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ホワイトカラーとは?ブルーカラーとの違いやエグゼンプションを解説!

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

働く

ホワイトカラーとはどんな仕事?
ブルーカラーとの違いも!

「ホワイトカラー」という言葉を聞いたことはありますか?ホワイトカラーとは、知識や専門性を活かした頭脳労働に従事する人を表す言葉のこと。働き方を表す言葉には、ホワイトカラーの他にブルーカラーもあります。 この記事では、ホワイトカラーと呼ばれる職種や特徴、ブルーカラーとの違いやホワイトカラーが抱える問題点、ホワイトカラーエグゼンプションの内容などをご紹介します。

目次

ホワイトカラーとは?

ホワイトカラーとは?

まずは、ホワイトカラーの意味や特徴、ホワイトカラーと呼ばれる職種や業種について確認してみましょう。

ホワイトカラーとは知識や専門性を活かした頭脳労働に従事する人を表す言葉

ホワイトカラーとは、知識や専門性を活かした頭脳労働に従事する人を表す言葉のことです。

ホワイトカラーを直訳すると「白い襟」。白い襟付きのシャツを着て仕事をするような人をイメージするとわかりやすいでしょう。

ホワイトカラーと呼ばれる職種・業種

ホワイトカラーと呼ばれる職種や業種は以下の通りです。

ホワイトカラーと呼ばれる職種や業種
  • 事務職全般(営業・経理・人事・総務など)
  • 営業
  • 広報
  • 企画・マーケティング
  • エンジニア
  • プログラマー
  • 編集者
  • ライター
  • 教員
  • 講師
  • 研究員
  • 医師
  • 薬剤師
  • 弁護士
  • 会計士
  • 税理士
  • 社会保険労務士
  • 通訳
  • コンサルタント
  • 販売 など

上記のような、直接生産に関する工程に関わらない業務をホワイトカラーと呼ぶことが一般的です。

ホワイトカラーの特徴

では、ホワイトカラーと呼ばれる職種にはどのような特徴があるのでしょうか?ここでは、ホワイトカラーの特徴をご紹介します。

頭脳労働である

1つ目は、頭脳労働であることです。

例えば一般事務の場合、誰にでもわかりやすい書類を作るための思考力が必要です。経理事務では財務に関する専門的知識、販売では商品を売るための分析力、企画やマーケティング職では調査能力や発想力が必要になります。

また、エンジニアやプログラマーはITに関する専門知識、医師・弁護士・会計士などの「士業」はそれぞれの分野の専門知識が必要になります。

ホワイトカラーは知識や専門性を活かした職種が多いため、必然的に頭脳労働になるのです。

精神労働であることが多い

2つ目は、精神労働であることが多いことです。

例えば、営業職の人がクライアントと接する際には、相手の希望や考えを汲み取り可能な限り要求に答えたり、時には理不尽な苦情に耐えたりする必要があります。

また、長時間同じ場所で過ごすことの多い事務職全般では、上司や同僚に常に気を使う事が多いでしょう。

ホワイトカラーの職種は感情のコントロールが必要な場面が多いため、精神労働が多くなります

デスクワークや人と接する仕事が多い

3つ目は、デスクワークや人と接する仕事が多いことです。

ホワイトカラーの職種は、体を動かす仕事ではなくデスクワークが中心です。また、販売や営業のように人と接する仕事が多いのも特徴です。

職場の人と連携して仕事をすることも多く、社外・社内も含めて人と接する機会が多くなります

精神的な労働災害のリスクは高いが身体的な労働災害のリスクは低い

4つ目は、精神的な労働災害のリスクは高いが、身体的な労働災害のリスクは低いことです。

ここまでにお伝えした通り、ホワイトカラーの職種は室内のデスクワークが中心のため、業務上の怪我などの身体的な労働災害のリスクは低くなります。

一方で、精神的な労働災害のリスクは高くなります。相手の顔色をうかがったり、職場の空気を読んで気を使わなければならなかったりするケースが多いため、精神的負担が大きくなることが多いためです。

ブルーカラーとは?

ブルーカラーとは?

では、ホワイトカラーの対義語として使われる、ブルーカラーとはどのような職種なのでしょうか?

