内定承諾書の送り方|添え状や封筒の書き方!辞退する場合の方法も
内定承諾書の送り方|添え状や封筒の書き方! 辞退する場合はどうすればいい?
内定承諾書とは、内定を得た求職者が企業に対して内定承諾の意思を伝えるための書類です。この記事では、ビジネス上の内定承諾書の送り方や添え状や封筒の書き方、辞退の方法などを解説します。
- 目次
- 内定承諾書とは内定を得た求職者が企業に対して内定承諾の意思を伝えるための書類
- 内定承諾書が届いたらどうすればいい?
- 書類を確認する
- 提出期限を確認する
- 内定を承諾するか否か確認する
- 内定を辞退する場合は早めに連絡する
- 承諾する場合は内定承諾書に署名する
- 添え状と封筒を準備する
- 郵送する
- 添え状の書き方|テンプレート
- 封筒の書き方|テンプレート
- 返信用封筒が同封されていた場合は宛名を訂正してそのまま使う
- 返信用封筒が同封されていない場合は白い角形2号の封筒がおすすめ
- 提出期限の延長はできる?
- 内定承諾書の提出後に辞退したい場合はどうすればいい?
- 内定承諾書に法的効力はある?
- まとめ・内定承諾書が届いたらよく考えてから期限内に提出を
内定承諾書とは内定を得た求職者が企業に対して内定承諾の意思を伝えるための書類
内定承諾書とは、内定を得た求職者が企業に対して内定承諾の意思を伝えるための書類です。求職者は内定承諾書に署名して返送することにより、「特別な事情が発生しない限り御社に入社します」という意識を伝えることになります。
求職者にとっては採用されることが確定されるため安心感を得られるメリットが、企業にとっては求職者からの入社辞退を減らせることで採用者を確約できるメリットがあります。
一般的には内定を知らせる「内定通知書」に同封して送られることが多いですが、内定式の際に提出する企業もあるようです。
内定承諾書が届いたらどうすればいい?
「数段階の選考を経て内定承諾書が届き、一安心!」しかし、内定承諾書が届いてからもできるだけ早急に適切な対応をする必要があります。
ここでは、内定承諾書が届いてからの対応を解説します。
書類を確認する
まずは書類の確認をします。内定承諾書は内定通知書や労働条件通知書などと同封で届くことが一般的です。
内定承諾書には「内定を承諾します」という同意確認の他、内定が取り消しになる場合の条件に対して「異議申し立てをしません」という内容への同意確認が書かれていることが一般的です。
労働条件通知書は、企業が労働者に対して詳しい労働条件を通知するための書類。主に以下の内容が記載されています。
労働条件通知書に記載されている内容
- 労働時間
- 始業開始時刻・終業時刻
- 休憩時間
- 就業場所
- 賃金
- 業務内容 など
募集要項に掲載されていた内容や面接などで伝えられた内容に間違いがないか、しっかり確認してから内定を承諾するか否か検討しましょう。
提出期限を確認する
次に、提出期限を確認します。
内定承諾書の提出期限は企業によって異なりますが、書類が届いてから1週間前後であることが一般的です。期限内に提出しないと内定が取り消しになる可能性もあるため、提出期限は必ず確認してください。
選考を受けている他の企業からの返事を待ってから返事をしたい場合など、期限の延長をしたい場合の方法については後ほど詳しく解説します。
内定を承諾するか否か確認する
書類と期限の確認をしたら、内定を承諾するか否か検討しましょう。
内定を承諾する意思が決まっている場合は、できるだけ早く内定承諾書を提出してください。早い返信は入社意欲が伝わる上、企業側も入社準備をスムーズに進められるメリットがあります。
内定を辞退する場合は早めに連絡する
内定を辞退する場合はは、できるだけ早く企業へ連絡をいれましょう。
企業は内定通知をだした時点で候補者が自社に入社してくれることを期待しています。あなたに内定通知をだしたことで、他の有力候補者の選考を止めているかもしれません。
辞退の連絡は気が引けるかもしれませんが、相手は採用のプロ。辞退したことで気を悪くすることはありません。むしろ、辞退の場合は早く連絡した方が迷惑をかけずに済みます。
辞退の連絡をいれる際は可能な限り電話で行いましょう。企業側の都合によりメールで連絡する場合でも、選考に多くの時間を費やしてくれた企業へ誠意をもった対応を心がけてください。
■内定を辞退する場合の例文
株式会社○○
人事部採用担当○○様
お世話になっております。
○○です。
先日は、内定の通知をいただきありがとうございました。
ありがたいお話をいただいた中、誠に恐縮ですが、他の企業の内定を受けることを決意したため、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
○○様をはじめ、選考を担当していただいたみなさまには貴重なお時間を割いていただき大変感謝しております。
また、本来であれば直接ご連絡すべきところ、メールでのご連絡になってしまい、申し訳ございません。
末筆ながら、貴社の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。
内定辞退に関しては以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。
内定辞退の電話・メール例文!いつまでにすればいい?承諾後の辞退も可能?
