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自分の安心につながる「エンディングノート」の作り方・書き方【FP監修】

高橋正美 【ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)】

家族のためだけではなく、自分自身の安心のため、「エンディングノート作り」をおすすめします。ノートに書いておきたい内容や、遺言書との違い、安心ノートなどについて解説します。

目次

エンディングノートとは

エンディングノートとは、不慮の事故や急病、急逝などといった「万が一のとき」に備え、自分の情報や、家族などへのさまざまな想いを記しておくノートのことです。

エンディングノートは、終活などと組み合わせて、人生の最期をどのように迎えたいか、お葬式やお墓などの希望を書くのが一般的だと考えられていますが、基本的に「これを書かなければならない」というような決まった書式はありません。

これまでの人生を振り返って自分史をしたためたり、終末を見据えて今からやりたいことを書いたり、といった前向きな内容をエンディングノートに書いている人もいます。

最近では、あらかじめ書く内容が決められているエンディングノートも市販されており、大変便利です。

それでは、アンケートなどの結果をもとに、実際にエンディングノートを書いている人はどれくらいいるのか、どんなことを書いているのかを確認してみましょう。

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40代〜70代男女のエンディングノートの認知度は80.2%、書いている人はわずか5.2%

エンディングノートはどれくらい多くの人に知られているのでしょうか?
葬儀社最大手の公益社を傘下に持つ燦ホールディングスが、40代から70代の1,000人の男女に対して2022年3月に実施した「終活に関する意識調査」の結果を見てみましょう。
このアンケートによると、エンディングノートの認知度は80.2%に上りました。

とはいえ、知っている人のうち、すでにエンディングノートを書いている人は5.2%にしか満たず、書いてみたいと思っている人は52.4%、書いてみたいと思わない人は42.4%もいるそうです。
エンディングノートに関するアンケート調査の結果をグラフで示したもの

このアンケートの結果から、半数以上の人がエンディングノートに興味を持っている一方で、少なからぬ人が「エンディングノートなんて縁起でもない」「エンディングノートを用意するような歳ではない」と敬遠している雰囲気が推測できます。

参考記事
老後に不安を持つ人は85%と多く、主な不安は「健康」や「貯え」について 終活で重要と考えるのは「財産管理」、「相続」、「ものの整理」 生活者にとって、「老後の不安」と「終活」は直結していない|燦ホールディングス株式会社のプレスリリース

「資産について」「葬儀の希望」「大切な人へのメッセージ」などをエンディングノートに書きたい人が多数


続いて、同じアンケートで、エンディングノートをすでに書いている人と、書いてみたいと思っている人に対し「エンディングノートに書きたいことはなにか」を聞いたところ、下記のようなランキングの割合になったそうです。

  1. 資産について(不動産、貯金、金融資産、保険など)…426人
  2. 葬儀の希望…366人
  3. 大切な人へのメッセージ…327人
  4. もしもの時の連絡先(親戚や友人など)…310人
  5. 介護と看病に望むこと…277人
  6. お墓の希望…250人
  7. デジタル(PC、スマホなど)の情報…214人
  8. 遺影について…111人
  9. 借入金、ローンについて…74人
  10. 自分のプロフィールや歴史…69人
  11. その他…1人


多くの人が、自分が亡くなったあとの遺産や葬儀の内容が気がかりで、遺族や友人知人などのことを気にかけているようです。

エンディングノートに抵抗がある人は「安心ノート」や「もしもノート」から始めよう

安心ノート・もしもノートとは?
エンディングノートによく似ているものとして「安心ノート」や「もしもノート」などがあります。

安心ノートは、今の自分の情報を書いておき、災害や病気、ケガなどの不測の事態が起きた際に役立てるものです。
もしもノートはダイソーで販売されている商品で、じぶんノート、おかねノート、けんこうノート、おつきあいれんらくノート、うちの子ノート(ペット情報のノート)の5種類が販売されています。

エンディングノートと内容はかぶるものの、安心ノートやもしもノートには防災用具としての側面があります。
死ぬときのことを連想させる「エンディングノート」よりも抵抗を感じにくいためか、若い世代からも支持されており、初めてのエンディングノートとして安心ノートやもしもノートの作成に着手する人も多いようです。

