしくは修了した人には、上限を40万円として教育訓練経費の50%が支給されます。


教育訓練経費が80万円の場合
80万円×50%=40万円

上記のケースの場合、40万円の専門実践教育訓練給付金が支給されます。

専門実践教育訓練給付金の対象講座は期間が長いため、6ヶ月ごとに給付金が支給され、給付期間は最大で3年です。一般・特定一般教育訓練給付金のように、講座修了後まで給付金が支給されないことはありません。

専門実践教育訓練を修了後に資格を取得して就職した人

以下の条件を満たした人が専門実践教育訓練を修了後に資格を取得して就職した場合は、教育訓練経費の20%が追加支給されます。

追加支給の条件
  • 受講講座の目標である資格を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に社会保険に加入できる雇用形態で雇用された
  • 会社に在職したまま、受講講座の目標である資格を取得した

年間の上限額は16万円。訓練期間が3年の場合は48万円が追加支給の限度額になります。


教育訓練経費が80万円の場合
専門実践教育訓練給付金:80万円×50%=40万円
追加支給:80万円×20%=16万円
合計:40万円+16万円=56万円

上記のケースの場合、56万円の専門実践教育訓練給付金が支給されます。

この追加支給が行われると、支給額は最大で教育訓練経費の70%になります。

【専門実践教育訓練を修了→資格取得→就職】して賃金が5%以上上がった人

1つめの追加支給の要件を満たした人の賃金が、受講開始前の賃金と比べて5%以上上がった場合は、さらに教育訓練経費の10%が支給されます。ただし、受講を開始した時期が2024年10月以降であることが条件です。

年間の上限額は8万円。訓練期間が3年の場合は24万円が追加支給の限度額になります。


教育訓練経費が80万円の場合
専門実践教育訓練給付金:80万円×50%=40万円
追加支給①:80万円×20%=16万円
追加支給②:80万円×10%=8万円
合計:40万円+16万円+8万円=64万円

上記のケースの場合、64万円の専門実践教育訓練給付金が支給されます。

この追加支給が行われると、支給額は最大で教育訓練経費の80%になります。

受講前にキャリアコンサルティングを受ける必要がある

特定一般給付金を利用する場合は、講座を受講する前にキャリアコンサルティングを受ける必要があります。

キャリアコンサルティングの流れ
  1. 訓練対応キャリアコンサルタントによる「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける
  2. 就業の目標・職業能力の開発向上に関する事項が記載されている「ジョブ・カード」を受け取る
  3. 受講開始の2週間前までに、ハローワークで申請をする

ハローワークのキャリアコンサルティングは無料で受けることが可能です。

※8:厚生労働省|特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内

一定の要件を満たすと支給される【教育訓練支援給付金】とは?

専門実践教育訓練給付金には、一定の要件を満たした人が失業状態の場合に支給される「教育訓練支援給付金」があります。

支給額は雇用保険の基本手当日額の60%

支給額は、一般的に「失業保険」と呼ばれる雇用保険の基本手当日額の60%。2025年3月31日までに受講修了している人の給付率は80%になります。

基本手当の日額は「離職直前の6ヶ月間に支払われた賃金の合計金額÷180」の50〜80%程度の金額です。

基本手当日額の計算方法など、失業保険についてはこちらの記事をご参考ください。

自己都合退職の失業保険はいつからもらえる?すぐもらう方法も!
失業保険のもらい方を徹底解説!自己都合と会社都合の違いや期間も

支給期間は基本手当支給期間を除いた講座修了までの期間

支給期間は講座が修了するまでになりますが、その期間の中で基本手当の支給中は、教育訓練支援給付金は支給されません

対象者は失業中で一定条件を満たす人

失業中で、以下の条件を満たす人です。

教育訓練支援給付金の対象者の条件
  1. 一般被保険者でなくなってから1年以内に専門実践教育訓練講座を受講する
  2. 専門実践教育訓練を修了する見込みがある
  3. 専門実践教育訓練講座の受講開始時に45歳未満である
  4. 受講する専門実践教育訓練が通信制や夜間制ではない
  5. 受給資格確認時の段階で離職しており、その後に短期雇用特例被保険者や日雇労働被保険者になっていない
  6. 会社役員ではない
  7. 地方自治体の長ではない
  8. 今回の専門実践教育訓練の受講開始日前に教育訓練支援給付金を受けたことがない
  9. 教育訓練給付金を受けたことがない
  10. 専門実践教育訓練の受講開始日が2027年3月31日以前である

支給されないケース

以下に該当する場合、教育訓練支援給付金は支給されないため注意しましょう。

支給されないケース
  • 欠席した日
  • 講座を辞めた場合
  • 講座を修了する見込みがなくなった場合

上記の他にも、2ヶ月間の講座の出席率が8割未満になった場合は、それ以降は一切教育訓練支援給付金は支給されません

また、原則として2ヶ月に1回は失業認定を受ける必要があります。

※9:厚生労働省|専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内

教育訓練給付金の申請方法とは?