ブルーカラーとは生産に関する工程や現場作業に従事する人を表す言葉

ブルーカラーとは、生産に関する工程や現場作業に従事する人を表す言葉のことです。

ブルーカラーを直訳すると「青い襟」。青い襟とは作業服を意味します。作業服を着て、製造業や建設業などの現場で働く人をイメージするとわかりやすいでしょう。

ブルーカラーと呼ばれる職種・業種

ブルーカラーと呼ばれる職種や業種は以下の通りです。

■ブルーカラーと呼ばれる職種や業種

業種

主な職種

建設業

製造業

鉱業

  • 建設作業員
  • 土木作業員
  • 塗装工
  • 掘削作業員
  • 溶接や製造などの直接製造に関わる業務

農林水産業

  • 農家
  • 漁師

運送業

  • トラック運転手
  • 配達員

その他

  • 整備士
  • 清掃員
  • メンテナンス作業員
  • 警備員

上記のような、直接生産に関する工程に関わる業務や現場で作業する職種をブルーカラーと呼ぶことが一般的です。

なお、ブルーカラーと呼ばれる業種でも、担当している職種が事務職や営業職の場合はホワイトカラーに分類されます。

ブルーカラーの特徴

では、ブルーカラーと呼ばれる職種にはどのような特徴があるのでしょうか?

肉体労働が多い

1つ目は、肉体労働が多いことです。

ブルーカラーは生産工程に関わったり現場で作業する職種が多いため、体を使う肉体労働が基本になります。

屋外や現場での作業が多い

2つ目は、屋外や現場での作業が多いことです。

ホワイトカラーは室内でのデスクワークが中心ですが、ブルーカラーは屋外や現場で作業することが中心です。季節や天候に左右されることも多々あります。

転職しやすい

3つ目は、転職しやすいことです。

ブルーカラーと呼ばれる職種は常に人手が足りないことの多い業界が多いため、比較的転職しやすいといわれています。

特に業務に関する資格を取得している場合、転職に困ることは少ないでしょう。

身体的な労働災害のリスクは高いが精神的な労働災害のリスクは低い

4つ目は、身体的な労働災害のリスクは高いけれど、精神的な労働災害のリスクは低いことです。

ブルーカラーの職種は機械を使って作業することが多いため、デスクワークの多いホワイトカラーより身体的な労働災害のリスクは高くなります。屋外での作業も多いため、天候によっては熱中症などのリスクも高まります。

一方で、精神的な労働災害のリスクは低めです。職場の人と協力して作業するケースも多いですが、基本的には自分の作業をこなすことに集中している人が多いため、ホワイトカラーの職種より精神的ストレスを抱える可能性は低いでしょう。

ホワイトカラーとブルーカラーの違いとは?

ホワイトカラーとブルーカラーの違いとは?

ここまでの内容を踏まえて、ホワイトカラーとブルーカラーの違いを確認してみましょう。

ホワイトカラーとブルーカラーの違い

ホワイトカラー

ブルーカラー

働く場所

オフィス(屋内)

生産・製造工場

屋外の現場

仕事内容

頭脳労働が中心

肉体労働が中心

必要なスキル

パソコンスキル

業種に関する専門知識・技術

コミュニケーション能力 

業務に関する資格

注意力

体力

転職の難易度

上がりやすい

上がりにくい

では、収入に関してはどのような違いがあるのでしょうか?

ホワイトカラーとブルーカラー|給与はどっちが高い?

ホワイトカラーとブルーカラー|給与はどっちが高い?

転職や就職する際に気になる給与。ホワイトカラーとブルーカラーで収入面にはどのような違いがあるのでしょうか?

ここでは、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考にホワイトカラーとブルーカラーの収入面をご紹介します。

初任給に大きな違いはない

初任給に関しては、ホワイトカラーとブルーカラーで大きな違いはありません

以下は、業種別・年齢別の年収を表したものです。なお、ホワイトカラーとブルーカラーの分類は、独自に業種別に分類したもののため、明確に定義されたものではないことをご了承ください。