安心ノートやもしもノートは、エンディングノートの入門編と言っていいかもしれません。

「エンディングノートなんて縁起でもない!」と思う人は、安心ノートやもしもノートを作ることから始めてみるのはいかがでしょうか。

エンディングノートがもたらす精神的なメリット

エンディングノートには、「安心ノート」の例もあるように、書くことで安心感を作り出すことができます。

自分の考えや、気がかりなこと、片付けなければいけないタスクなどを書き出すと、頭の中を整理できますので、漠然とした不安を解消するのに役立つでしょう。

遺言書との最大の違いは「法的効力の有無」

エンディングノートとよく比較されるものの中に「遺言書」があります。
遺言書とエンディングノートの大きな違いは、法的な効力があるかどうかです。
エンディングノートと遺言書の違いの図解イラスト

上記の図解に示したように、遺言書には法的な効力がありますが、エンディングノートにはありません。

遺言書は決まった形式を自筆で書く必要があり、おもに相続や遺産に関することをすべて書き記さなくてはなりませんが、エンディングノートは書式も内容も自由です。
自分の預貯金がいくらあるのか、配偶者やお子さんなどの相続人にまだ知られたくない、といった場合は、書かなくても問題ありません。

つまり遺産相続をしっかりと行うには、エンディングノートではなく遺言書を残しておくことが必須となります。
また、遺言書は「死後」に関してのみですが、エンディングノートには「生きている間」のことについても書くことができます。

エンディングノートは何度も書き直すことができますので、鉛筆や付箋を利用して思いついたことから書き出していき、それをもとにしっかりした遺言書を作成するといいでしょう。

なお、遺言書には自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。
2つの違いについては、「遺言書とは?3つの種類と特徴・違い・書き方を解説」という記事で詳しく説明していますので、参考にしてください。

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エンディングノートに記載すること1:自分の基本情報

ここからはエンディングノートに実際に記載しておきたい主要な情報を挙げていきます。
必ず書かないといけないわけではありませんので、ご自身で必要に応じて取捨選択をしてください。

まずは自分自身の基本情報を記載しておきます。

<自分自身の基本情報>

  • 氏名
  • 生年月日(西暦と元号を併記)・年齢(執筆時点)
  • 現住所・本籍地
  • 血液型
  • マイナンバー
  • 基礎年金番号
  • 宗教・菩提寺などについて


自分の基本情報は、入院や死後などのシチュエーションで、ご家族や知人などが病院や役所、寺院、葬儀社などで手続きの際に参考にするものです。
ですので、正確に記載するようにしてください。

また、年金受給の停止手続きをするのに、マイナンバーや基礎年金番号、年金証書などが必要な場合もあります。
年金証書の保管場所なども記載しておくといいでしょう。

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エンディングノートに記載すること2:遺言書の有無について

エンディングノートのほかに、遺言書を作成した場合は、遺言書についての情報を記載します。
遺言書の種類や、遺言書の保管場所(自宅の金庫、法務局、公証役場など)を書いてください。

資産を誰に相続してもらいたいか、といったことをエンディングノートに書いても構いませんが、エンディングノートには法的な効力がありません。
ですので、相続の内容については、遺言書に書いたほうが有効です。

エンディングノートに記載すること3:家系図・親族図

相続に関係する親族を網羅した「家系図」や「親族図」を書いておくと、相続人は大変助かります。
親族や相続人同士の面識がない状態で葬儀を行ったり、相続の相談をしたりするときに、家系図が頼りになるからです。
財産分与の目安をつけるのにも、家系図は役に立つでしょう。
エンディングノートに書いておきたい「家系図・親族図」

エンディングノートに記載すること4:介護や終末期の医療について

エンディングノートには亡くなったあとのことだけでなく、命が助かったときの緊急対応についても記載しておくと、家族も安心です。
たとえば介護についての希望や、終末期に受ける治療方法、余命宣告の有無、危篤状態に陥った際の連絡先などを記しておきましょう。

下記のリストを参考にしてください。

<介護について>

  • 介護をお願いしたい人や団体について
  • 介護資金について
  • 介護の謝礼もしくは財産分与について
  • 介護をしてほしい病院・施設・在宅などの場所
  • 認知症などになったときの後見人について(後見人については、任意後見制度の利用をおすすめします)
  • アレルギーや持病、常備薬など


