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自己都合退職の失業保険はいつからもらえる?すぐもらう方法も!

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

お金

自己都合退職の失業保険!
いつから?いくらもらえる?すぐにもらう方法は?

失業中の経済的負担をサポートしてくれる失業保険。収入のない生活に不安を抱く人は多いため、失業保険がいつから受け取れるのか気になる人は多いでしょう。 この記事では、自己都合退職した場合の失業保険の金額や期間、条件を解説します。

目次

自己都合退職でももらえる!失業保険とは?

失業保険とは?

まずは、失業保険がどのような手当なのかを確認しておきましょう。

失業保険とは雇用保険の基本手当のこと

失業保険とは、失業状態の人が安定した生活を送りながら就職活動が進められるように、雇用保険から給付されるお金のこと正式名称は「雇用保険の基本手当」ですが、通称として「失業保険」と呼ばれることが多いです。

この記事の中でも「失業保険」として解説していきます。

失業保険は退職理由により給付が開始される時期や期間が異なります。では、自己都合に該当する退職理由にはどのようなことがあるのでしょうか?

自己都合に該当する退職理由は【転職や会社への不満】など

自己都合に該当する退職理由は、会社都合ややむを得ない理由以外の理由です。

自己都合退職に該当する退職理由
  • 会社への不満
  • 他社への転職
  • しばらく仕事をしないで休みたい など
自己都合退職に該当する退職理由  会社への不満  他社への転職  しばらく仕事をしないで休みたい など

ただし、自己都合に該当する場合でもやむを得ない理由がある場合は、会社都合退職と同等の扱いとなる「特定理由離職者」に該当します。

会社都合退職と同等の扱いになる自己都合退職の【特定理由離職者】とは

特定理由離職者に該当するのは、以下のような理由で退職した人です。

特定理由離職者に該当する退職理由
  • 心身の障害や身体機能の減退により離職した場合
  • 妊娠・出産・育児等により働くことが困難になり離職した場合
  • 家族の介護や看護など、家庭の事情が急変したことにより離職した場合
  • 転勤などにより、配偶者や扶養家族との別居が難しい場合
  • 会社が移転したことにより通勤が困難になった場合
  • リストラにより希望退職した場合 など
  • 更新の可能性のある労働契約で働いていた人が、更新を希望したにも関わらず契約を終了された場合 など
特定理由離職者に該当する退職理由  心身の障害や身体機能の減退により離職した場合  妊娠・出産・育児等により働くことが困難になり離職した場合  家族の介護や看護など、家庭の事情が急変したことにより離職した場合  転勤などにより、配偶者や扶養家族との別居が難しい場合  会社が移転したことにより通勤が困難になった場合  リストラにより希望退職した場合 など  更新の可能性のある労働契約で働いていた人が、更新を希望したにも関わらず契約を終了された場合 など

つまり、本人の意思ではなく、環境の変化などにより退職した場合は自己都合の特定理由離職者に該当します。

なお、会社の倒産や突然の解雇、パワハラによる退職などは「会社都合退職」に該当します。

※1:厚生労働省|特定理由離職者の範囲

会社都合退職になる条件とは?メリットデメリットや失業保険への影響も!

自己都合退職で失業保険がもらえる人の条件とは?

自己都合退職で失業保険がもらえる人の条件とは?

失業保険は誰でももらえる訳ではありません。失業保険を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。

ここでは、自己都合退職で失業保険がもらえる人の条件を解説します。

就職の意思があるにもかかわらず就職できていない人

1つ目は、就職の意志があるにもかかわらず就職できていない人です。失業保険は、安心して就職活動が行えるように失業中の生活をサポートしてくれる制度。そのため、働ける状態の人が転職活動を行っている場合に失業保険が受け取れます

後ほど「失業保険の申請から受け取りまでの流れ」でもご紹介しますが、失業保険をもらうためには、求職活動とみなされる行動を定期的に行う必要があります。

求職活動とみなされる行動
  • 募集企業への応募
  • ハローワーク窓口での相談
  • ハローワークが開催しているセミナーへの参加
  • ハローワークが認可している民間企業のセミナー参加や職業紹介
  • 再就職のための資格取得 など