承諾する場合は内定承諾書に署名する
内定を承諾する場合は、内定承諾書に必要事項を記入し、提出期限内に郵送しましょう。
保証人をたてる必要がある場合は、配偶者や両親などの内定者の身元を保証してくれる人に依頼するのが一般的です。
添え状と封筒を準備する
書類の準備が整ったら、添え状と封筒を準備しましょう。
添え状とは、書類を送る際の表紙のような役目を果たすもの。ビジネス上では、必要書類を送付する際には添え状をつけることが一般的です。
添え状と封筒の書き方は後ほど詳しく解説します。
郵送する
書類を封筒に入れたら提出期限内に届くように郵送します。
普通郵便でも問題ありませんが、配達記録が残る「簡易書留」や「一般書留」で送るとより丁寧な対応になります。
送った後にメールをするとより丁寧な印象に
内定承諾書を送った後に確認のメールを入れると、より丁寧な印象につながります。
万一配送トラブルが起こり書類が届かなかった場合でも、入社の意思は伝わるという安全策にもつながるため、可能な状況であれば確認のメールを入れることをおすすめします。
返信しないと内定を辞退したとみなされる
内定承諾書を提出期限までに提出しなかった場合は、企業から意思確認の連絡が入ることが一般的です。確認後も提出しない場合は、内定を辞退したものとみなされ内定取消になります。
添え状の書き方|テンプレート
書類を郵送する際には、添え状を添付するのがビジネスマナーです。ここでは、内定承諾書を提出する際に添付する添え状の書き方をご紹介します。
添え状の書き方
- 提出日を記入する
- 企業名・部署名・担当者名を記入する
- 自分の名前と連絡先を記入する
- タイトル「内定承諾書送付の件」を記入する
- 挨拶を記入する
- 本文を記入する
- 「記」と同封書類を記入する
- 最後に「以上」を記入する
文末に「入社後は御社の一員として精進していく所存です」など、入社への意欲を伝えるのもおすすめです。
封筒の書き方|テンプレート
郵送する際の封筒にもビジネスマナーは必要です。ここでは、内定承諾書を返信する際の封筒の書き方をご紹介します。
返信用封筒が同封されていた場合は宛名を訂正してそのまま使う
内定承諾書に返信用封筒が同封されていた場合は、その封筒を使って問題ありません。ただし、宛名は以下のように訂正して使いましょう。
訂正箇所
- 会社名+「行」と記載されている場合:「行」に二重線を引き「御中」を記入
- 担当者名+「行」と記載されている場合:「行」に二重線を引き「様」を記入
くれぐれも「行」のまま使用しないように気をつけてください。裏面には自分の住所と名前を記入します。
返信用封筒が同封されていない場合は白い角形2号の封筒がおすすめ
内定承諾書に返信用封筒が同封されていない場合は、自分で封筒を用意しましょう。封筒の大きさは内定承諾書を折らずに入れられる「角形2号」、色は「白」がおすすめです。
封筒の書き方
- 縦書き
- 住所は省略しない
- 数字は漢数字を使用する
- 「内定承諾書在中」と赤文字で記入する
- 裏面に自分の住所と名前を記入する
封をしたら「〆」と記入し、切手を貼って完成です。
提出期限の延長はできる?