<終末・延命治療について>

  • 終末・延命治療の希望
  • 余命宣告の希望
  • 会いたい人・連絡を取ってほしい人
  • 最期を迎えるのは在宅か病院か
  • 献体や臓器提供を希望するか

エンディングノートに記載すること4:ペットの情報と引き取り先について

高齢者のペット飼育で気をつけるポイントと、お金や住まいの話」という記事でも言及しましたが、ペットを飼っている人は、自分自身が世話をできなくなったときの対応策を講じなければなりません。
頼れる家族・知人・団体などの該当先があれば、名前、住所、連絡先などを記しておきましょう。
ペットの情報もエンディングノートに必ず書いておこう
また、ペットの基本情報も記載し、世話を引き継いだ人が適切に面倒を見られるようにしておきます。
下記のリストを参考にしてください。

<ペットの基本情報>

  • 名前
  • 生年月日・年齢
  • 体重
  • 種類
  • ワクチン接種の年月日
  • 持病・アレルギー・投薬・手術の有無
  • いつも食べているフードやサプリメントのメーカー・種類
  • 適切な食事量とタイミング
  • 食べ物・遊び・おもちゃ・人・散歩コースなどの好き嫌い
  • かかりつけの動物病院名・住所・電話番号・主治医名・診察券の保管場所など
  • 加入している保険について
  • お世話を頼みたい人・団体の名前・住所・連絡先

エンディングノートに記載すること5:預貯金などの現金

預貯金の通帳と現金のイメージ
保有する預貯金については、預け先の金融機関名、支店名、口座番号などについてまとめておきます。
定期、普通、積立、当座などの形式や、貸金庫の有無、通帳や登録時の印鑑を保管してある場所などについても記しておきましょう。
ネット銀行やネット証券、暗号資産などを保有している場合は、特に注意して家族にそれらの資産が存在することをアピールしてください。
盗難などでノートを目にした第三者の悪用を避けるため、ログインIDや暗証番号の記載は控えておきます。

なお、自分の口座を夫婦共有の口座として使っている人は要注意です。
故人の口座は相続手続きが終わるまで凍結され、相続後に凍結解除をしないと預貯金を引き出すのが難しいからです。

民法の改正(※1)によって、2019年7月から「預貯金の払戻し制度」が施行され、相続人は一定の範囲内で被相続人(故人)の預貯金を払戻しできるようになりましたが、この制度を利用するには、故人の除籍謄本や、相続人全員の戸籍謄本、払戻しを希望する人の印鑑証明などの書類を一式そろえる必要があります(※2)。

被相続人(ご自分)が亡くなって間もない慌ただしい状況で、相続人がさまざまな手続きをするために役所や銀行を往復するのは大変です。
ですので、生前のうちに配偶者の口座を用意しておき、亡くなってすぐに必要な葬儀代金くらいは滞りなく支払えるよう、預貯金を分配しておくと安心です。

※1:2018(平成30)年7月に相続法制の見直しとなる「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が成立し、2019年7月に「預貯金の払戻し制度」が施行されました。
※2:金融機関によって必要書類は異なる場合があります。詳しい書類については各金融機関にお問い合わせください。

エンディングノートに記載すること6:不動産について

遺言書と不動産登記権利情報
不動産登記簿謄本(登記事項証明書)などをもとに、自身が保有する不動産情報をまとめます。

住んでいる家や土地のほか、保有する空き地や空き家、別荘、事務所、貸地、アパート、マンション、駐車場、農地、山林など、所有するすべての不動産について記載してください。

また、所有する不動産を誰から、いつ相続・購入をしたのか、隣人や関係者とどういった約束や契約が結ばれているか、売却や活用などを検討していたか、といった細かい情報が記載されていると、相続人は助かります。

下記のリストを参考にしてください。

<不動産の情報>

  • 不動産の種類(土地、戸建て、アパート、マンション、田畑、山林)
  • 不動産の用途(自宅、別荘、事務所、事業用、投資用)
  • 不動産の住所・坪数
  • 住んでいる人、管理している人・会社の名前と連絡先
  • 不動産の名義・共同所有者の名前と連絡先
  • 想定地価
  • 相続・購入の経緯(誰からいつ相続・購入したのか、購入意図は何なのか)
  • 隣人・管理人・賃借人などの関係者の情報、取り決め内容など
  • 役所や不動産会社とのやりとり内容
  • 今後どのようにしたいのか(移住・売却・契約解除・処分・増改築・活用方法など)