逆に、以下に該当する人は失業状態と判断されないため、失業保険はもらえません。

失業状態と判断されないケース
  • 家事や学業に専念する予定
  • 再就職が決まっている
  • 自営業を始めた・始める準備をしている
  • 企業の役員に就任した など

ただし、「病気・ケガ・出産・育児・介護」を行うため30日以上働けない状態が続いた場合は、ハローワークに受給期間延長手続きを行えば、働ける状況になった後から失業保険が受け取れます。

離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある人

2つ目は、離職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上ある人です。

なお、雇用保険の加入期間は、退職日以前の2年間で合算可能。例えば「A社で6ヶ月加入」→「1ヶ月後に再就職」→「B社で12ヶ月加入」の場合、雇用保険の加入期間は18ヶ月になるため、条件を満たします。

「A社で6ヶ月加入」→「1ヶ月後に再就職」→「B社で12ヶ月加入」の場合、雇用保険の加入期間は18ヶ月になる

ただし、過去2年間の間に失業保険を受け取っていた場合は、条件を満たしていても失業保険の対象にならないため、注意してください。

特定理由離職者は1年間に被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

特定理由離職者の場合は、若干条件が変わり、離職日以前の1年間に雇用保険の被保険者期間が通算して6ヶ月以上あることが条件になります。

自己都合退職で失業保険がもらえるのはいつから?いつまで?

自己都合退職で失業保険がもらえるのはいつから?いつまで?

では、自己都合退職した場合、失業保険はいつからいつまでもらえるのでしょうか?

給付が開始されるのは【受給資格決定日から7日間の待機期間+2ヶ月の給付制限】後

自己都合退職した場合、失業保険は「受給資格決定日から7日間の待機期間+2ヶ月の給付制限」後から給付が開始されます。

受給資格決定日とはハローワークで求職手続きをした日のことです。そのため、失業保険を早く受け取りたい人は離職後速やかに手続きを行う必要があります。

ただし、厚生労働省から「自己都合退職した人の給付制限期間を2ヶ月より短くする方向で検討している」との発表がでているため、今後はもう少し早く失業保険をもらえるようになるかもしれません。(2023年10月現在)

特定理由離職者は【受給資格決定日から7日間の待機期間の翌日】から開始

特定理由離職者の給付開始時期は「受給資格決定日から7日間の待機期間の翌日」になります。これは、会社都合退職の場合と同じ扱いになります。

失業保険をもらえる期間は雇用保険の被保険者期間により異なる

失業保険をもらえる期間は、雇用保険の被保険者期間により異なります。

被保険者期間

もらえる期間

20年以上

150日

10年以上20年未満

120日

1年以上10年未満

90日

1年未満の場合は受給資格を満たさないため、失業保険は受け取れません

特定理由離職者は雇用保険の被保険者期間と年齢により異なる

特定理由離職者の場合は、雇用保険の被保険者期間と年齢により、もらえる期間が異なります。

離職時
の年齢

雇用保険の被保険者期間

1年未満

1年以上
5年未満

5年以上
10年未満

10年以上
20年未満

20年以上

30歳未満

90日

90日

120日

180日

30歳以上
35歳未満

90日

120日

180日

210日

240日

35歳以上
45歳未満

90日

150日

180日

240日

270日

45歳以上
60歳未満

90日

180日

240日

270日

330日

65歳未満

90日

150日

180日

210日

240日

もらえる期間は最大で330日と、一般的な自己都合退職者より長い期間が設定されています。

自己都合退職の失業保険の金額の計算方法とは?

自己都合退職の失業保険の金額の計算方法とは?

次に、気になる失業保険の金額を計算してみましょう。失業保険は「基本手当日額×給付日数」で求められますが、概算を知りたい人は退職前の月収の50〜80%を目安としてください。

①賃金日額を計算する

まずは、1日当たりの賃金日額を計算します。賃金日額とは、退職前に受け取っていた1日当たりの平均賃金のことです。

賃金日額の計算方法
  • 退職前6ヶ月の賃金合計÷180

賃金合計に賞与は含まれません。

なお、賃金日額には上限と下限が定められています。

賃金日額の上限額と下限額

賃金日額の上限額と下限額は以下の通りです。(2023年12月現在)