教育訓練給付金は以下の流れで申請を行います。

申請方法の流れ

①一般教育訓練給付金の場合:受講講座を選ぶ→受給資格の確認をする→受講開始→受講修了→申請  ②特定一般教育訓練給付金の場合:受講講座を選ぶ→キャリアコンサルティングを受ける→受給資格の確認をする→受講開始→受講修了→申請①→資格取得・就職→申請②  ③専門実践教育訓練給付金の場合:受講講座を選ぶ→キャリアコンサルティングを受ける→受給資格の確認をする→受講開始→申請①→受講修了→申請②→資格取得・就職→申請③→賃金5%以上上昇→申請④

申請は、行政電子申請システム「e-Gov」での電子申請も可能です。

上記の中で、申請する際に注意が必要なポイントを確認しておきましょう

受給資格の確認のポイント

どの教育訓練給付金にも共通して必要な受講前の「受給資格の確認」を行う際には、ハローワークに以下の書類の提出が必要です。

必要書類
  • 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
  • ジョブ・カード
  • 顔写真付きの本人住所確認書類:マイナンバーカード・運転免許証・住民基本台帳カードなど
  • 個人番号確認書類:マイナンバーカード・通知カード
  • 身元(実在)確認書類:マイナンバーカード運転免許証など
  • 金融機関の通帳またはキャッシュカード

専門実践教育訓練給付金の場合は、上記の他に6ヶ月以内に撮影した顔写真2枚も必要です。

また、今までに特定一般教育訓練給付金や専門実践教育訓練給付金を受給したことがある場合は「専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告」の提出も必要になります。

申請①②のポイント

「申請②」のそれぞれの教育訓練給付金の受講修了後には、修了日の翌日から起算して1ヶ月以内に以下の書類をハローワークに提出する必要があります。

必要書類
  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 受給資格確認通知書(教育訓練給付金受給資格者証・教育訓練受給資格通知も可)
  • 教育訓練修了証明書
  • 教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る領収書
  • 教育訓練経費等確認書
  • 顔写真付きの本人住所確認書類:マイナンバーカード・運転免許証・住民基本台帳カードなど
  • 個人番号確認書類:マイナンバーカード・通知カード
  • 身元(実在)確認書類:マイナンバーカード運転免許証など
  • 教育訓練給付受給時報告(追加支給を同じタイミングで行う場合は不要)
  • 返還金明細書(領収書の発行後に教育訓練経費の一部が指定教育訓練実施者から本人に対して返還される場合のみ)

なお、専門実践教育訓練給付金の「申請①」では、「受講開始日から6ヶ月ごとの期間の末日」の翌日から起算して1ヶ月以内に、上記の書類を提出する必要があります。

申請③のポイント(専門実践教育訓練給付金)

専門実践教育訓練給付金の「申請③」では、就職した日の翌日から起算して1ヶ月以内に、ハローワークに以下の書類を提出する必要があります。

なお、資格取得より就職した日が早い場合や、在職したまま資格取得した場合は、資格取得日の翌日から起算して1ヶ月以内にハローワークに以下の書類を提出します。

必要書類
  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 教育訓練給付金受給資格者証もしくは教育訓練受給資格通知
  • 資格取得等したことを証明する書類:合格証・学位証明書など
  • 教育訓練実施者が発行する教育訓練経費に係る領収書(全支給単位期間分)
  • 教育訓練経費等確認書
  • マイナンバーカード
  • 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
  • 返還金明細書(領収書の発行後に教育訓練経費の一部が指定教育訓練実施者から本人に対して返還される場合のみ)

申請④のポイント(専門実践教育訓練給付金)

専門実践教育訓練給付金の「申請④」では、「就職した日の翌日から6ヶ月を経過した日」から起算して6ヶ月以内に、ハローワークに以下の書類を提出する必要があります。

必要書類
  • 教育訓練給付金支給申請書
  • 教育訓練給付金受給資格者証もしくは教育訓練受給資格通知
  • 受講開始前及び訓練修了後(雇用された後または資格取得後)6ヶ月の賃金を確認するための書類
  • マイナンバーカード
  • 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告
  • 返還金明細書(領収書の発行後に教育訓練経費の一部が指定教育訓練実施者から本人に対して返還される場合のみ)

なお、資格取得より就職した日が早い場合や、在職したまま資格取得した場合は、「資格取得日の翌日から6ヶ月を経過した日」から起算して6ヶ月以内に、ハローワークに以下の書類を提出します。

教育訓練給付金に関するQ&A

教育訓練給付金に関するQ&A

最後に、教育訓練給付金に関するQ&Aをご紹介します。

教育訓練給付金は2回以上もらえる?

はい。2回以上利用することは可能ですが、前回の支給日から今回の受講開始日までに3年以上経過している必要があります。

公務員も教育訓練給付金を利用できる?

いいえ。雇用保険に加入できない公務員は、教育訓練給付金を利用できません

失業保険と教育訓練給付金は同時にもらえる?

はい。失業保険と教育訓練給付金は同時にもらえます。なお、2025年4月以降に教育訓練を受ける場合、自己都合退職をした場合の「2ヶ月の給付制限」は解除されるため、7日間の待機期間後から失業保険を受け取れるようになります。

ただし、教育訓練支援給付金の支給開始日は、失業保険の受給終了後からになります。

※10:厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、 給付制限が解除されます

まとめ・教育訓練給付金は在職中の人や離職して1年以内の人が利用できる

教育訓練給付金とは、資格などを取得するために受講した講座費用の一部が支給される制度のこと。雇用保険の加入歴が一定期間あり、その他の条件を満たしている人が厚生労働大臣の指定した教育訓練講座を修了すると、講座費用の一部が返還されます。

教育訓練給付金には「一般教育訓練給付金・特定一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金」の3種類があり、対象講座や給付額が異なります。

在職中の人や離職して1年以内の人が利用できる教育訓練給付金制度を有効活用し、キャリアアップや早期の転職を目指しましょう。

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参考資料

厚生労働省|教育訓練給付制度
厚生労働省|教育訓練給付制度
厚生労働省|教育訓練給付金のご案内
厚生労働省|教育訓練給付⾦の講座指定の対象となる主な資格・試験など
政府広報オンライン|教育訓練給付金があなたのキャリアアップを支援します
厚生労働省|一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内
厚生労働省|特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内
厚生労働省|特定一般教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内
厚生労働省|専門実践教育訓練の「教育訓練給付金」のご案内
厚生労働省|令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、 給付制限が解除されます

この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

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