不動産活用に関連した記事

エンディングノートに記載すること7:有価証券・株式・投資信託などの金融商品

有価証券や株式、投資信託などの金融商品を保有している場合は、下記の情報をまとめておきましょう。

<金融商品の情報>

  • 金融会社の名前・支店名
  • 金融商品の種類
  • 口座番号
  • 数量
  • 確定申告の有無

エンディングノートに記載すること8:その他の資産・資産価値が低い遺品の処分方法

そのほかの資産になりそうなものをリストアップし、その状態や、誰に贈りたいか、あるいは処分方法などを記載します。

<その他の資産>

  • 車・バイク・自転車
  • ゴルフ、リゾートホテルなどの各種会員権や、借地権、特許権などの権利関係
  • 骨董品・美術品・宝石・貴金属・高級ブランド品


なお、高級品の部類に入る家電製品やパソコンなどの場合、販売から一定年数が経つと、思った以上に価値が下落しますので、資産にはなりにくいでしょう。高級布団などの消耗品も同様です。

一部のマニアに評価されるような、趣味のグッズや書籍などの「お宝」でも、一般的な資産価値が低い物品ですと、リサイクルショップなどに持ち込んでも、運搬や処分の手間がかかるだけで、買い取りの値段がつかない恐れがあります。ですので、生前整理をしてインターネットフリマやフリマアプリなどで同好の士に売却しておくのも一つの方法です。

自分が亡くなる瞬間まで、どうしても近くに置いておきたいものは、物品名とともに、寄贈先の団体名・友人・知人などの連絡先をセットで書いておくか、ゴミとして捨ててもらっても構わない旨などをノートに書いておきましょう。

生前整理については、下記の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
生前整理の「やることリスト」

エンディングノートに記載すること9:生命保険・火災保険・自動車保険など

加入している生命保険や火災保険、自動車保険などについては、保険会社の名前、保険の種類、給付の内容、受取人、振替または引落口座などの情報を記載します。
窓口の電話番号や担当者名、メールアドレスなども記載しておくと、保険金や給付金の受取りや解約、名義変更などがスムーズに行えるでしょう。

被相続人(ご自分)が亡くなってすぐに保険金や給付金を必要とする場面があるかもしれませんので、なるべく詳細に記しておいてください。

エンディングノートに記載すること10:住宅・車・カードなどのローンの残債

住宅・車・カードなど、ローンの残債があればエンディングノートに書いておこう
住宅ローンや車のローン、カードローンなど、それぞれのローンにどれくらいの債務が残っているのかも記しておきましょう。
奨学金などの支払いが残っている場合も負債になりますので、まとめておいてください。

エンディングノートに記載すること11:人に貸しているお金・借りているお金

人に貸しているお金や、借りているお金についてもまとめておきます。
貸し借りをしている人の名前、連絡先、金額、いつから貸し借りをしているのか、借用書の保管場所なども書き出しておきましょう。

エンディングノートに記載すること12:クレジットカード・スマホ・サブスクなどの月々支払うものについて

年会費が発生するクレジットカードや、月々の支払いが発生するスマホやサブスクリプション(定期購読、定期購入している)サービスについては、死亡時にすみやかに解約する必要があります。

契約の種類(クレカ、スマホ、AndroidやApple等のアプリのサブスク、など)と契約先の会社名と連絡先をまとめておいてください。
動画のサブスクリプションサービス一覧(2022年8月時点の主な有料動画サービス)
たとえば有料の動画サービスだけでも、これだけの数があります。
サブスクリプションサービスに加入するタイミングで、エンディングノートにもその情報を書き足しておきましょう。

エンディングノートに記載すること13:スマホ、PCのデータについて

エンディングノートを書類データとしてスマホやパソコンに保存している場合は、家族や知人などにデータを見つけてもらわなければなりません。スマホやPCのデータを消去したい場合も、一度ログインしてもらう必要があります。自分以外の人がパソコンやスマホにログインするためには、IDとパスワード情報をエンディングノートに残しておきましょう。
その際、くれぐれも第三者に見つからないように気をつけてください。