離職時の年齢

賃金日額の
上限額

賃金日額の
下限額

29歳以下

13,890円

2,746円

30〜44歳

15,430円

44〜59歳

16,980円

60〜64歳

16,210円

※2:厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

②基本手当日額を計算する

次に、基本手当日額を計算します。基本手当日額とは、失業保険の1日当たりの金額のことです。

基本手当日額は、以下の表を参考に「賃金日額×給付率」で計算してください。(2023年12月現在)

60〜64歳の計算式

賃金日額

給付率

基本手当日額

2,746円以上
5,110円未満

80%

2,196円〜4,087円

5,110円以上
11,300円以下

45%〜80%

4,088円〜5,085円(★)

11,300円超
16,210円以下

45%

5,085円〜7,294円

16,210円超

-

7,294円(上限額)

45〜59歳の計算式

賃金日額

給付率

基本手当日額

2,746円以上
5,110円未満

80%

2,196円〜4,087円

5,110円以上
12,580円以下

50%〜80%

4,088円〜6,290円(▲)

12,580円超
16,980円以下

50%

6,290円〜8,490円

16,980円超

-

8,490円(上限額)

30〜44歳の計算式

賃金日額

給付率

基本手当日額

2,746円以上
5,110円未満

80%

2,196円〜4,087円

5,110円以上
12,580円以下

50%〜80%

4,088円〜6,290円(▲)

12,580円超
15,430円以下

50%

6,290円〜7,715円

15,430円超

-

7,715円(上限額)

29歳以下の計算式

賃金日額

給付率

基本手当日額

2,746円以上
5,110円未満

80%

2,196円〜4,087円

5,110円以上
12,580円以下

50%〜80%

4,088円〜6,290円(▲)

12,580円超
13,890円以下

50%

6,290円〜6,945円

13,890円超

-

6,945円(上限額)

★の給付率=DとEのいずれか低い方の金額
  • A:(賃金日額−5,110)÷6,190
  • B:A×0.35×賃金日額
  • C:0.8×賃金日額
  • D:C-B
  • E:賃金日額×0.05+4,520

▲の給付率=D
  • A:(賃金日額−5110)÷7,470
  • B:A×0.3×賃金日額
  • C:0.8×賃金日額
  • D:C-B

1円未満は切り捨てになります。

なお、基本手当日額にも上限額と下限額が設定されています。

※2:厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ

基本手当日額の上限額と下限額

基本手当日額の上限額と下限額は以下の通りです。

離職時の年齢

基本手当日額の
上限額

基本手当日額の
下限額

60〜64歳

7,294円

2,196円

45〜59歳

8,490円

30〜44歳

7,715円

29歳以下

6,945円

基本日額が上限額超や下限額未満の場合は、それぞれの金額に引き下げもしくは引き上げになるので、注意しましょう。

③失業保険の総額を計算する

最後に、失業保険の総額を計算します。失業保険の総額は「基本手当日額×給付日数」で計算します。

自己都合退職者の給付日数は雇用保険の被保険者期間により90〜150日、特定理由離職者の給付日数は雇用保険の被保険者期間と年齢により異なり90〜330日間です。

失業保険の計算例

例として、「60歳・雇用保険加入期間30年・退職前6ヶ月の賃金合計が150万円(月25万円)」の人の失業手当の金額を計算してみましょう。

「60歳・雇用保険加入期間30年・退職前6ヶ月の賃金合計が150万円(月25万円)」失業保険の総額は、1,184,640円

賃金日額は「150万円÷180」=8,333円です。

②基本手当日額の給付率は、表の★に当てはまるため、以下の計算をします。

★の計算式
  • A:(8,333−5,110)÷6,190=0.52
  • B:0.52×0.35×8,333=1,516
  • C:0.8×8,333=6,666
  • D:6666-1516=5,150
  • E:8,333×0.05+4,520=4,936

「5,150(D)>4,936(E)」のため、基本手当日額は4,936円になります。

③雇用保険加入期間20年以上の60歳の人の給付日数は240日のため、「4,936円×240日」=1,184,640円

失業保険の総額は、1,184,640円になります。

休業補償とは?給付額の計算方法・期間から休業手当との違いまで徹底解説!

