1億円の資産運用!利益だけで生活できる?
1億円の資産運用!利益だけで生活できる?
1億円の資金を運用した場合、利益だけで暮らせるのでしょうか?1億円を資産運用する場合の利益について、ポートフォリオ別のシミュレーションと、資産運用の際の注意点を紹介します。
- 目次
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【ポートフォリオ別】1億円の資産運用シミュレーション
1億円の資産運用では、どれくらいの利益を得られるのでしょうか。ここでは、5つのポートフォリオ別のシミュレーションを行い、その利益額だけで生活が可能か検証します。
ケース①株式7割・債券3割
まずは、「株式7割・債券3割」のポートフォリオを組んだ場合の利益を試算してみましょう。
仮に株式の利回りが4%、債券が1%とした場合、1年間で得られる利益(税引前)は次の通りです。
ポートフォリオ | 年間の利益額 |
---|---|
株式(7割) | 280万円 |
債券(3割) | 30万円 |
合計 | 310万円 |
全て課税口座で運用する場合、約20%の税金(所得税・住民税)が課税されるため、手元に残るのはおよそ248万円となります。
この利益だけで生活する場合、1ヶ月あたり約20万円で生活することとなります。社会保険料などを差し引いた可処分所得を8割とした場合、毎月の生活費は16万円です。1人世帯であれば生活できなくもない水準ですが、余裕のある生活とはいえません。
ケース②債券7割・株式3割
次に、「債券7割・株式3割」のポートフォリオで得られる利益を試算してみましょう。
先ほどのケースと同じく株式の利回りが4%、債券が1%の場合、得られる税引きの利益は下記の通りとなります。
ポートフォリオ | 年間の利益額 |
---|---|
債券(7割) | 70万円 |
株式(3割) | 120万円 |
合計 | 190万円 |
債券が7割を占める保守的なポートフォリオでは年間利益額が190万円となり、ケース①と120万円の差が出る結果となりました。約20%の税引後はおよそ152万円が手元に残る計算となるため、資産運用で得られる利益だけで生活していくのは厳しいでしょう。
債券をメインに投資する場合は、引き続き仕事を続けながら資産運用に取り組むことが望ましいといえます。
ケース③株式5割・債券5割
では、株式と債券を半分ずつ投資する場合についてはどうでしょうか。
この場合も同じく株式で4%、債券で1%の利回りを得られるものとした場合、税引前の利益額は下記の通りとなります。
ポートフォリオ | 年間の利益額 |
---|---|
株式(5割) | 200万円 |
債券(5割) | 50万円 |
合計 | 250万円 |
約20%の税引後は200万円が手元に残り、そこから可処分所得を8割とすると年間の生活費は160万円となります。1ヶ月あたりの生活費は約13万円となるため、このケースでは1人世帯であっても厳しい水準だといえるでしょう。
ケース④すべてバランスファンド
「自分でポートフォリオを組む自信がない」という人は、バランスファンドを活用する方法があります。バランスファンドとは、株式や債券、REITなど異なる金融商品を組み入れて運用する投資信託です。
組入銘柄の選定や入れ替えは「ファンドマネージャー」と呼ばれるプロの投資家が行ってくれるため、投資家は運用の手間がかからないメリットがあります。
仮にバランスファンドで2%の利回りを得る場合、1億円の運用で得られる年間の利益額は税引前で200万円となります。投資信託も利益に対して約20%の税金がかかるため、税引後はおよそ160万円が手元に残ります。
バランスファンドでの運用は手軽に分散投資ができるメリットがあるものの、その利回りだけで生活していくのは難しいといえるでしょう。
ケース⑤すべて配当株
株式の中には、配当金を出す銘柄も多くあります。1億円すべてを配当株に投資した場合、その配当収入だけで生活していくことは可能でしょうか。
仮に配当銘柄で平均3%の利回りを取る場合、1年間で受け取る配当金は税引前で300万円です。約20%が税金が引かれると手元には240万円が残り、その8割を可処分所得とすると年間192万円の生活費で暮らしていく計算となります。