用心のために、エンディングノートの書類データ自体にパスワードをつけるのもおすすめですが、パスワードの記録漏れには十分注意してください。
肝心のエンディングノートが見れなくなってしまっては、本末転倒です。
ネット銀行やネット証券、暗号資産を保有している場合も同様です。

エンディングノートに記載すること14:葬儀、遺影、納骨、お墓について

葬儀、遺影、納骨、お墓についてのイラスト
葬儀やお墓の希望について記載します。
内容は下記を参考にしてください。

<葬儀の希望>

  • 喪主の希望
  • 葬儀の宗教について
  • 葬儀の形式・規模(密葬、家族葬、一般葬、社葬、直葬(火葬)など)
  • 呼んでほしい人の連絡先
  • 遺影に使用する写真の指定
  • 副葬品(棺桶に入れてほしいもの ※1)
  • 戒名の要不要
  • 葬儀の演出(斎場、供花に入れてほしい花の種類や色、出棺時の音楽など)
  • 葬儀に関する支払いについて(用意していない、自身の預貯金で支払う、など)


<納骨・お墓の希望>

  • お墓がある場合は、お墓と菩提寺の所在地と連絡先
  • 墓石の用意や彫刻をお願いしたい石材店の連絡先
  • お墓に刻む文章(墓碑銘)
  • お墓がない場合は、その他の埋葬方法(永代供養、納骨堂、樹木葬、散骨 ※2、合祀、自宅供養)
  • お墓に関する支払いについて(支払い済み、自身の預貯金で支払う、など)


※1:遺骨や火葬炉を損傷する原因となるものは入れらません。火葬場によっては、断られる副葬品もあります。
※2:地域の条例によって散骨が禁じられていることもあります。

エンディングノートに記載すること15:家族・親族・友人・知人へのメッセージ

大切な家族や親族、お世話になった友人、知人などへ感謝の気持ちを自由な形式で書きましょう。
また、家族以外の人の場合は、名前と連絡先なども忘れずに書いておきます。

エンディングノートに記載すること16:自分史

これまでの人生で起こった大切な思い出や、忘れられない記憶、笑ってしまうエピソードなど、自分史をまとめておくのもおすすめです。
ご家族の思い出話にも、花が咲くことでしょう。
人生の歩み、自分史

「おひとりさま」のエンディングノートには何を書けばいい?

相続人などの身内がいない「おひとりさま」の場合、エンディングノートには財産管理委任契約や民事信託(家族信託)、成年後見制度、死後事務委任などの内容を記載しておきましょう。

民事信託をしている場合は、受託者や受益者の連絡先、成年後見制度を利用している場合は、法定後見人や任意後見人などの連絡先を記載します。

民事信託・成年後見制度に関連した記事

エンディングノートの作成と一緒に進めておきたいこと

エンディングノートの執筆が進んできたら、同時に進めておきたいことを紹介します。
生前に整理・進行しておきたいこと(遺言書作成、生前整理など)一覧

遺言書の作成

財産を把握し、誰に何を相続してもらいたいかが決まったら、遺言書を作成しましょう。
エンディングノートには遺言書と違って法的な拘束力はありませんので、相続に関することはすべて遺言書に書いてください。

関連記事
遺言書とは?3つの種類と特徴・違い・書き方を解説

家族にエンディングノートの存在を知らせておく

エンディングノートをしっかり作っても、誰からも見られずに捨てられてしまっては元も子もありません。
配偶者や子供、孫だけでなく、親や義理の親が存命中であれば、彼らにも知らせておきましょう。

任意後見制度などの活用

相続人がいなかったり、家族がいても疎遠だったりする場合は、本人が事前に後見人を選んでおく「任意後見制度」の活用を検討してください。

本人の判断能力が低下してから親族などが家庭裁判所に申し立てて後見人が選ばれる「法定後見制度」の場合ですと、申し立てから後見人の決定までに数か月ほどかかってしまいます。
自分が元気なうちに任意後見制度を利用し、あらかじめ後見人を決めておくことをおすすめします。