業種別の初任給の違い

業種

〜19歳

20〜24歳

ホワイト
カラー

情報通信業

198,500

243,100

卸売業・小売業

202,500

232,800

金融業・保険業

169,700

229,700

不動産業
物品賃貸業

182,100

232,500

学術研究
専門技術サービス業

190,900

233,600

宿泊業
飲食サービス業

181,400

206,500

生活関連サービス業
娯楽業

188,700

215,700

教育・学習支援業

178,700

224,000

医療・福祉

190,400

232,500

複合サービス事業

177,500

202,600

サービス業
他に分類されない

198,100

221,300

ブルー
カラー

鉱業・採石業
砂利採取業

203,600

243,900

建設業

199,000

233,500

製造業

185,100

207,800

電気・ガス
熱供給・水道業

189,600

225,300

運輸業・郵便業

198,500

225,000

※1:厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査を基に作成

高卒で就職した19歳以下の人の初任給では、ホワイトカラーの「卸売業・小売業」が202,500円、ブルーカラーの「鉱業・採石業・砂利採取業」が243,900円「運輸業・郵便業」の198,500円が上位に入ります。

その他の業種は20万円未満が多く、ホワイトカラーとブルーカラーで大きな差はないことがわかります。

また、大卒が含まれる20〜24歳の初任給でも、ホワイトカラーの「情報通信業」「卸売業・小売業」「不動産業・物品賃貸業」「医療・福祉」、ブルーカラーの「鉱業・採石業・砂利採取業」「建設業」が23〜24万円と上位に入り、その他の職種も両者に大きな違いはありません。

なお、このデータにはアルバイトやパートなどの正社員以外の人も含まれています。

正社員の平均給与はホワイトカラーの方が高い業種が多い

次に、正社員の平均給与を比較してみましょう。

業種別の正社員の給与の違い

業種

平均給与

ホワイト
カラー

情報通信業

388,200

卸売業・小売業

343,000

金融業・保険業

403,100

不動産業
物品賃貸業

359,200

学術研究
専門技術サービス業

403,800

宿泊業
飲食サービス業

284,100

生活関連サービス業
娯楽業

306,900

教育・学習支援業

393,200

医療・福祉

307,700

複合サービス事業

333,000

サービス業
他に分類されない

314,600

ブルー
カラー

鉱業・採石業
砂利採取業

369,600

建設業

353,700

製造業

324,700

電気・ガス
熱供給・水道業

421,300

運輸業・郵便業

304,500

給与が40万円前後と高めなのは、「情報通信業」「金融業・保険業」「学術研究・専門技術サービス業」「教育・学習支援業」と、ホワイトカラーに多めです。

しかし、ブルーカラーの「電気・ガス・熱供給・水道業」の給与は421,300円と高く、ブルーカラーでも専門的な知識やスキルが高い業種は年収が高いことがわかります。

ホワイトカラーの問題点

ホワイトカラーの問題点

ホワイトカラーにはいくつかの問題点があるといわれています。ホワイトカラーの職種に興味のある人は、問題点を把握したうえで就職や転職を検討しましょう。

ここでは、ホワイトカラーの問題点を解説します。

仕事にストレスを感じる人が多い

1つ目の問題点は、仕事にストレスを感じる人が多いことです。

ホワイトカラーの人がストレスを感じやすい主な理由
  • 業務量や責任の重さに偏りがある
  • 室内での業務が大半のため、他者との距離が近く気持ちが閉鎖的になりがち
  • 精神労働が多いため常に人に気をつかわなければならない など

ホワイトカラーの職種は上記の理由が慢性的に続くことが多いため、ストレスを抱える人が多い傾向にあります。

近年はカスタマーハラスメントも社会問題になっており、東京都では解決策として2025年4月から「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」を施行する予定です。

過重労働が起こりやすい

2つ目の問題点は、過重労働が起こりやすいことです。

ホワイトカラーの職種はパソコンがあればいつでもできることが多いため、自然と残業や持ち帰り残業、休日出勤が増えてしまいがち。その結果、過重労働を引き起こすケースが増えています。

過重労働が起こることで、従業員にも会社にも悪い影響が起こるとされています。

過重労働によるリスク
  • 従業員の身体的・精神的な疾患のリスクが上がる
  • 業務の生産性が下がる
  • 社会的な信用が下がる

過重労働とは慢性的な長時間労働が続き、従業員の心身に強い負担がかかっている状態のこと。厚生労働省では、過重労働による過労死を防ぐ対策を打ち出しています。

過労死とは
  • 業務による過重な負荷による脳・心臓疾患や、業務による強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡や疾患のこと

過重労働は従業員の健康だけでなく、会社の信用も損ねてしまうリスクのある大きな問題とされています。

※:厚生労働省|過労死等防止に関する特設サイト
※:厚生労働省|STOP過労死

ホワイトカラーエグゼンプションとは?