1ヶ月あたりでいうと16万円の生活費となり、1人世帯であれば可能といえなくはないものの、余裕のある生活は難しそうです。
1億円の資産運用で気をつけたいこと
1億円の資産運用に取り組む際は、次の4つのポイントに気をつけましょう。
- 分散投資を徹底する
- リスク許容度を理解する
- 定期的にポートフォリオを見直す
- 資産運用のプロに相談する
それぞれくわしく解説していきます。
分散投資を徹底する
1億円というまとまった資金で運用する際は、分散投資を徹底することを心がけましょう。もし1つの投資地域や金融商品に集中投資していると、市場の変動要因が発生したときに資産全体が大きく減少してしまう可能性があります。
しかし、複数の投資先に分散できていれば、1つの銘柄で損失が出ていても、その他の銘柄の利益でカバーできる期待が持てます。
これまで築いてきた1億円という大切な資産を守るためにも、投資先は必ず複数に分散することが重要です。
また、分散投資で気をつけたいのが「分散投資先の相関関係」です。もし、似たような値動きをたどる投資先を選んでしまうと、同じタイミングで価格が上下するため、思うような分散投資の効果が得られません。
分散投資先を選定する際は、なるべく相関関係の低い銘柄同士を組み合わせるようにしましょう。
リスク許容度を理解する
資産運用に取り組む際は、自分のリスク許容度を理解することも大切です。リスク許容度とは、「どれくらいの損失を受け入れられるか」という水準のことです。
もし自分のリスク許容度が分かっていない場合、必要以上に高いリスクを取ってしまったり、反対に低リスク商品ばかりに投資して思うような利回りを取れなかったりする可能性があります。
特に、1億円というまとまった資金を運用する際は、リスク許容度が理解できていなければ大きな損失につながりかねません。まずは運用計画を立てたうえで、自分の運用意向に見合うリスク許容度を明確にしておきましょう。
定期的にポートフォリオを見直す
資産運用では、定期的にポートフォリオを見直すことも心がけましょう。ポートフォリオは、市況とともにバランスが変化してしまうことがあるためです。
たとえば、株式7割・債券3割のバランスでポートフォリオを組んだ場合、株式市場の上昇により株式の割合が増加するケースがあります。仮に株式8割・債券2割へとバランスが変化したならば、株式を1割売却してポートフォリオを元に戻さなければなりません。
また、ポートフォリオは自分の投資意向の変化に応じて見直す必要もあります。ライフステージが変わったり、年齢を重ねたりすれば、投資意向にも変化が生じます。
その時々で最適なポートフォリオを組むためにも、「1年に1回は投資意向に変化がないか確認する」などルールを作っておくとよいでしょう。
資産運用のプロに相談する
資産運用は、プロに相談しながら取り組むこともおすすめです。特に、1億円もの規模になると、プロの助言を得ながら適切なポートフォリオを組む必要があります。
最近では、「IFA」へ相談する人が増えています。IFAとは、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれる金融アドバイザーです。
日本ではまだあまり馴染みのない存在ですが、金融先進国の欧米ではすでに広く知られた存在です。
IFAは金融機関から独立していることが特徴で、相談者目線でのアドバイスがもらえるメリットがあります。本当に必要な商品だけを紹介してくれるので、安心して相談することができます。
IFAは定期的にポートフォリオの見直しやアフターフォローも行ってくれるので、今後1億円を運用していくうえでの心強いパートナーとなります。
1億円の資産運用におすすめの投資先
1億円の運用先として、主に次の5つが挙げられます。
- 株式
- 債券
- 投資信託
- 貯蓄性保険
- 不動産投資
それぞれ特徴を解説していきましょう。
株式
株式投資は、応援したい企業や成長性が高い企業に直接投資できるメリットがあります。株式投資で得られる利益には「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の2種類があり、それぞれ次のような違いがあります。
キャピタルゲイン | 売買によって得る利益 |
---|---|
インカムゲイン | 配当金によって得る利益 |
