3000万円を運用で1億円にできる?必要な利回りを試算
3000万円を運用で1億円にできる?必要な利回りを試算
3000万円の貯蓄を資産運用で1億円まで増やすことは可能なのでしょうか。本記事では、3000万円を1億円に増やすために必要な利回りと、資産運用で得られる利回りについて紹介します。
- 目次
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貯蓄3000万円に成功している人の割合
そもそも3000万円の貯蓄に成功している人はどのくらいいるのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年」によると、年代別の割合は下記のようになっています。
年代 | 3000万円以上の 資産を保有している 人の割合 |
---|---|
20代 | 0.7% |
30代 | 2.4% |
40代 | 5.2% |
50代 | 10.5% |
60代 | 19.2% |
70代 | 17.6% |
全体 | 10.7% |
引用:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯]令和4年」
3000万円の貯蓄に成功している人の割合は、全年代の平均で10.7%でした。およそ10人に1人が3000万円の資産を保有している計算となります。
年代別の割合については、若年層ではほとんどいないものの、年代が高くなるほど徐々に数が多くなっていることが分かります。特に50代から60代で大きく割合が増えているのは、退職金などでまとまった資金を手にする人が多いからでしょう。
3000万円でリタイアは可能?
3000万円の資産が貯まったら、リタイアを視野に入れる人もいるかもしれません。ここからは、資産3000万円でリタイアは可能なのか年代別に考えてみましょう。
40代でリタイアする場合
仮に40歳でリタイアする場合、年金受給を開始する65歳まで資産を取り崩しながら生活することとなります。毎月20万円の生活費で暮らす場合、65歳までの25年間で必要な資金は下記の通りです。
- 20万円 ✕ 12ヶ月 ✕ 25年間 = 6000万円
40歳のリタイアには6000万円の資金が必要となり、3000万円ではリタイアが厳しいことが分かります。
50代でリタイアする場合
次に、50歳でリタイアする場合に必要な資金を試算してみましょう。毎月20万円の生活費で暮らす場合、65歳までの15年間で必要な資金は下記の通りです。
- 20万円 ✕ 12ヶ月 ✕ 15年間 = 3600万円
50歳でのリタイアでも3600万円の原資が必要となるため、やはり3000万円でのリタイアは難しいといえます。
仕事を続けながら元手を増やす方が賢明
3000万円の貯蓄を達成するとリタイアを検討したくなるかもしれませんが、リタイアの原資としては心もとない水準です。早期のリタイアを目指すのであれば、3000万円を元手に資産運用に取り組む方が賢明といえるでしょう。
3000万円を運用で1億円にするために必要な利回り
資産3000万円が貯まったらリタイアを目指すのではなく、その資金を元手にした資産運用がおすすめです。ここからは、3000万円を1億円に増やすために必要な利回りについてシミュレーションしてみましょう。
一括投資の場合
まずは、3000万円を一括投資する場合について紹介します。1億円に増やすために必要な利回りは下記の通りです。
【3000万円を一括投資する場合】
運用期間 | 必要な利回り (年利) |
---|---|
5年 | 27.3% |
10年 | 12.8% |
15年 | 8.4% |
20年 | 6.3% |
25年 | 5.0% |
30年 | 4.1% |
運用期間が10年未満の場合は高い利回りが必要ですが、運用期間が長くなれば10%以下の利回りで1億円を達成できる水準となります。
たとえば、50歳で3000万円の貯蓄に成功した場合、毎年8.4%の利回りを得られれば65歳でセカンドライフに入るタイミングで資産1億円を達成できることとなります。
とはいえ、15年間毎年8.4%の利回りを得続けるのはプロの投資家でも難しい水準です。
運用期間を長くすれば必要な利回りも低くなりますが、そのためには若年層の段階で3000万円の資産を築いておく必要があります。
一括投資だけで3000万円を1億円にするのは、運用期間が長くなれば可能であるものの、短・中期の運用では高い利回りが必要です。「絶対に不可能」という水準ではありませんが、ハードルは高いといえるでしょう。