いらないものの処分・売却などの身辺整理(生前整理・老前整理)

亡くなったあとの遺品整理は、ものが多ければ多いほど、遺族にとっては大きな負担となります。
自分にとっては大事な宝の山かもしれませんが、価値がわからない人からすればガラクタも同然です。
大事な遺品を、ゴミ同然で捨てられてしまう未来は想像したくはありません。そうならないためにも、生前整理を進めておきましょう。

資産価値が変わりにくい貴金属や、これから価値が上がるかもしれない骨董品や美術品などはとっておいても構いません。

趣味で集めた物品や書籍などは、リサイクルショップなどに持ち込み、見積もりをとってみてください。
まったく値段がつかないものは、友人や知人でほしい人がいないかを探します。引き取る人がいない場合は、インターネットのフリマなどで同じ嗜好を持つ仲間に譲り、かさばる大物は中古品をタダで譲るサービスなどを活用すれば、無料で手放すことができます。

無料にしても、もらいたい人が見つからなかったものは、燃えるゴミ、燃えないゴミ、粗大ごみなどとして適切に処分しましょう。

遺品整理に関連した記事
遺品整理サービスの費用が5万円未満なら44%の人が「利用する」と回答

パソコン・スマホのデータ整理

自分が愛用していたパソコンやスマホに誰かがログインするのは、決して気分がいいものではありません。
人に見られたくないデータや記録は、日頃から残しておかないことをおすすめします。
いらないファイルや、古くなったデータはこまめに削除し、ゴミ箱の中身も定期的に空にする習慣を身につけましょう。

連絡先の整理

いざというときの連絡先をエンディングノートに記載していても、途中で情報が変わってしまうこともあります。
名称、姓名、住所、電話番号、メールアドレス、LINE等のIDなど、変更があったらエンディングノートの内容も書き換えてください。
不要になった連絡先は、適宜削除していきましょう。

遺影の撮影

お気に入りの服を着て遺影を撮影しよう
今よりも太っている、痩せている、筋肉が落ちている、目が半目になっている、など、コンディションがベストではないときの写真を遺影に使われるのは不本意です。
遺影用に、あらかじめ写真館などで撮影しておくのもいい方法です。
お気に入りの服を着て撮影をすれば、気分も盛り上がるでしょう。

お墓の準備

エンディングノートとともに、生前にお墓の準備も進めておくと安心です。
墓石に彫ってほしい文章(墓碑銘)を考えたり、戒名を用意したり、事前に準備できることはたくさんあります。

入るお墓がない場合は、納骨堂や永代供養の場所などを探しておきましょう。最近では、樹木葬や宇宙葬(スペースメモリアル)など、さまざまなプランがあります。

<老前整理・生前整理についての外部参考記事>
名古屋の不用品回収業者満足度96%のグッドサービス

まとめ:自分の安心のためにエンディングノートを作ろう

エンディングノートは、残された遺族が相続で困らないためのもの、とイメージする人が多いかもしれませんが、役割はそれだけではありません。
エンディングノートの作成は、自分自身の安心にもつながります。

資産や遺品に対する自分の考えをまとめて、相続関係のことを整理すると、不安な思いが解消されることに気づくでしょう。
また、誰に何が相続され、それがどのように活用されるのかを想像すると、ワクワクするかもしれません。

自分のこれまでの歩みを振り返ると、これからの人生を考えるきっかけになることもあります。
預貯金やクレジットカードなどの情報を記入をすることで、自分が今後使用したい財産を整理することもできるでしょう。

明るい未来を考えるためにも、早めにエンディングノートを作ることをおすすめします。
沢山の項目がありますが、書けるところから少しずつ書き始めてみてください。

参考資料
「エンディングノート」(PDFダウンロード版) - 法務局


エンディングノート・相続などの関連リンク

この記事の監修者

高橋正美 【ファイナンシャルプランナー(CFP®認定者)】

日本FP協会所属。日本FP協会2019年「くらしとお金の相談室」相談員。某保険会社のお客様窓口で、保全業務のほか、資産活用、相続対策の相談などを16年間行い独立。相続開始後の手続き支援なども行う。 健康管理士として、お客様のお金に関する相談以外に、健康に関するアドバイスも実施。

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