自己都合退職の失業保険|申請から受け取りまでの流れ

必要書類を準備する→求職の申請と失業保険の受給申請をする→7日間の待機期間を過ごす→雇用保険受給者初回説明会に参加する→求職活動を行う→失業認定日にハローワークで失業認定を受ける→2ヶ月の給付制限期間を過ごす→2回目の失業認定を受ける→初回の失業保険が振り込まれる

失業保険の申請から受け取りまではいくつかの段階を踏む必要があります。ここでは、自己都合で退職した場合の失業保険の手続きの流れを確認しましょう。

※3:厚生労働省|雇用保険の具体的な手続き

①必要書類を準備する

まずは、必要書類を準備しましょう。

必要書類
  • 雇用保険被保険者離職票
  • 個人番号確認書類
  • 本人確認書類
  • 写真(縦3.0cm×横2.4cm)2枚
  • 本人名義の預金通帳orキャッシュカード

離職票は、退職後2週間前後で前職の企業から自宅へ郵送されます。

個人番号確認書類は「マイナンバーカード・通知カード・個人番号の記載のある住民票」のいずれかを用意してください。

本人確認書類は「運転免許証・運転経歴証明書・マイナンバーカード・官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)」のいずれかで、持っていない場合は「公的医療保険の被保険者証・児童扶養手当証書など」が2点必要になります。

雇用保険番号とは|転職しても変わらない?被保険者番号の調べ方も

②ハローワークで求職の申請と失業保険の受給申請をする

必要書類がそろったら、ハローワークに出向き、求職手続きと失業保険の受給申請を行います。ハローワークは全国にありますが、自分の住所を管轄するハローワークで手続きをしてください。

求職手続きと必要書類の提出が終わると「受給資格の決定」が受けられます。

③7日間の待機期間を過ごす

受給資格の決定日から7日間は待機期間になります。この期間内はアルバイトやパートを行うことは禁止されているため、注意しましょう。

④雇用保険受給者初回説明会に参加する

受給資格が決定されたら、「雇用保険受給者初回説明会」に参加します。

説明会が終了すると「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を渡され、初回の失業認定日が通知されます。

⑤求職活動を行う

失業認定日までの間は求職活動を行いましょう。募集企業への応募やハローワーク窓口での相談など、求職活動とみなされる行動を2回以上行う必要があります。

なお、失業認定日は失業保険の受給中の4週間に1度設定されます。継続して失業保険を受け取るためには、4週間の間に2回以上の求職活動を行う必要があることを覚えておきましょう。

⑥失業認定日にハローワークで失業認定を受ける

失業認定日になったら、ハローワークに出向き求職活動の報告を行います。

ここまでの流れは、自己都合退職者と特定理由離職者で共通している部分になります。

特定理由離職者は失業認定の1週間後に失業手当が振り込まれる

特定理由離職者の場合、この段階でハローワークに失業認定されると、約1週間後に失業保険が振り込まれます。

⑦2ヶ月の給付制限期間を過ごす

自己都合退職の場合は、7日間の待機期間の後に2ヶ月の給付制限期間を過ごします。この間も4週間に1回、失業認定日が設定されるため、求職活動を継続的に行いましょう。

⑧2回目の失業認定を受ける

給付制限期間中に2回目の失業認定を受けます。この段階でハローワーク側に失業状態であると認められると、初回の失業保険が振り込まれます。

⑨初回の失業保険が振り込まれる

初回の失業保険は、給付制限期間が過ぎてから2回目の失業認定の前日までの分になるため、丸1ヶ月分ではありません。2ヶ月目以降は28日分ずつ支給されます。

自己都合退職でもすぐ失業保険をもらう方法とは?

自己都合退職でもすぐ失業保険をもらう方法とは?