一括投資と積立投資を併用する場合
次に、一括投資と積立投資を併用する場合についてシミュレーションしてみましょう。下記表にて、3000万円を1億円に増やすために必要な利回りを「運用期間・積立額別」に算出してみました。
【3000万円の一括投資と積立投資を行う場合】
運用期間 | 必要な利回り(年利) | ||
---|---|---|---|
月3万円 | 月5万円 | 月10万円 | |
5年 | 26.3% | 25.7% | 24.2% |
10年 | 12.0% | 11.5% | 10.2% |
15年 | 7.6% | 7.1% | 6.0% |
20年 | 5.5% | 5.0% | 3.9% |
25年 | 4.3& | 3.8% | 2.7% |
30年 | 3.4% | 3.0% | 1.9% |
仮に50歳で貯蓄3000万円に成功した場合、一括投資と積立投資で6.0〜7.6%の利回りが得られれば、65歳までに資産1億円に到達することとなります。
一括投資のみのケースでは8.4%の利回りが必要でしたが、積立投資を併用して継続することで必要な利回りを低減できることが分かります。
運用期間が長くなれば、必要な利回りもさらに低下するので、20年の場合は3.9〜5.5%で1億円に到達する結果となりました。積立投資を併用する場合は、一括投資のみの場合に比べて実現性が高いといえるでしょう。
資産運用はどれくらいの利回りが得られる?
ここまで、3000万円を1億円に増やすために必要な利回りをシミュレーションしてきました。しかし、投資経験が浅い人にとっては資産運用で得られる利回りの目安をイメージしにくいこともあるでしょう。
ここでは、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用成果を参考に、資産運用で得られる利回りの目安を紹介します。
私たちの年金は、GPIFによって運用が行われています。そのポートフォリオは下記のとおりです。
【GPIFの基本ポートフォリオ】
金融商品 | 構成割合 |
---|---|
国内債券 | 25% |
海外債券 | 25% |
国内株式 | 25% |
海外株式 | 25% |
GPIFでは、国内・海外債券、国内・海外株式にそれぞれ等しく投資しています。運用原資は私たちの公的年金であるため、半分を債券が占めるやや保守的な配分となっています。
GPIFでは定期的に運用成果を公表しており、直近5年の運用実績は下記の通りです。
年度 | 運用利回り (年利) |
---|---|
2022年度 | 1.42% |
2021年度 | 5.17% |
2020年度 | 23.98% |
2019年度 | -5.00% |
2018年度 | 1.48% |
引用:年金積立金管理運用独立行政法人「年金積立金の運用目標」
運用実績は年度ごとにバラつきがあり、市況によって大きな影響を受けていることが分かります。
GPIFが現在のような運用をスタートしたのは2001年で、そこから2022年までの22年間の平均利回りは3.6%となっています。
一括投資と積立投資を併用すれば1億円達成も見えてくる
仮に、GPIFのような保守的ともいえるポートフォリオで運用に臨んだ場合でも、3000万円を1億円に増やすことはできるのでしょうか。先ほど紹介したシミュレーションと照らし合わせると、3.6%の利回りで1億円を達成できるのは次のようなケースとなります。
- 一括投資と月10万円の積立投資で25年以上運用する場合
- 一括投資と月3〜5万円の積立投資で30年以上運用する場合
半分を債券で運用するポートフォリオの場合でも、運用期間は長くなるものの、1億円を達成することが可能です。株式の割合を高めれば、もう少し短期間での達成を目指すこともできるでしょう。
3000万円の運用に向いている金融商品
資産運用にはさまざまな金融商品があり、投資意向によってどの商品が向いているか大きく異なります。ここからは、3000万円の運用に向いている金融商品について、投資意向別に紹介します。
リスクを取った運用なら株式・株式投信
リスクを取りながら運用したい人には、株式や株式型の投資信託が向いています。
たとえば、個別銘柄の株式投資の場合、テンバガー銘柄のように大きく株価が上昇するケースもあります。将来性の高い企業に早くから投資ができるのも、株式投資の楽しみのひとつです。