「頻繁に売買する自信がない」、「取引のタイミングが分からない」という人は、安定的な配当銘柄でインカムゲインを狙うのもよいでしょう。
ただし、株式投資については、万が一投資先の企業が破綻したときに元本がゼロになってしまうリスクがあります。なるべくリスクを低減するためには、きちんと企業の財務状況や経営状況をチェックしたうえで銘柄選定を行うようにしましょう。
債券
債券は、企業や国、地方自治体が発行する証券です。事前に満期や利回りが提示されており、満期を迎えると原則投資した元本がそのまま戻される仕組みです。
そのため、債券は株式に比べてリスクが低いといわれており、安定的な運用を求める人におすすめの金融商品です。
また、あらかじめ運用期間や利回りが提示されていることで、「運用計画が立てやすい」というメリットもあります。株式投資の場合は最終的に売却したときにしか利回りが分かりまませんが、債券は利回りが提示されていることから、計画的に運用することができます。
ただし、債券は金利の動向に影響を受けやすい特徴があります。債券は基本的に満期まで持つことが前提ですが、商品によっては市場で売却することもできます。
その際の価格は金利動向によって変動し、「発行時よりも金利が上がっていれば債券価格が下落し、金利が下がっていれば債券価格が上昇する」という仕組みとなっています。
もし途中で売却する際は、金利動向によって元本が割れて戻ってくる可能性があることを理解しておきましょう。
投資信託
投資信託は、投資家から集めた資金をもとにプロの投資家が運用を行う金融商品です。組み入れる銘柄によって種類があり、主に次の4種類に分けられます。
- 株式型
- 債券型
- REIT(不動産投資信託)
- バランスファンド
たとえば、株式型ファンドでは複数の株式を組み入れて運用を行います。投資家は1つのファンドを通じて複数の銘柄に分散投資できるため、投資の手間をかけずに済むメリットがあります。
また、REITと呼ばれる不動産投資信託は、分配金が高いことが特徴です。REITには、分配金の条件によっては投資法人の法人税が事実上かからなくなる仕組みがあるため、多くのファンドが定期的に分配金を出しています。
「定期的な収入がほしい」という人は、REITを活用するのもよいでしょう。
貯蓄性保険
1億円の資産運用では、増やすことばかりではなく相続税対策にも留意しましょう。相続税には基礎控除があり、次の式によって算出されます。
- 3,000万円+(600万円×法定相続人の数) = 相続税の基礎控除
仮に法定相続人が3人である場合、基礎控除は4,800万円となり、基礎控除を超える部分については相続税が課されます。
そこで活用したいのが、「生命保険の相続税非課税枠」です。生命保険で受け取った死亡保険金については「500万円 × 法定相続人の数」まで非課税となります。もし法定相続人が3人の場合は、生命保険を活用すれば1,500万円まで非課税で受け取ることができます。
なおかつ、貯蓄性保険であれば貯蓄の機能もあるため、「増やしながら相続税対策ができる」というメリットがあります。1億円で資産運用を行う際は、まず生命保険の非課税枠を消費しておくことを検討しましょう。
不動産投資
1億円という元手資金があれば、不動産の現物投資に取り組むことも可能です。不動産投資は、家賃収入による不労所得を得られることが大きな魅力です。
仮に1億円の物件で5%の利回りを得られる場合、年間500万円の利益が入る計算となります。もちろん空室リスクや管理・修繕にかかるコストは十分考慮する必要がありますが、「1億円を元手に不労所得を築きたい」という人は、不動産投資を検討してみるのもよいでしょう。
1億円の資産運用はプロと一緒に取り組もう
本記事では、1億円の資産運用で得られる利益額をポートフォリオ別に試算してきました。株式の割合を高めれば運用で得られる利益だけで暮らしていくことも可能ではあるのですが、その際はリスクコントロールや銘柄選定を慎重に行う必要があります。
これまで築いてきた資産を大切に守るためにも、運用の際はプロに相談しながら着実に取り組みましょう。アドバイザーナビ株式会社が運営する「わたしのIFA」では、金融アドバイザーであるIFAをさまざまな条件のもと検索することができます。
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