複数の企業へ応募している場合、第一希望の会社からの返事を待ってから内定を承諾するか否か決めたい場合もあるでしょう。
内定承諾書の提出期限は書類が到着してから1週間程度のことが多いですが、その間に第一希望の会社からの返事がわかる状況でない場合は、企業へ提出期限の延長を依頼しましょう。
延長依頼をする場合は、「後悔しない決断をしたいので、他の企業からの選考結果をいただいてからお返事をしたいと考えております。提出期限を〇月〇日まで延長していただくことは可能でしょうか?」と、延長してもらいたい理由を正直に伝えてください。
内定承諾書の提出後に辞退したい場合はどうすればいい?
「内定承諾書を提出したけれど、やはり辞退したい…」という場合、辞退の意思が固まった時点ですぐに連絡をいれましょう。
求職者から内定承諾書が届いた時点で、企業は新入社員を迎えるためにさまざまな準備を始めます。入社予定者が内定を辞退した場合、欠けてしまった枠を埋めるために、再度選考をしないとならない場合もあるでしょう。
このように内定承諾後の辞退は企業に大きな迷惑をかけることになるため、連絡はメールだけで簡単に済まさず、電話で行うようにしてください。
辞退の理由は必ず伝えなくてはならない訳ではありません。ただし、企業から理由を聞かれた場合は正直に伝えましょう。
■内定辞退の例文
①御社から内定をいただいたのと同じ時期に他社からも内定を頂戴し、労働条件や業務内容を熟考した結果、誠に勝手ながら御社の内定は辞退させていただく決断に至りました。
②御社から内定をいただいた後に、他社から希望していた職種での内定をいただきました。御社での業務にも魅力を感じていたため最後まで悩みましたが、やはり以前より希望していた〇〇職を諦めきれず、御社の内定を辞退させていただく決断に至りました。
最後には「貴重なお時間を使っていただいたにも関わらず、このような結果となりましたことをお詫び申し上げます」など、謝罪の気持ちをしっかり伝えてください。
また、連絡を入れる時間は、始業開始直後などの忙しい時間帯は極力避けましょう。担当者が不在の場合は、何時頃に戻るか聞いた上でかけ直すことを伝え、電話にでた相手に伝言することは避けてください。
内定承諾書に法的効力はある?
内定承諾書を提出するということは「私は御社に入社します」という約束をするようなもの。企業からも「あなたを採用します」という約束をされたことになります。
では、両者の約束に法的効力は発生するのでしょうか?
内定承諾書の提出をすることで労働契約は成立します。しかし、同時に、労働者には民放上の労働契約を解除する権利も発生します。そのため、内定承諾書の提出をすることで法的効力は生じません。
ただし、企業から研修や備品の準備などの新入社員の受け入れに関する費用や、他の候補者を断った機会損失などに対して、損害賠償をされる可能性はゼロではありません。
それらのリスクを避けるためにも、基本的には内定承諾後の辞退は避けるべきであることは忘れないようにしましょう。
まとめ・内定承諾書が届いたらよく考えてから期限内に提出を
内定承諾書とは、内定を得た求職者が企業に対して内定承諾の意思を伝えるための書類です。
求職者にとっては採用されることが確定されるため安心感を得られるメリットが、企業にとっては求職者からの入社辞退を減らせることで採用者を確約できるメリットがあります。
転職は自分の人生が変わるタイミングでもあります。内定承諾書が届いたからといってすぐに返信するのではなく、よく考えた上で提出しましょう。
提出する際は添え状や封筒にも気をつかい、社会人として恥ずかしくないビジネス対応を心がけてください。
この記事の監修者
松澤裕介 【キャリアアドバイザー】
キャリアアドバイザーとして、転職相談3,000名以上、紹介企業数10,000社以上に対応。年間1,000名以上の履歴書、職務経歴書を作成。主に医療・介護業界の人材紹介を担当。「シニア人材の転職市場・転職の注意点」などのテーマで記事やコラムを監修。