ただし、株式投資の場合は銘柄選定に時間をかける必要があります。万が一投資先の企業が破綻してしまえば、投資した元本まで失う可能性があるためです。
「自分で銘柄を選定する自信がない」という人は、株式型の投資信託がおすすめです。投資信託は1つのファンドのなかに複数の銘柄が組み入れられているため、自ら銘柄選定を行う必要がありません。
間接的に複数の企業へ分散投資もできるため、株式投資のように「ゼロになってしまう」という可能性も低いといえます。
ただし、3000万円を運用する場合、「ポートフォリオの全てを株式投資に充てる」ということはおすすめできません。リスク許容度が高い場合であっても、一部は低リスク商品を保有することを検討しましょう。
安定運用なら債券・バランスファンド
安定的に運用したい人は、債券やバランスファンドを活用しましょう。
債券はあらかじめ満期や利回りが決められているため、運用計画に見通しが付きやすいメリットがあります。株式投資の場合は、最終的に売却したときにしか利回りが分からないため、「計画的に運用したい」という人にとってはニーズが合わない点があるでしょう。
その点、債券は利回りと運用期間の見通しが立てられるので、「◯年後に◯万円になる」というイメージがつきやすくなります。
また、バランスファンドとは、株式や債券、REITなど複数の金融商品を組み合わせて運用する投資信託です。1つのファンドを通じて分散投資ができるため、「保有商品を増やしたくない」、「手軽に分散投資がしたい」という人に向いています。
組入銘柄の入れ替えは「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロが行ってくれるため、運用に手間がかからないのも嬉しいポイントです。
万が一への備えは貯蓄性保険
3000万円の運用に取り組む際は、万が一の事態への備えも大切です。貯蓄性保険は、死亡保障など万が一の事態への備えと貯蓄機能を兼ね備えた金融商品です。
一定期間が経過した後は解約返戻金や満期保険金が受け取れるので、契約者は保障と貯蓄を両立できるメリットがあります。
また、貯蓄性保険には日本円建てと外貨建てのものがあり、外貨建て保険については高い利回りが得られるものがあります。もちろん為替リスクについては考慮する必要がありますが、万が一の事態に備えながら高い利回りを得られるのは、魅力のひとつといえるでしょう。
3000万円の運用で気をつけたい3つのポイント
3000万円の運用に取り組む場合、次のようなポイントに注意しましょう。
- リターンを追求しすぎない
- 投資先を分散する
- 専門家に相談する
ここまで3000万円を1億円に増やすために必要な利回りを紹介してきましたが、「増やしたい」という気持ちが先行して、リターンばかりを追求しないことに注意が必要です。
ハイリスクの運用に偏りすぎると1億円を目指すどころか、元本の3000万円を大きく毀損してしまう可能性があるためです。なるべくリスクを抑えるためには、複数の金融商品に分散することを心がけましょう。
また、3000万円の運用は専門家に相談することがおすすめです。最近はIFAと呼ばれる金融アドバイザーに資産運用を相談する人が増えています。IFAは金融機関から独立した立場のアドバイザーであるため、顧客目線でのアドバイスをくれる特徴があります。
IFAは定期的にアフターフォローも実施してくれるため、資産運用に取り組むうえでの心強い味方になるでしょう。
3000万円を適切に運用しよう
本記事では、3000万円を運用で1億円にする場合に必要な利回りについて紹介してきました。1億円というとかなり高いハードルのように感じられるかもしれませんが、一括投資と積立投資を併用すれば、決して実現不可能な水準ではないといえます。
ただし、資産運用では高い利回りばかりを追求するのではなく、リスクを低減する心がけも必要です。分散投資やポートフォリオの見直しなど、投資の基本を忘れずに運用に取り組みましょう。
また、より適切な運用に取り組むためには、金融の専門家であるIFAに相談することがおすすめです。アドバイザーナビ株式会社が運営する「わたしのIFA」では、細かい条件のもと相性の良いIFAを検索することができます。
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この記事の監修者
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