一般的な自己都合退職の場合、失業保険がもらえるのは「7日間の待機期間+2ヶ月の給付制限期間後」です。失業中に収入のない生活をすることに不安を感じる人も多いでしょう。

実は、職業訓練を受けると待機期間が免除されるため、すぐに失業保険がもらえるのです。

職業訓練とは、転職に役立つ知識やスキルを学べる制度のこと。正式名称は「公的職業訓練(ハロートレーニング)」といいます。

職業訓練で受けられる講座は「パソコン・IT・デザイン・CAD・介護」など、多岐にわたります。期間は3〜6ヶ月以内の講座が多いですが、中には1〜2年間学ぶ長期的な講座もあります。

自己退職でもすぐに失業保険がもらえるうえ、新たな知識やスキルが身に付く職業訓練。ぜひ、活用を検討してみてください。

ただし、失業保険の支給残日数が原則1/3を下回ってしまうと職業訓練は受けられないため、手続きの時期に注意しましょう。

なお、失業保険の給付日数が0になっても職業訓練を受講していれば、給付期間は延長されます

失業保険を受給する際の注意点

失業保険を受給する際の注意点

最後に、失業保険を受給する際の注意点を解説します。

パート・アルバイトをする際は時期と労働条件に注意する

1つ目は、パート・アルバイトをする際は、時期と労働条件に注意することです。

失業保険の申請中や受給中でもパートやアルバイトをすることは可能ですが、時期や労働条件によっては失業保険の受給が止められてしまう場合もあるため、注意が必要です。

7日間の待機期間中は働けない

7日間の待機期間中は、どのような労働形態でも働くことは禁止されています。待機期間中にパートやアルバイトを行うと、働いた日数分、待機期間が延長されてしまうため、注意しましょう。

給付制限期間中・失業保険の受給中は一定の範囲内なら働ける

給付制限期間中や失業保険の受給中は、以下の範囲内ならパートやアルバイトを行うことが可能です。

一定の範囲とは
  1. 1週間の所定労働時間が20時間未満
  2. 雇用期間が31日未満

ただし、上記の2点を満たしていても失業保険の支給が止められたり減額されたりする可能性があります。

例えば1日4時間以上働くと、働いた日数分、失業保険の支給が先送りになります。また、1日4時間以内の勤務でも、賃金が基本手当日額の80%を超えてしまうと失業保険は支給されません。

なお、失業保険の受給中にアルバイトやパートをする場合は、ハローワークへの申告が必要です。申告をしないで失業保険を受け取ると、不正受給とみなされてしまうため、必ず申告を行いましょう。

失業保険の受給中でも社会保険料や税金を納める必要がある

2つ目は、失業保険の受給中でも社会保険料や税金を納める必要があることです。

社会保険料や税金
  • 健康保険料:軽減措置なし
  • 国民年金保険料:状況により特例免除が可能
  • 所得税:所得により発生し、納税義務がある
  • 住民税:前年の所得により発生し、納税義務がある

特別な手続きをしない限りは、働いていないからといって社会保険料や税金が免除される訳ではないため、注意しましょう。

なお、家族の扶養に入っている場合は、社会保険料の納付は免除されます。

基本手当日額が一定金額以上になると家族の扶養に入れない

3つ目は、基本手当日額が一定金額以上になると家族の扶養に入れないことです。

社会保険上で扶養に入れる条件は年収130万円未満。この金額は、確定ではなく見込み金額で判断されるため、基本手当日額が一定金額以上になると扶養から外れてしまいます。

年金の場合は基本手当日額が3,612円以上健康保険の場合は加入先により多少異なりますが3,610円前後が扶養から外れるボーダーラインになります。

※4:日本年金機構|被扶養者の認定

まとめ・自己都合でも失業保険はもらえる

転職や会社への不満が原因で退職した場合でも、一定の条件を満たしていれば失業保険は受け取れます。

ただし、給付が開始されるのは「7日間の待機期間2ヶ月の給付制限期間」の後からです。「自己都合で退職したけれどすぐに失業保険をもらいたい」そんな人は、職業訓練を検討してみましょう。

職業訓練を受けると待機期間が免除されるだけでなく、給付期間が長くなる可能性もあります。

安心して転職活動を行うためにかかせない失業保険。この機会に、ぜひ制度の内容を把握しておきましょう。

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参考資料

厚生労働省|特定理由離職者の範囲
厚生労働省|雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ
厚生労働省|雇用保険の具体的な手続き
日本年金機構|被扶養者の認定

この記事の監修者

岡地 綾子 【ファイナンシャル・プランナー】

2級ファイナンシャル・プランニング技能士。 年金制度や税金制度など、誰もが抱える身近な問題の相談業務を行う。 得意分野は、生命保険・老後の生活設計・教育資金の準備・家計の見直し・相続など。

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