ホワイトカラーエグゼンプションとは?

「ホワイトカラーエグゼンプション」という言葉を聞いたことはありますか?

ホワイトカラーエグゼンプションとは、賃金を時間ではなく成果で評価する制度のこと。「高度プロフェッショナル制度」として、働き方改革の一環に含まれています。

ホワイトカラーエグゼンプションを導入した場合、一定の成果を挙げれば、働いた時間は関係ありません。通常4時間かかる作業を1時間で完了しても、決められた賃金を受け取れるのです。

そのため、労働時間の短縮や業務量の偏りも改善できると期待されています。

ただし、すべての職種が対象になる訳ではなく、以下の職種に限定されています。

ホワイトカラーエグゼンプションの対象になる職種
  • 金融商品の開発
  • 金融商品のディーラー
  • アナリスト業務(企業や市場の分析業務)
  • コンサルタント
  • 研究開発業務

さらに、年収要件として「1,075万円以上」を満たす人に限定されています。

ホワイトカラーエグゼンプションは成果を挙げることで賃金が発生するため、ホワイトカラーの問題点である過重労働や業務の均等化の改善が期待されています。

一方で、短時間で成果が出しづらい研究開発なども対象に含まれているため、成果を出すために働き続けた結果、長時間労働を引き起こしてしまうのではないかという懸念点もあります。

※:厚生労働省|高度プロフェッショナル制度について

ホワイトカラー以外の職種や業種を表す言葉

ホワイトカラー以外の職種や業種を表す言葉

職種や業種を表す言葉として代表的なものがホワイトカラーやブルーカラーですが、実は他にも「〇〇カラー」が存在します。

ホワイトカラー以外の職種や業種を表す言葉

名称

主な職種・業種

特徴

グレーカラー

  • システムエンジニア
  • カスタマーエンジニア
  • プログラマー
  • 工場の生産管理者
  • 専門的な知識と
    スキルをもつ技術職
  • ホワイトカラーと
    ブルーカラーの両方の
    特徴が含まれている

ゴールドカラー

  • コンサルタント
  • 研究職
  • 技術開発職
  • 高度な専門知識や
    スキルを活かして
    自ら仕事をする
  • 企業と雇用契約を
    結んでいても所属
    している訳ではない

メタルカラー

  • 半導体|自動車|医療|
    宇宙分野などの研究
    開発・製造職
  • 高度な技術が必要な
    作業を行える
  • AIなどの最先端技術に
    関わる業務

グリーンカラー

  • 地熱|風力|太陽光発電に
    関わる開発・製造職
  • 林業

自然環境の保全や
保護に関わる業務

シルバーカラー

介護職

高齢者福祉に関わる
業務

ピンクカラー

  • 秘書
  • 看護師
  • 保育士
  • ハウスキーパー

女性が従事することの
多い業務

これらは明確な定義がある訳ではありませんが、転職や就職の際に耳にすることもあるかもしれないため、参考程度に把握しておきましょう。

まとめ・ホワイトカラーの問題点を把握したうえで就職転職の検討を

ホワイトカラーとは、知識や専門性を活かした頭脳労働に従事する人を表す言葉のこと。直接生産に関する工程に関わらない業務が多く、主に屋内でのデスクワークがメインです。

ホワイトカラーと呼ばれる職種は頭脳労働や精神労働が多く、自然と体を動かす機会も減ってしまいがち。その結果、ストレスを抱えてしまう人が多く、ホワイトカラーの過重労働は社会問題とされています。

転職や就職などでホワイトカラーの職種を希望している人は、メリットだけでなく問題点も把握したうえで、検討することが大切です。

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参考資料

厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査
厚生労働省|過労死等防止に関する特設サイト
厚生労働省|STOP過労死
厚生労働省|高度プロフェッショナル制度について

この記事の監修者

松澤裕介 【キャリアアドバイザー】

キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。

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